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医療従事者向け 介護プラス

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年02月27日
  • コスト・売上の課題

介護施設で電気代を節約する方法とは?経営者がコスト削減のために実践できる対策

介護施設では、施設の運営に必要な固定費の金額が膨らんでしまいがちです。
「ある程度はかかるものだから仕方がない」とお考えの方も、できるだけコストを削減し、利用者さんや従業員へ還元していきたいところです。
今回は、固定費の中でもコスト削減の余地が大きい「電気代」に焦点を当てて、具体的な対策を解説していきます。

1.介護施設の電気代節約術~照明~

介護施設では、面積が広ければ広いほど照明にかかる電気代がかさみます
照明にかかわるコストを削減するための方法をお伝えします。

●LED照明に交換する

LED照明に交換する

比較的新しい介護施設であれば、すでにLED照明を使用しているかもしれませんが、そうでない場合は交換を検討してみましょう。
LED照明が登場した頃は購入コストが高いことがデメリットでしたが、価格は下がってきています。
そして、LED照明推進協議会によると、白熱電球の寿命が1,000~2,000時間であるのに対し、LED照明の寿命は4万時間とされています。
長く買い替えなくても使えることが強みですが、消費電力が少ないために月々の電気代が安くなる点が最大の魅力です。
一般家庭でも電気代が安くなりますが、介護施設の場合は照明の数も多いため、導入する価値はあります。

●人がいないときは「照明オフ」を習慣化

人がいないときは「照明オフ」を習慣化

利用者さんも職員も使っていないスペースの照明を消すなど、こまめに電気をオフにすることを習慣にしましょう。
気づいたときに消している職員もいるかもしれませんが、きちんとルール化して全員に周知することが大切です。

2.介護施設の電気代節約術~空調~

介護施設の電気代節約術空調~空調~

介護施設の経営を圧迫する固定費のひとつがエアコンなど空調にかかわるコストです。
特に夏場の冷房代がかさんでいるという介護施設も多いでしょう。

●エアコンの温度設定を見直す

介護施設の場合、利用者さんを受け入れている以上、脱水・熱中症、ヒートショックなどを引き起こさない温度設定を保つことは不可欠です。
しかし、特にエアコンの温度について取り決めがなければ、職員が自分の感覚だけで温度を設定してしまうこともあります。
エアコンの温度設定は冷房時28℃、暖房時20℃が目安といわれていますが、その施設の実際の室温、日差しの入り方なども考慮して検討し、全体に周知してみましょう。

●扇風機・サーキュレーターを使う

エアコンから出る風はその空間の全体を循環してくれるわけではありません。
冷気や暖気が停滞することを避けるために、エアコンに搭載された送風モードを使う方法もありますが、扇風機やサーキュレーターを使用すると電気代の節約につながります。
居室のように狭い空間であれば扇風機でもある程度の効果が期待できます。
食堂などの広いスペースでは、業務用のサーキュレーターがおすすめです。
大型の製品でも2~3万円程度で購入可能です。
また、床に置くタイプ、高所取り付けタイプがあるので、施設内での設置場所を考えながらサーキュレーターを選んでみてください。

●夏場は窓から入る日差しを防ぐ

窓から直射日光が入る環境では、室温が上昇してしまい、夏場にはエアコンの使用に伴う電気代が高くなります。
遮光カーテンを使って光を遮ることも方法ですが、植物を使ったグリーンカーテンを設置すると、冷房代のコスト削減につながります。
さらに、利用者さんが窓から見える涼しげな緑を楽しめるという利点もあります。
毎年、レクリエーションの一環としてグリーンカーテンの種まきを行ったり、利用者さんと水やりをするのも、活動の機会を提供できるので一石二鳥です。

●エアコンのフィルターを清掃する

エアコンの使用によってフィルターにほこりがたまると、空気の循環が悪くなるため、室温を調節する効率が低下します。
空気の循環効率が悪くなると消費電力が増加するため、電気代がかさんでしまいます。
エアコンの清掃がほとんどできていない介護施設でも、月に1回は清掃を行うようにしましょう。

3.介護施設の電気代節約術~冷蔵庫~

介護施設の電気代節約術~冷蔵庫~

介護施設に厨房がある場合、冷蔵庫の電気代を見直すという方法もあります。
冷蔵庫はあれだけの冷気を出す電化製品なので、電気代もかさみやすいです。
冷蔵庫に関連するコスト削減方法も確認しておきましょう。

●古い冷蔵庫を買い替える

一般家庭でも、古い冷蔵庫を新しい冷蔵庫に買い替えたところ、数年使えば冷蔵庫代の元がとれるほど電気代が安くなったという話はよくあります。
業務用の冷蔵庫も同様に、古い製品と新しい製品では消費電力に大きな開きがあります。
一般的には故障してから買い替える方が多いですが、どれくらい電気代が安くなるか、消費電力から見積もってみることもおすすめです。

●パッキンの点検を行う

今すぐに冷蔵庫の買い替えは検討できなくても、パッキンの点検やメンテナンスは行っておいたほうがベターです。
パッキンは冷蔵庫の冷気を密閉するのに貢献しており、パッキンがゆるんでいると冷気が漏れ、消費電力が増加してしまいます。
冷蔵庫内部の性能が良くても、パッキンに欠損があれば本末転倒となるので、定期的に確認しておきましょう。

4.介護施設の電気代節約術~エレベーター~

エレベーターがある介護施設の場合、職員だけで移動するときは、階段を利用するようにルール化していることもあります。
施設の構造によっては職員が1日に何度も階をまたいで移動することになりますが、すべての移動にエレベーターを使っていてはコストが膨らみます。
これはすでに導入している介護施設も多数あり、ルールを受け入れている従業員も多いので、まだ実践していなければ検討してみましょう。

電気代の変化を「見える化」して節電効果を確認

介護施設で電気代の節約に向けて取り組み、どれくらいのコスト削減効果が得られたのか、具体的な数字で変化を追ってみてください。
月ごとに電気の使用量や電気代に関する記録をつけておき、前年比でどれくらいコストを削減できたのか「見える化」しながら検証してみましょう。
利用者さんが快適に過ごせる環境を保ちつつ、上手に電気代を節約していきましょう!

なお、人件費のコスト削減に興味のある方は、こちらの記事(介護施設で上手に人件費削減!コストを減らすための具体的な対策を解説)をご参照ください。

参考:
特定非営利活動法人 LED照明推進協議会 LEDの寿命.(2019年2月25日引用)

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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