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  • 佐々木

    公開日: 2020年10月22日
  • 入居者さんのケア

高齢者の水虫には要注意!早く治療をしないといけない理由と水虫にならない習慣づくりとは

水虫は皮膚糸状菌(白癬菌)という、カビの一種である真菌が原因で起きる皮膚感染です。正式な病名は白癬(はくせん)といいます。
足に症状が出るものを俗称、「水虫」といいます。
足の裏にかゆみを感じたり足の指の間の皮がむけたりして水虫に気づくことがほとんどですが、実はかゆみがなく、無自覚でも水虫にかかっている人も多いのです。
高齢者がかかりやすく、ほっておくと命の危険があることもある水虫について、今回は解説します。

本当に大丈夫? 水虫のタイプと危険性を解説します

これって水虫?水虫の原因と3つの特徴

これって水虫?水虫の原因と3つの特徴

水虫は皮膚糸状菌(白癬菌)というカビの一種が皮膚の角質という部分に寄生して起きる感染症です。
5人に1人の日本人が感染しているともいわれています。
水虫の原因となる白癬菌はカビの一種なので、ジメジメした環境を好み、特に汗をかく夏場に足裏に増殖します。
かゆみが出ることもありますが、無症状であることがほとんどです。
水虫には3つの病型があります。

1)趾間型(しかんがた)

足の指の皮膚がむけ、白くふやけます。
かゆみがとても強いのが特徴。

2)小水疱型

足裏、足のふち、土踏まずなどに小さな水ぶくれができて、破けます。
梅雨時に多く、秋になると軽快することが多いです。

3)角質増殖型

足裏の主にかかとの角質が厚くなります。
爪白癬を合併することも。

また、水虫(足白癬)の治療を行わず放置していると、爪水虫(爪白癬)になりやすいといわれています。

気になる症状を見つけたら早めに皮膚科の受診を

気になる症状を見つけたら早めに皮膚科の受診を

高齢者は皮膚が弱いため、特に免疫が弱い状態だと水虫にかかりやすく治りにくいです。
皮膚科に行ってしっかり診断を受け、なるべく早く治療をしましょう。

●高齢者は水虫にかかりやすく、治りにくい。命の危険を伴うこともある

高齢者は皮膚の角質が弱いため、傷つくとなかなか治りません。
そういった足裏の傷があると水虫にかかりやすくなり、なかなか治りにくいのです。
また足指が変形していることもあり、そういった場合はほかの指に水虫がうつりやすくなってしまいます。
水虫は、高齢者に多いというデータもあります。
足指の間にできる水虫、 趾間型の水虫はかゆみが強いため、かき傷から皮膚が傷つき、細菌感染を引き起こしやすいといえます。
特に、糖尿病が持病である方や、抗がん剤治療をしていたり、ステロイドを飲んだりするなど、免疫状態が悪い方は皮膚が弱く、水虫になってしまったぼろぼろの皮膚からほかの細菌が入ってしまうことも。
細菌感染してしまうと、皮膚とその下の組織に炎症が起きます。
足が腫れて痛み、悪寒やだるさを感じ、熱を出すことがあります。
これは、水虫が原因となって二次感染を起こし、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という病気になってしまった状態です。
重症の場合は抗生剤の点滴治療を行うため、入院が必要になることもあります。
最悪の場合、命を落とすこともあります。

●皮膚科に行かないと水虫の確定診断はできない

皮膚科に行かないと水虫の確定診断はできない

水虫に似たほかの病気の可能性もありますので、皮膚科に行かないと水虫かどうかはわかりません。
皮膚科で生検(皮膚を取って、医師が顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを見る)でようやく診断がつきます。
ほかの病気の場合、自己判断で水虫の薬を使うと、症状が悪化することもあります。
また、実際水虫であったとしても、高齢者は皮膚が弱いため、水虫の薬自体が刺激となってしまい、傷口が悪化してしまう可能性もあります。
水虫の治療では主に抗真菌薬という塗り薬を使いますが、皮膚の状態でしっかりと使い分けをしないといけません。
比較的長期間(3~6カ月ほど)薬を塗らないといけないのですが、途中で治ったと思って薬を使うのをやめてしまうと、角質下に隠れている白癬菌が出てきて再発します。
また、内服(飲み薬)を使わないと治らないこともありますので、自己判断で治療をせず、皮膚科の先生の指示に従いましょう。

●爪水虫になると転倒のリスクが上がり、治りにくい

足裏の水虫を長らく治療をしていないと、爪水虫(爪白癬)になってしまう可能性があります。
爪水虫は塗り薬ではなかなか治りにくいこともあり、その場合は飲み薬を飲まないといけません。
また、爪水虫になってしまうと、足の爪がはがれてしまったり、爪が肥厚してしまったりして、足先にうまく力をかけることができなくなってしまいます。
そうなると転倒のリスクが大きく上がり、爪水虫になっていない方とくらべるとリスクが5~6倍になってしまうといわれています。

どうして水虫になるのか?水虫にならない習慣づくりとは?

どうして水虫になるのか?水虫にならない習慣づくりとは?

水虫は、主には家庭やプール、温泉、介護施設などの施設で足ふきマットやスリッパを共用することで起きます。
しかし、白癬菌が足裏や足指についてしまったとしても、24時間以内に洗い流せば感染しないといわれています。
足に傷口があると、白癬菌がついてしまった場合水虫になりやすくなってしまいます。
足の傷口を作らないように気を付けましょう。
かさかさして乾燥しやすい場合、クリームなどで保湿をしましょう。
また、外反母趾など足指が変形している方は、足指の隙間が狭く、ほかの足指から水虫がうつりやすいため、5本指ソックスもおすすめです。
水虫を疑う場合は皮膚科に速やかに受診をし、水虫と診断された場合はしっかり治療をしましょう。
ご家庭や介護施設でも、自分のスリッパやサンダル、足ふきタオルを各自で取り換えて使い、スリッパや足ふきマットをできるだけ共用しないようにしましょう。
足指の間は特に感染しやすいため、足指の間までしっかり洗いましょう。
温泉や介護施設などで共用マットを使用せざるを得ない場合は、個別に後で足裏を洗うか、温かい濡れたタオルで足裏をしっかり拭きましょう。
足裏が柔らかくなった入浴後などに水虫の治療薬を塗ると効果的です。
水虫のお薬は毎日塗らないといけないので、皮膚科の先生の指示に従って、しっかり治療をしましょう。

参考:
清水宏: あたらしい皮膚科学. 中山書店, 東京, 2018.

  • 執筆者

    佐々木

  • 大学卒業後9年目医師です。 外科系医師として勤務し、手術の傍ら、医療系のライターの仕事をしています。救急の分野を得意とし、医学的根拠に基づいた記事を提供していきたいと思っております。

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