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高齢者施設でのレクリエーションにおすすめの音楽療法・音楽レク:夏の歌編

音楽療法は、起承転結を意識したプログラムに沿って、高齢者に実施するのが理想的なセラピーです。
そこで今回は、「夏の音楽療法プログラム」を提案するとともに、プログラムに取り入れたい体操や、生かしたい回想法の理論についてご紹介します。
大好評の「音楽レクシリーズ」は、秋の歌編・冬の歌編もアップしていきますのでどうぞお楽しみに!

夏の歌を用いた音楽レクのプログラム案

音楽療法は、事前に決めたプログラムに沿って行うセラピーです。
プログラムは、起承転結を意識しながら作成することで、セラピーの場を盛り上げやすくなります
また、プログラムを作成しやすくなるというメリットも生じます。

●音楽療法プログラムの起承転結の内容

起承転結のあるプログラムとは、

  1. 1.『起』誰もが知っている曲で、参加意欲を高め
  2. 2.『承』場の雰囲気が盛り上がる曲を使用し
  3. 3.『転』流れをガラリと変えてメリハリをつけ
  4. 4.『結』落ち着ける曲で終わりを知らせる

というものです。
それぞれの効果や選曲方法を具体的に説明していきます。

  • 『起』=最初の曲は、見当識訓練にもなる、季節にちなんだ歌を用意します。
  • 『承』=次の「盛り上げるための曲」では、曲に合わせて体操ができるなど、身体を動かしたり楽器の演奏を行える曲が良いでしょう。
  • 『転』=メリハリをつけるための「転」の部分では、少し歌いごたえのある歌謡曲に挑戦します。
  • 『結』=そして最後は、落ち着くことができる、ゆったりとした曲を選びます。
    毎回同じ曲を歌うことで、高齢者にセラピーの最後を感じてもらえるようにするのも一つの方法です。

●夏の歌を用いたプログラムの具体案

では、実際に夏の時期に使用できる、音楽療法の具体案をご紹介します。

1.『海』(童謡)

「海は広いな」の歌詞で始まる有名な童謡です。
この曲は、日本の歌100選に選ばれており、誰もが知っている夏の歌といえます。
ほかにも、『花火』(童謡)、『我は海の子』(唱歌)なども、高齢者にはよく知られている夏の歌です。
歌を歌い、現在の季節について会話をすることで、見当識訓練にもなります。

2.『炭坑節』(民謡)

福岡県に伝わる民謡でありながら、全国的に盆踊りのスタンダードな曲として知られています。
この曲に合わせて体操をしてみたり、合奏にチャレンジしてみてください。

3.『まつり』(歌謡曲)

歌手の北島三郎さんが歌う、祭りを題材にした曲です。
この曲は、高齢者にとっては比較的新しい、昭和59年に発表された曲ですが、紅白歌合戦などで何度も歌唱されており、なじみのある曲でもあります。
聞いたこともあり、口ずさんだこともあるけれども、本格的に歌ったことがないという高齢者も多いはず。
このように、「少し難しいけれども歌いごたえがある曲」を用意すると、気が引き締まり、メリハリをつけることができます。

4.『赤とんぼ』(童謡)

夕方の空に赤とんぼが飛んでいる情景を思い浮かべることができる歌です。
セラピーの終わりを伝えるには、もってこいの曲です。

季節の歌を利用する理由とプログラム内で生かしてほしい回想法の理論

音楽療法のプログラムでは、季節の歌や高齢者が若い頃にはやった歌を利用したりします。
利用するタイミングは、季節の歌は『起』の部分、流行歌は『転』の部分であることが多いですが、これに限らず使われます。
この季節の歌や流行歌には、それぞれ利用される意味があります。

●季節の歌を使って四季を感じてもらう

高齢者は、施設や自宅の中で過ごす時間が多く、四季を肌で感じる機会が限られています。
そのためケアスタッフは、高齢者に四季を感じてもらえるように、一年の間に花見を企画したり盆踊りを行うなど、季節感を伝えるようにしています。
音楽療法もその一端を担っているのです。
春には春の、夏には夏の歌を歌い、その歌の世界感に触れることで、実際の季節をその音色から感じてもらうことができます。
また、24時間リアリティオリエンテーション(現実見当識訓練)を実践するのにも、音楽療法は役立ちます。
夏の歌を歌い、さらに日付を確認してもらうことで、夏であることをみんなで確認し合って記憶の定着を助けるのです。

●流行歌を利用することのねらいは回想法を生かすこと

回想法とは、高齢者にとって懐かしい時代を思い出すきっかけを作り、脳を活性化させることによって、精神が安定したり、認知症の進行を遅らせるといった効果を図る心理療法です。
音楽療法では、音楽そのものをきっかけとし、その曲にまつわるエピソードなどを、周りの高齢者とコミュニケーションを取りながら思い出していく、といった形で回想法を生かしています。
そのほかにも、曲に関係する歌手の若かりし頃の写真を用意したり、その曲が流行した当時の風景写真などを用意するなど、視覚から働きかけることもあります。
回想法を生かすことで、音楽療法の時間がより実りあるものになるのです。

音楽療法のプログラムは最終目標を定めたうえで考える

音楽療法は、ただ高齢者に歌を提供し、楽器を鳴らしてもらうだけのセラピーではありません。
目標を決め、それが達成できるようなプログラムを熟考する必要があるのです。
目標は、音楽療法を受けるグループ全体に対して決めてもいいですし、個人的な目標を一つひとつ設定してもいいでしょう。
そうすることで、より効果を実感できるセラピーの時間を過ごすことができます。
まずは「誰もが聞いたことのある夏の歌」をチェックして、よりよい音楽レクリエーションを実施していきましょう。

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