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スマートな脚は健康の証!?介護施設でできるむくみ対策をご紹介します!

介護施設においては、足がむくんでいる利用者さんと接することがあっても、あまり重要視していない方も多いのではないでしょうか。
しかし、ただのむくみだと思って放置していると、のちのち大変なことになる場合もあります。
また、女性では美容の面から気にする方もいらっしゃるので、サービスの質を高めるためにもむくみ対策は必要です。
本記事では、介護施設で実践できるむくみ対策についてご紹介します。

足のむくみの原因は?

「足のむくみ」とひとことでいっても、その原因はさまざまです。
ここでは、足がむくむ4つの原因について解説します。

●心臓が影響している場合

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をもっていますが、心臓が弱っている方では十分に血液を送りだすことができません。
その場合、心臓の上流にある肺や全身の静脈に血液がたまってしまい、顔のむくみや足のむくみとして現れます。

●腎臓が影響している場合

腎臓は血液をろ過して尿をつくる働きをしますが、腎臓を悪くしている方では尿をつくる機能が低下するため、体のなかの水分量が多くなります。
その結果、体や足に水分が貯留することでむくみが出現します。

●血液の流れが影響している場合

OLさんたちの、デスクワークをしていると夕方になって足がむくんでくる、という話はよく聞きます。
座ったままや立ったままの状態では、足の静脈にたまった血液が心臓に戻りにくくなるため、血管の壁から水分が外に漏れだすことによってむくみが起こります。
また、リンパの流れが悪くなっている場合も同様で、心臓への帰り道が狭くなり、いわば血液の渋滞が起こるためにむくみが生じるのです。

●栄養が影響している場合

血管の中の水分は、血管の壁に阻まれて外との交通が制限されていますが、過度な水分量以外にも血管内外の水の行き来に関与する要素があります。
それは血液中のアルブミンというタンパク質であり、アルブミンは水分を血管の中に引き寄せる作用をもっています。
アルブミンが少なくなると血管の中の水分を引き止められなくなり、その結果として血管の外にどんどん水分が出てしまうため、足のむくみが起こるのです。

むくみが健康に及ぼす影響は?

足のむくみは見た目だけの問題ではなく、放っておくと健康にも被害がでてきます。
ここでは、健康に対する影響について解説します。

●足の痛みと関節運動の制限

靴下を脱いだときに、少し跡がつく程度なら特に問題ありませんが、皮膚のシワがなくなるほどのむくみであれば要注意です。
むくみによって足首や膝の関節が曲がりにくい状態が続くと、拘縮(こうしゅく)とよばれる関節運動の制限を起こしてしまいます。
拘縮が発生すると運動をするときに痛みを伴うこともあり、また動きの制限が長期間になるほど、リハビリでも治すことが難しくなります。

●心不全症状

足のむくみをはじめ、身体中の水分が多くなると心臓への負担が強くなります。
特に、もともと心臓が弱っている方では、肺に水がたまることによって息苦しさを感じやすくなります。
足がむくんでいる利用者さんが、軽い運動でも息を苦しそうにしている場合は、かかりつけ医やケアマネジャーに連絡することを考えましょう。

●活動量の低下

「水分量が増えて体が重い」、「動くと息苦しい」などの症状があると、日常生活でも動く量が少なくなる可能性があります。
高齢者にとって、急な活動量の低下は日常生活能力の減少につながるため、たかが足のむくみだろうと軽くみていては、取り返しがつかなくなる場合もあります。
特に、心不全で入退院を繰り返している方ではその傾向が強くなるため要注意です。

●肺塞栓症には要注意!

足のむくみだけではなく、痛みや熱をもっている場合には注意が必要です。
静脈血栓とよばれる、血管の中に血液のかたまりができる状態では、これらの症状が現われやすいです。
血栓が血管の壁から剥がれたあとに、血液の流れに乗って肺の血管まで到達すると、肺塞栓症(はいそくせんしょう)という命にかかわる病気を引き起こしてしまいます。
痛みや熱感がある場合は、積極的な運動やマッサージなどは実施せずに、すぐにかかりつけ医に連絡しましょう。

介護施設で実施できるむくみ対策と注意点!

ここでは、介護施設で実践可能なむくみ対策についてご紹介します。

●温熱療法

体を温めると血行が良くなることは一般的に知られていますが、むくみ対策においても重要なポイントです。
代表的な例を以下にご紹介します。

1)足浴

底の深いバケツなどにお湯を入れて、その中に足をつける足浴は最もポピュラーな方法です。
熱による血管の拡張作用に加えて、水圧による刺激も加わるため、むくみを改善する効果が期待できるでしょう。
お湯の温度は40〜42℃が理想的ですが、一定の温度に保つなどの微調整が難しいため、「熱くないですか?」などと適時お声かけをするなど必ず温度を確認するようにしてください。

2)渦流浴

渦流浴とは、専用の物理療法機器を使用して、温熱とジェット水圧による治療効果を期待するものです。
機器の購入には多額の費用がかかりますが、利用する方に応じて温度や水圧の調整が可能であるため、そのぶん利用する機会も多くなります。
ただし、足に傷がある方の場合、そのままのお湯を使うことで感染のリスクが高まりますので注意が必要です。
また、熱を伴うむくみであったり、痛みが強い場合には、実施を控えておきましょう。

●足の運動

静脈血栓以外の理由で足がむくんでいる場合は、心臓にむかって血液を送り帰すことによりむくみの改善が可能です。
静脈は動脈のように弾力のある血管ではないため、周りにある筋肉が収縮してポンプ作用の代わりをしてあげる必要があります。
具体的な運動方法としては、座った状態で足首を上下に動かしたり、立って背伸びをするような運動でふくらはぎの筋肉を使うようにしましょう。
また、歩く練習も反復的にふくらはぎが刺激されるため、これらの運動を組み合わせて実施することが望ましいです。

●食生活の指導

むくみの原因については前述しましたが、低栄養の状態になっても血管の外に水分が漏れだす原因になります。
その一方で、血液中の塩分濃度が高くなると、血管の外から水分を引き込んでくるため、循環する血液量が多くなった結果、行き場をなくした水分は静脈の外にでていきます。
食生活の指導では以下の点をおさえておくことが重要です。

  • ◯タンパク質を含む食事を心がける
  • ◯塩分の多い食事(みそ汁や漬物など)を控える
  • ◯水分をとりすぎないようにする

また、心臓や腎臓が悪い方では、病院から「塩分は1日6g以下」や「水分は1日800mlまで」と制限されていることもあり、ケアマネジャーさんやご家族から聞いた情報をもとに、しっかり守られているかをチェックすることが大切です。
減塩食の調理方法やメニューに関しては、食品メーカーのパンフレットやホームページ上にも掲載されているので、事業所で食事指導マニュアルを作成する際は参考にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、介護施設で実施できるむくみ対策についてご紹介しました。
足のむくみの原因はさまざまですが、適切な対策をとることは身体機能の維持や健康管理を行ううえでも非常に重要となります。
ぜひ運動と栄養の観点から、むくみ対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。
利用者さんがむくみで悩むことがなく、スリムな脚で利用を続けることができる事業所は、周りから見ても魅力的だとは思いませんか?

参考:
一般社団法人日本腎臓学会 慢性腎臓病生活・食事指導マニュアル〜栄養指導実践編〜(2018年2月15日引用)
味の素株式会社 からだごはんラボ(2018年2月15日引用)
オージー技研株式会社 OG Wellness(2018年2月15日引用)

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