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片麻痺がある人の口腔ケア方法は?観察項目・介助のコツを解説します

誤嚥性肺炎を防ぐためにも、介護において口腔ケアは非常に重要なものとなります。
しかし、片麻痺のある方に対する口腔ケアでは、「どんな方法をとれば良いのかわからない」という方も少なくありません。
今回は、介護現場ですぐに役立つ片麻痺の方の口腔ケア方法についてお伝えしていきます。

口腔内の観察項目は?片麻痺があるときのチェックポイント

入居者さんの口腔ケアにおいては、まずは基本のアセスメントが欠かせません。
歯磨きを自力で行っている方でも、実際にはきちんと磨けていないことも多いです。
また、片麻痺がある場合には、手足だけではなく、口や舌、頬などの動きも低下しています。
細かな口腔内の確認は歯科などで行う必要がありますが、施設で最低限チェックしておきたいポイントは次の通りです。

○歯の表面に歯垢がついている
○歯肉が赤く、出血しやすい
○舌が舌苔(白い苔のようなもの)で覆われている
○口臭がある
特に麻痺側に食べかすがたまっている

これらの観察項目のうち、片麻痺の方に特徴的なのは「麻痺側に食べかすがたまる」ということです。
麻痺側は感覚機能や運動機能が低下しているため、どうしても汚れがたまりやすく、左右をくらべてみると違いがわかることも珍しくありません。
また、片麻痺がある方では、口腔ケアに関連する「動作」についても確認が必要です。
麻痺があることによって、そもそも歯ブラシを持って上手に動かすことができなかったり、体が麻痺側に傾いてしまったりすることがあります。
普段何気なく行っている歯磨きでは、意外と上肢の細かな動きが求められます。
部分的であっても自力で歯磨きを行うことを目標とする場合は、こうした動作の状況についても含めてチェックしてみてください。
動作の分析は理学療法士や作業療法士が得意としているため、施設内で連携することもオススメします。

片麻痺があるときの歯磨きはどう介助する?

歯磨きは1〜2本単位で、1箇所あたり20回ほどを目安にやさしい力で磨いていくことが基本の方法となります。
片麻痺のある方の介助をする場合、次のような点を覚えておくと良いでしょう。

●食べかすがたまる場所を認識する

右麻痺であれば右側に、左麻痺であれば左側に食べかすが残りやすくなるので、まずはこうした特徴について知っておきましょう。
口の中は見えにくい部位ですが、食べかすがたまりやすい場所を知っておけば、そこを重点的に清掃することができます。

●球状ブラシで汚れを絡めとる

球状のブラシは食べかすを絡めとるときに有用なアイテムです。
一般的な歯ブラシよりも汚れがごっそりと取れやすいので、汚れをとる目的では効率が良く、介護者の負担も軽減されます。
頬の内側、唇の内側の汚れを除去していきますが、途中でブラシが汚れたらコップの水でゆすぎながら使っていきます。

●舌の清掃も忘れずに

口をあまり使わない方では、舌苔が付着しやすくなり、口臭の原因にもなります。
麻痺のある方では口の運動が少なくなるため、舌を見てみると舌苔がたくさんついていることも少なくありません。
舌苔がべったりとついているときは、舌用のブラシで軽く清掃する方法をオススメします。
力を入れすぎると舌が傷つくので、軽い力加減で行うようにしましょう

●ベッド上では体の向きに注意

片麻痺のある方がベッド上で歯磨きを行う場合には、体の向きに注意が必要です。
麻痺によって誤嚥が生じやすくなるため、非麻痺側を下にした側臥位で介助を行います
麻痺側が下になると、麻痺のあるほうに水分が流れて誤嚥しやすくなりますし、万一腕が下になっても感覚障害で痛みを感じないので危険があります。
うがいができる方も、非麻痺側から水を出す方法を徹底してください

片麻痺の方が使える自助具も!環境調整で歯磨きをサポート

片麻痺のある方でも、自助具の使用や歯磨き指導によって、ある程度ご自身で口腔ケアを行えるようになる可能性があります。
自分でできることが増えるとご本人は自尊心を感じられますし、毎日の生活の中で自然にリハビリをしていけるので、できる範囲で歯磨きを行ってもらいましょう。

●片麻痺がある方の歯磨きには自助具を活用

片麻痺があると片手で歯磨きをしなければなりませんが、ニーズに合った自助具を使うことでスムーズに遂行できるようになります。
歯磨き粉をつけるときには、歯ブラシをコップに立てて対応できる方もいますが、歯ブラシを固定できる溝のついたコップも販売されています。
利き手に麻痺があれば、持ち手を太くしたり、電動歯ブラシを使ったりすることで丁寧に磨ける方もいます。
なお、電動歯ブラシのメリットについては、こちらの記事(高齢者には電動歯ブラシがおすすめ!介護もラクになる便利なアイテム)でも解説しています。

●鏡を使って口の中を確認

麻痺のある方では感覚機能が低下しており、口の中の状態や腕との位置関係がうまく感じられないことがしばしばあります
鏡を使って視覚的に確認することで口腔ケアを行いやすくなる方もいるので、このような環境調整を試してみてはいかがでしょう。
特に認知機能が保たれている方では、鏡を使ったアプローチが功を奏する可能性があります。

片麻痺の特性に合った方法で介助しよう!

片麻痺があると、どうしても口の中には汚れが残留しやすくなります。
どんなところを念入りに清掃すれば良いのか知っておくことで、より効率的な口腔ケアにつながります。
また、できるだけ自分で歯磨きを行えるように、その人に合った自助具を活用することも大切です。
こちらの記事(誤嚥性肺炎を予防するには?~嚥下訓練と口腔ケアの予防効果~)では、誤嚥の予防に関する情報もお伝えしているので、併せて一読してみてください。

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