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医療従事者向け 介護プラス

  • 田中孝尚

    公開日: 2021年04月22日
  • 入居者さんのケア

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訪問介護

重度訪問介護従業者とは?どのような方を対象にするのか、仕事内容や資格の取り方を紹介

重度訪問介護従業者とは、重度の肢体不自由者に対して日常的な介護サービスを提供するための資格です。
主に入浴動作や排泄、食事の介助や、調理、洗濯、掃除といった身の回りの生活動作全般のサポートを行います。
今回は、重度訪問介護従業者がどのような方を対象にし、どのような仕事をするのか、また資格を取得する方法をご紹介します。

重度訪問介護従業者の仕事内容と資格の取り方を紹介

重度訪問介護従業者とは?

重度の肢体不自由者を介助する重度訪問介護従業者

重度訪問介護従業者とは、重度の肢体不自由者(障害支援区分の4~6)の方に対して、歩行や入浴、食事、トイレ、更衣、ベッド上での体位変換などの身体的な介護や、調理や洗濯、外出、買い物などの支援を行う職業です。
サービスの利用時間の規定は人によってさまざまで、ご家族がいない方などは24時間のサポートが可能です。
本人が困っていることや、やりたいことを聴取し、その人らしい生活をサポートすることが重要です。

重度訪問介護従業者のサービスを利用する方とは?

利用者さんのニーズを聴取し、必要なサービスを提供する

重度訪問介護従業者のサービスを利用する方は、脊髄損傷や脳性まひ、内部疾患や神経難病とさまざまです。
それぞれの疾患に対する知識、介助方法を学ぶ必要があります。
また、利用者さんとのコミュニケーションを大事にして、ニーズを聴取することや、疾患の特性や利用者さんのADL・IADL場面を観察してどの場面で何に困っているかを的確に評価し、必要なサービスを提供していくことが重要です。

重度訪問介護従業者の資格を取得するには?

介護制度や基礎知識を座学で学ぶ講義 移動介助や生活行為の介助を学ぶ実習

重度訪問介護従業者の資格を取得するには、各都道府県が指定する科目を履修する必要があります。
基礎課程と追加課程がある場合と、両方を同時に学ぶ統合課程があります。
各都道府県や研修施設で研修課程に違いがあるため、各都道府県のホームページをチェックしてください。
研修を受講するに当たり、必要な資格はなく、指定された科目を履修することで誰でも資格を取得することができます。

●基礎課程で学ぶこととは?

基礎課程では、講義・演習・実習で重度訪問介護の基礎知識を学びます。

講義

①重度の肢体不自由者の地域生活等に関する講義

1)重度訪問介護の制度やサービス

重度訪問介護の制度とサービス、その役割や位置づけについて理解するために、障がい者福祉の背景と動向、日常生活や社会生活を統合的に支援するための法律の概要、重度訪問介護の制度とサービスに関する概要を学びます。

2)重度訪問介護利用者の理解

重度訪問介護利用者およびその地域生活の支援について理解するために、重度訪問介護利用者の障がいや疾病に関する基礎知識、心理、地域生活、社会参加などを学びます。

②基礎的な介護技術に関する講義

基礎的な介護技術について理解するために、介護の目的や介護ニーズと基礎的な対応、在宅介護の進め方、福祉用具などの基礎知識・活用法、健康管理などを学びます。

③人権啓発に関する知識

障がい者の人権についての理解を深めるために、障がい者の人権に関する知識や権利擁護制度などを学びます。

演習

①基礎的な介護技術に関する演習

1)抱きかかえ方および移乗の方法

抱きかかえ方や移乗の方法を習得するために、床やベッドからの車いすへの移乗方法、2人介助での移乗方法、自動車への乗降介助の方法を演習にて学びます。

2)車いすの移動介助

車いすでの移動を介助する場合の車いすの取り扱い方や平地、階段、エレベーターやエスカレーター、乗り物(電車やバスなど)を利用するときの注意点、雨天時の介助方法などを学びます。

3)生活行為の介助

排泄、食事、更衣動作などの生活行為の介助方法を習得するために、食事介助の方法、衣服の着脱の介助方法、入浴の介助方法などを練習します。

実習

①基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーションの技術に関する実習

肢体不自由者の介護現場の体験やコミュニケーションの体験をします。

②外出時の介護技術に関する実習

実際に肢体不自由者と外出をして、介助方法や付き添い方を体験します。

●追加課程で学ぶこととは?

追加課程の受講は基礎課程を修了していることが条件で、重度訪問介護利用者のさらなる理解や緊急時の対応方法を学びます。

講義

①医療ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障がいおよび支援に関する講義

実際の業務において直面する頻度の高い障がい・疾病について理解するとともに介護職としての支援の方法を理解することが目的です。

②コミュニケーションの技術に関する講義

コミュニケーション技術に関して、他者理解と共感・受容、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション、重度肢体不自由者とのコミュニケーションの方法を学びます。

③緊急時の対応および危険防止に関する講義

緊急時における対応および危険防止のための留意点について理解するために、緊急時の連絡・連携と介護職員の役割、事故防止のための留意点、事故が起こったときの対応や対策、安全な食事介助の方法や介助者自身の身体の保護方法を学びます。

実習

➀重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での実習

重度肢体不自由者の介護を体験します。

重度肢体不自由者の介護を体験します。

重度訪問介護従業者のサービスを利用する方はADLやIADLに困難さを感じています。
どの場面でどのように困っているのかを知ることが重要ですが、最初は利用者さんのほうから手伝ってほしいと言いにくいこともあります。
必要なサービスを提供するには、コミュニケーションを取ることで信頼関係を築いていくことや、何に困っているかを予測し、提案する力が必要となってきます。
まずは利用者さんの心に寄り添えるような関わりを続けていき、信頼関係を築いていきましょう。

  • 執筆者

    田中孝尚


  • 大学を卒業後、作業療法士免許を取得。急性期病院やデイサービス、福祉用具・住宅改修業者での勤務を経て、現在は精神科病院にてリハビリ業務に従事。心身の健康や在宅で安全に安心して暮らせる方法をわかりやすく丁寧にお伝えします。医療従事者の方々の健康にも焦点を当てていきたいと思っています。

    保有資格:作業療法士、重度訪問介護従業者、福祉住環境コーディネーター2級

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