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心拍数や呼吸数が検知できる介護ロボット「眠りスキャン」~入居者のリスクと介護職員の負担を軽減

高齢者施設での夜勤は、少ない人数で多くの入居者の介護をしなくてはなりません。
1人で従事しているので、肉体的・精神的負担が大きく離職率も高くなります。
介護ロボット「眠りスキャン」の導入は、リスクの軽減だけでなく夜勤帯に従事する介護職員の負担も軽減します。

眠りをスキャンするベッド

心拍数や呼吸数も感知できる介護ロボット「眠りスキャン」とは?

心拍数や呼吸数も感知できる介護ロボット「眠りスキャン」とは?

パラマウントベッドの見守り支援システム「眠りスキャン」は、マットレスの下に設置するセンサーで、寝ているとき、覚醒時、起き上がり、離床時を判断してリアルタイムでモニターに送られます。
スタッフが持ち歩くスマホにもモニター画面と同じように情報が送られるため、ほかの入居者の部屋にいるときでもその人の状態が一目でわかります。
覚醒時、起き上がり、離床時はセンサーの音が鳴るため、どの入居者が覚醒や起き上がりなどをしたかを理解できます。

●リアルモニター機能

入居者の睡眠・覚醒・起き上がり・呼吸数をパソコンのモニター上でリアルタイムに把握できます。
パソコンのモニターだけでなく、携帯端末(タブレット、スマートフォンなど)でも入居者の状態を把握できます。
入居者の状態に応じて覚醒や起き上がり、離床のアラーム設定を行えます。

●睡眠日誌

24時間見守ることが可能で、入居者の睡眠状態を表で見ることができます。
また、入居者の状態を睡眠日誌により、家族へ報告できます。

●心拍・呼吸日誌

呼吸数や心拍数の変化を知らせ、日誌を見ることで体調が管理できます。
モニターでは呼吸が増加すると、「呼吸増加」という文字で表示し、日誌でも呼吸数が増えたときは赤で表されます。

「眠りスキャン」を高齢者施設に導入するメリット

介護ロボット支援事業によって、メリットが多い見守り支援システム「眠りスキャン」は、介護施設や障害者施設、病院などに導入されています。

●入居者の睡眠状態を把握できる

モニター画面と携帯端末で入居者の状態を確認できるため、睡眠時は訪室せずに覚醒時のみ訪室できます。
夜間にトイレへ行くときに転倒するリスクが高い入居者には、起き上がりでアラームが鳴るように設定し、アラームが鳴ったときに訪室してトイレ誘導ができます。

●覚醒時に訪室できる

モニターをつけている入居者には、覚醒時に訪室することで夜間の睡眠を妨げることなく効率的に訪室できます。
睡眠時のオムツ交換で不穏になる入居者の場合、覚醒でアラームを設定し、アラームが鳴ると訪室してオムツ交換します。
そうすることで不穏状態を避けることができます。

●状態を把握してすぐに対応可能

従来の離床センサーでは、転倒や転落などのリスクがある入居者が端座位でマットを踏んでいるのか、立ち上がってマットを踏んでいるのかわからず、すべてに対応が必要でした。
一方、眠りスキャンはモニターで起き上がりか離床かを判断できるため、状態を把握して対応が可能です。

●生活状態を改善できる

睡眠日誌から、睡眠時間や覚醒や離床回数、起床時刻、徘徊などを把握できます。
昼夜逆転しているなら、昼の離床時間や活動時間を増やしたり、夜の訪室を覚醒時にしたりすることで生活を改善し、メリハリのある生活を送れるようにします。
職員の働きかけの効果が表れた睡眠日誌を印刷して、ケアマネジャーや家族へ報告することで家族との信頼関係を強くするのにつながります。
よく眠れるようになれば、睡眠導入剤や睡眠薬の使用を減らせます。

●体調不良を早期に発見できる

心拍・呼吸数日誌は、色で判別できるため、体調が悪い状態を発見しやすいです。
たとえば、発熱して呼吸数や心拍数が上昇すると、緑で塗りつぶしたようなグラフになり、変動が激しいとカラフルになります。
心拍数・呼吸数日誌より、状態の変化にすぐに気づけます。

●人数が少ない夜勤職員の負担を軽減する

人数が少ない夜勤職員の負担を軽減する

夜勤は少ない介護職員で対応するので、眠りスキャンの導入によって入居者の状態が把握でき不必要な訪室を減らせます。
離床がモニターで確認できるので、転倒する前に対応可能になり職員の精神的負担の軽減にもなります。

「眠りスキャン」を設置している入居者の見守り例

実際に眠りスキャンを設置している入居者の事例を紹介します。

1)転倒リスクの高い入居者へ導入

80歳代の女性で車椅子を自走で使用。
ベッド横のポータブルトイレを使用しているが、認知症があり転倒するリスクが高い入居者です。
眠りスキャンを導入することで、覚醒、起き上がり、離床とスキャンが反応するため、アラームが鳴るとすぐに訪室できます。
頻繁にトイレに行かれて定期の訪室では対応できなかったのですが、眠りスキャンの導入で覚醒・起き上がり・離床を検知するのでトイレ移乗をすぐに把握できるようになりました。
早い対応ができるので、転倒のリスクが軽減できています。

2)看取りに入っている入居者へ導入

90歳代男性で看取り前は車椅子で自走でき、食事も自力で摂取されていました。
しかし、体の状態がかなり悪くなり、食事を拒否されるようになってから寝ていることが多い状態で看取り介護に入りました。
状態を把握するため眠りスキャンを設置し、最期まで呼吸状態、心拍数の見守りを行いました。

3)100歳近くで急変の可能性がある入居者へ導入

98歳の女性の入居者に眠りスキャンを設置しています。
寝ている状態が増えてきたため、スキャンのスマホ端末を持ち、なにかあれば訪室できる体制を整えています。
ただ、その方は寝返りが頻繁で、データを取得できないことや臥床しているにもかかわらず離床検知になることがあります。

眠りスキャンは、寝る位置が下のほうの位置や呼吸が浅い人、心拍が弱い方はデータが取得しづらい場合があります。
自動体交マットを敷いている方も検知しにくい場合があります。

「眠りスキャン」の導入で生活状態を改善し介護負担を軽減しよう

眠りスキャンは、自治体の介護ロボット支援事業で補助対象となっている見守り支援システムです。
精度が高い見守り検知で、その人の状態を細かく分析するロボットなので、導入することで睡眠状態や生活状態の改善のサポートをします。
見守り支援システム「眠りスキャン」を導入して、介護職員の負担軽減を図りましょう。

※必ずお使いの製品の添付文書および取扱説明書をご確認の上、ご使用いただきますようお願い致します。

参考:
パラマウントベッド 見守り支援システム「眠りSCAN」.(2020年1月16日引用)
神田通信機 事例紹介.(2020年1月16日引用)

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