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入浴介助

臥床の状態で利用者を洗髪介助!準備するものやベッド上での洗髪の流れを紹介

体調がすぐれず入浴が難しい高齢者でも、洗面所やベッド上で洗髪を行うことができます。
洗髪を長い間しないと、頭皮がかゆくなり臭いも発生します。
利用者の体の状態を把握して、状態に応じた洗髪を行いましょう。
ここでは、ベッド上でもできる洗髪の方法について説明します。

ケリーパッドの作り方教えます

利用者をベッド上で効果的に洗髪できる?

高齢者を洗髪する前に、その人の状態をよく観察します。
観察する点は、バイタル、気分の状態、顔色、痛みの訴えなどです。
観察してバイタルに異常がなく、利用者が仰臥位ができるならベッド上で洗髪が可能です。
仰臥位が難しい方や位置によって、ベッド上でのお湯の洗髪が難しい場合は、ドライシャンプーを用いて洗髪をします。
まず利用者の状態に応じて、ベッド上で洗髪することを利用者や家族に説明します。
洗髪は空腹時や食後すぐの時間を避けて、居室を暖かくして行います。
洗髪をするときは、利用者が安楽になるようコミュニケーションを取りながら行いましょう。

また、頭を少し下げた状態で行うので、利用者が疲れないようにできる限り手際よく行います。

洗髪介助をする前に準備するケリーパッドの作り方

まず洗髪するための準備をします。
お湯で洗髪する場合は、洗髪しやすいようにケリーパッドを使います。
ケリーパッドは市販されてもいますが、バスタオルやビニール袋で簡単に作ることができます。

●準備するもの

1)ケリーパッド

あれば大判バスタオル2枚(普通サイズでもよい)、大きいビニール袋、古いストッキング、洗濯バサミ

2)その他

綿毛布、バスタオル1、2枚、浴用タオル、きれいなバケツ、汚水用バケツ、湯を汲むピッチャーや小さい洗面器等、ビニールシート2枚、洗髪用ケープ(なければビニール)、あれば耳せん、シャンプー、リンス等、ブラシ、ドライヤー

●ケリーパッドの作り方

大判バスタオルなら2枚を重ねて、棒状にくるくると巻きます。
U字型に整えて、大きめのビニール袋に入れます。
普通のバスタオルなら、巻いたときに大判のバスタオルほどの長さになるように、上に置くバスタオルを45度ずらしておき、棒状に巻きます。
古いストッキングに入れて、U字型にしてビニール袋に入れます。
バスタオルの先端をビニール袋と一緒に洗濯バサミで止めて、中央のビニール袋の部分に水が流れるような溝を作ります。

ベッド上で臥床した状態での洗髪介助の流れ

ベッド上での洗髪は、ベッドが濡れないように工夫をしなくてはなりません。
準備に手間がかかりますが、入浴できない場合や洗面所などで洗髪できない場合に有効な洗髪方法です。
頭の下の位置にビニールシートを敷き、汚水用バケツときれいなお湯を入れたバケツを置いて、お湯を汲むピッチャーを準備します。
シャンプー、リンス、ブラシ、バスタオルなど必要なものが整ったら、洗髪に入ります。

●ベッド上での洗髪の流れ

  1. 1)ベッドの柵を外して、利用者の頭の位置がベッドの角にくるように体を斜めにする
  2. 2)利用者の肩、頭の下にビニールシートを敷く
  3. 3)体を上げて脛部のところに端がくるように座布団などを置き、頭が少し下がるようにする
  4. 4)衣服の襟を広げ、ゆるく首にタオル巻く
  5. 5)タオルがでないように洗髪用のケープ(ビニール)をゆったりと巻く
  6. 6)3つ折りのバスタオルを背中に入れて背中が濡れないようにする
  7. 7)ケリーパッドを頭の下に当てて、ケリーパッドのビニールからお湯が汚水用バケツに流れるようにする
  8. 8)38、39度のお湯を髪にかけ、シャンプーを髪につけて泡立てながら洗う
  9. 9)洗うコツは、頭部のマッサージをするように髪の生え際から頭頂部に向けて洗う
  10. 10)早く洗い流すには、タオルで泡を拭き取ってから湯をかけてシャンプーをすすぐ
  11. 11)リンスを手に取り髪に浸透するようになじませる
  12. 12)お湯でリンスを洗い流し、タオルで拭き取る
  13. 13)ケリーパッドとケープを外して、背中に入れたバスタオルを頭の下に敷き、首に巻いたタオルで髪の水分を拭き取る
  14. 14)顔にかからないようにドライヤーで髪を乾かし、最後に冷風で仕上げる
  15. 15)ブラシで髪を整える
  16. 16)バスタオルやビニールシートを取り除いて、バケツなどをすべて片付ける

●お湯で洗髪ができない場合

お湯で洗髪ができないときは、市販のドライシャンプーを使います。
準備するものは、ドライシャンプーとタオル2枚、ビニールシート、バスタオル、ドライヤー、ブラシです。

  1. 1)頭部の下にビニールシートとバスタオルを敷く
  2. 2)ドライシャンプーをタオルにつけて、頭をマッサージしながら髪の先までタオルで拭く
  3. 3)ブラシで髪をときほぐしてからお湯で絞ったタオルでドライシャンプーを拭き取る
  4. 4)ドライヤーで髪を乾かす
  5. 5)ビニールシートやバスタオルを外し、準備したものを片付ける

入浴できない利用者にも洗髪介助で爽やかさを届けよう

入浴できない利用者にも洗髪介助で爽やかさを届けよう

入浴できない場合でも、利用者の髪を清潔に保つことは必要です。
洗髪はたまったホコリや皮脂などを取り除くだけでなく、頭部をマッサージすることで代謝を活発にします。
体調が悪くて入浴できないときでも、ベッド上で洗髪することで利用者が爽やかな気分になれます。
また、利用者とコミュニケーションを取りながら洗髪すると、リラックスしていただけるでしょう。

参考:
レオパレス21 あずみ苑 寝たままでもシャンプーですっきり!ご高齢者の洗髪介助のポイント.(2020年4月28日引用)
カンゴルー 洗髪の実施方法(ケリーパッド)/洗髪2.(2020年4月28日引用)

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