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  • yukie

    公開日: 2019年02月27日
  • コスト・売上の課題

介護施設で上手に人件費削減!コストを減らすための具体的な対策を解説

介護施設でコスト削減を考えるにあたり、「人件費」を最小限に抑えるための対策は欠かせません
やみくもに従業員の賃金を引き下げると離職の原因を作ることになりますが、うまく人件費を削れる方法もあるのです。
今回は介護施設の経営者向けに、人件費を削減するアイデアをお伝えしていきます。

人件費を削減するアイデア

人件費率とは?介護施設の目安はどれくらい?

人件費率とは?介護施設の目安はどれくらい?

人件費率とは、売上に対してどれくらいの人件費がかかったのかを表す指標のことです。
計算式は単純であるため、難しく考える必要はありません。

人件費率=人件費÷売上

人件費には、従業員に払う賃金、賞与、法定福利費、退職金などが含まれます。
次に、介護事業所の収支において、給与が占める割合がどのくらいになるのかみていきましょう。

施設形態 収入に対する給与費の割合
介護老人保健施設 60.1%
訪問介護 76.1%
通所リハビリテーション 64.6%

(参考:平成29年度介護事業経営実態調査結果)

実際には、施設形態によって収入額にも違いがありますが、目安としてはこの数字が参考にできます。
地域によっても地代家賃、人件費などあらゆる相場は変わるため、この割合よりも高ければ即刻コスト削減に動くべきというわけではありません。
やみくもにコストを削減すると、従業員からも利用者さんからも不満があがってしまいます。
しかし、介護施設の経営においてはコスト削減の意識を持ち、現在の状況を鑑みて、できることから取り組んでいく姿勢は欠かせません。

介護施設で人件費のコストを削減するためにできる対策

介護業界では人手不足が深刻であり、働き手を大切にすることは大前提となります。
働き手と経営者の信頼関係を損なわずにできる対策を中心にご紹介するため、取り入れられるものがないかチェックしてみてください。

1.非常勤職員(パート)の有効活用

正社員として働きたい意向がある人もいますが、家庭と両立するために、短い時間だけ働きたいという人もいます。
これから人材を採用する予定がある場合は、パートの人材を配置すると人件費の削減につながります。
常勤と非常勤ではどのくらい給与が異なるのか、参考になるデータをがあります。

職種 常勤 非常勤
看護師 436,985円 395,075円
介護福祉士 367,217円 280,256円
介護職員 347,941円 265,776円

(参考:平成29年度介護事業経営実態調査結果)

こちらは介護老人福祉施設のデータですが、常勤よりも非常勤のほうが人件費は安く抑えられるとわかります。
ただし、常勤と非常勤で仕事内容が変わらないのであれば、「パートに過剰な仕事を押し付けている」と思われかねません。
雇用形態にかかわらず利用者さんのケアに責任を持つことは共通していますが、パート従業員の業務内容や背負う責任については相応の配慮が必要になります。

2.シニア層も活躍!介護助手を採用する

シニア層も活躍!介護助手を採用する

介護助手は、介護職の仕事のうち、専門性がなくてもできる業務を中心に担います。
食事や移乗、トイレの介助などは専門的な知識や技術が求められますが、テーブルや椅子の消毒、ベッドメイキング、食事の配膳・下膳などの業務であれば特別なスキルは必要ありません。
簡単な仕事を介護助手の方にお願いすることで、介護職の方は介護業務に専念できます。
介護助手は、週に1〜2日など短い勤務を希望する定年後のシニア層も活躍できる仕事です。
人件費を抑えつつ、シニア層の雇用を生み出し、介護職の負担を軽減することができます。

介護助手についてはこちらの記事(介護助手を採用して介護の人手不足を解消!メリットと採用事例を紹介)で詳しく解説しています。

3.介護記録は手書きから電子化する

介護記録の記入にあたり、パソコン、タブレット端末での入力に移行する事業所も増加していますが、まだまだ手書きをしているケースも多いです。
手書き、パソコン、タブレット端末の違いを比較してみましょう。

手書き パソコン タブレット
●時間がかかる
●決まったフレーズを何度も書く必要がある
●スピーディに入力できる
●フォーマットや定型文を活用できる
●利用者さんの情報(バイタルなど)をその場で入力できる

パソコンやタブレットを活用すると、業務効率は格段に上がります
従業員には、なぜパソコンやタブレットに切り替えるのか説明する必要がありますし、年配の方では操作に慣れるまでに時間がかかることもあります。
導入時はなにかとフォローが必要で大変と感じられますが、長い目でみると人件費の削減につながっていくため、優先度が高くなる事項といえます。

4.評価基準を設けて妥当な昇給・賞与を

長年働いている人材には給与や賞与を多く支払うことが多いですが、現場では「あの人は経験が長いだけで、大雑把な仕事をしているのに給与が高い」と不満の声があがる場合もあります。
経営者目線でも、「頑張りが不十分な人に過剰な賞与を払う」ということは本意ではありません。
そこで、人事評価の基準を明確に設け、昇給や賞与の金額の妥当性を見直すと、無駄な人件費の増大を抑えることができます。
従業員のキャリアパスを定めて評価をすれば、昇給や賞与の額を適正に設定できますし、働き手のモチベーションにつながります。
無駄なコストを削減しながら、人材育成にも直結していくというわけです。

5.人材の採用コストを抑える

給与のように継続的にかかるコストではありませんが、人材の採用にかかる費用も蓄積すると経営のダメージになります。
求人雑誌などの紙媒体に小さな広告を出すだけでも3〜5万円ほど必要になります。
介護職や看護職の求人サイトを経由して人材を採用した場合は、手数料として数万円〜10万円ほどのコストがかかります。
人材紹介会社を介すると希望にマッチした人材を直接紹介してもらえますが、年収の約2〜3割が紹介料となり、年収300万円の介護福祉士の採用コストは60〜90万円と高額になります。
Indeedなどのサイトでは無料・有料のプランが用意されており、求人広告の掲載にかかるコストを削減できます。
大きな法人であれば、求人専用の自社サイトを作成し、Indeedに掲載するという対応もおすすめです。

Indeed 求人掲載

Indeed 求人掲載

介護職の人材育成にかかるコストは助成金で補填

介護職の人材育成にかかるコストは助成金で補填

介護施設の運営に必要な人件費を支払うだけで精一杯で、「人材育成」という次元に踏み込めずにいる経営者もいるのではないでしょうか?
人材育成のため研修に参加してもらったり、指導をする時間を確保したりする際にもコストはかかりますが、国や都道府県の助成金も存在します。
次の表で一例をご紹介します。

名称 窓口 内容
キャリア形成促進助成金 研修・講習を受ける際の報酬を助成。研修費用の1/2と、受講中の賃金(時給800円)。
キャリアアップ助成金 パート、アルバイト、派遣労働者から正社員に雇用するときなどに助成。キャリアアップの計画が必要で、助成額は雇用条件により20〜40万円。
介護従事者確保推進事業補助金 北海道 介護職員が実務者研修を受けるための費用助成。費用の2/3まで、上限10万円。

パートやアルバイトを上手に活用すると人件費は抑えられますが、優秀な人がいれば、計画に沿って正社員に登用すると助成を受けることができます
国や都道府県で研修費用を助成してくれる制度もあるため、こちらも有効活用してみましょう。
詳しくはこちらの記事(介護人材育成のためにもらえる助成金〜国から都道府県のものまで活用しよう)でも解説しています。

業務改善、人材の有効活用、助成金制度で人件費削減!

なかなか介護施設の収益を上げられないときは、業務の中にある無駄をなくし、効率を高めていきましょう。
そして、非常勤や介護助手としての就労を希望する人材を有効活用し、賃金に見合う仕事をお願いすることで、人件費が抑えられます。
また、助成金を活用することによって、人材育成や雇用に関するコストを削減できることもあります。
賃金を減らすのは最終手段であり、そのまえにできる対策はたくさんあるため、施設のニーズに合った取り組みを始めてみてください。

なお、介護施設における固定費のうち、電気代の節約に興味がある方は、こちらの記事(介護施設で電気代を節約する方法とは?経営者がコスト削減のために実践できる対策)もご一読ください。

参考:
厚生労働省 平成29年度介護事業経営実態調査結果.(2019年2月25日引用)

  • yukie

    公開日: 2019年02月27日

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