2018(平成30)年介護報酬改定で大変更!リハビリテーションマネジメント加算2を算定するためのコツを教えます!
2018(平成30)年の介護報酬改定では、リハビリテーションマネジメント加算2の要件が大きく変わります。
そのため、今までの要件で算定ができなかった事業所でも、これから算定していくチャンスです。
本記事では、改定による要件の変更点を確認しながら、算定するためのコツをご紹介します。
目次
意外と算定が難しい!?リハビリテーションマネジメント加算2とは
リハビリテーションマネジメント加算2(以下リハビリテーションマネジメント加算2)は、2015年度の介護報酬改定で新設された加算です。
前回の介護報酬改定の目玉として新設されましたが、現状ではリハビリテーションマネジメント加算2の算定率は非常に低い状態です。
その理由は、リハビリテーションマネジメント加算2の算定要件において以下の2点が含まれているためです。
- ●医師がリハビリテーション計画書を利用者さんまたは家族へ説明し、同意を得ること
- ●リハビリテーション会議を開催して利用者さんの状況を共有すること
この2点が理由で、算定できない事業所が多いと考えられます。
日本デイケア協会のアンケート調査によると、リハビリテーションマネジメント加算2の算定が難しい理由として、医師の時間が確保できないため、リハビリテーション会議(以下リハビリ会議)への参加やリハビリテーション計画書(以下リハビリ計画書)の説明・同意が困難であることがあげられています。
先日、筆者の事業所に見学にこられた方も、「医師は診察や往診で時間調整ができない…」と嘆いておられました。
実際、リハビリテーションマネジメント加算2を算定している筆者の事業所においても、利用者さんや家族、他事業所のスタッフの参加に加えて、医師の参加時間を調整することは非常に大変でした。
2018年の介護報酬改訂でリハビリテーション会議のあり方が大きく変わる!
2018年の介護報酬改訂では、リハビリテーションマネジメント加算2の大幅な見直しが実施されます。
今までは、リハビリテーションマネジメント加算1と2に分けられていましたが、改定後のリハビリテーションマネジメント加算は1〜4までの4段階に分けられることになります。
そのなかでも、注目すべき点は、算定を難しくしている理由であった「医師の参加」が以下のように見直されている点です。
●リハビリ会議はテレビ電話でもOK
現行の要件では、医師が会議に参加するためには、必然的に医師が所在する場所で会議を開催する必要があります。
しかし、リハビリ会議がテレビ電話で可能になれば、場所の制約がなくなりますので、今までより開催のハードルが低くなります。
また、場所の制約がなくなれば、時間帯も融通が効きやすくなります。
実際に、「自宅で開催できるなら◯◯の時間でも大丈夫なのに…」とおっしゃる利用者さんや家族の声も耳にします。
●リハビリ計画書の説明・同意はセラピストでOK
これまでのリハビリテーションマネジメント加算2では、リハビリ計画書の説明・同意は医師の業務であったため、医師に時間を確保してもらう必要がありました。
また、利用者さんや家族が医師のもとへ来なければいけないという点も算定を難しくしている理由でした。
その点、セラピストが代わりにリハビリ計画書の説明・同意ができるとなると、医師の時間の確保や家族の来所などが不要となり非常に算定しやすくなります。
収益&サービスの質をアップするために…リハビリテーションマネジメント加算2を算定するコツ
これまでリハビリテーションマネジメント加算2を算定していなかった事業所が、いきなりそれ以上の算定をすることは難しいでしょう。
しかし、今回の介護報酬改定をチャンスとして、確実にリハビリテーションマネジメント加算2を算定することは可能です。
そこで、今からでもできるリハビリテーションマネジメント加算2を算定するためのコツを紹介します。
●セラピストが営業活動をしよう!関係性を構築してニーズを把握
リハビリテーションマネジメント加算2を算定するうえで、まずはどのようなニーズがあるかを把握する必要があります。
そこで必要なのがリハビリ専門職がケアマネジャーに直接話を聞くことです。
リハビリテーションマネジメント加算2では、リハビリの目標や内容について、利用者さんを援助するスタッフで共有する必要があります。
そのため、セラピストが積極的に外に出て、ケアマネジャーを含む他事業所のスタッフと顔が見える関係づくりをすることが重要です。
連絡や調整は支援相談員に任せっきりで、いきなり顔も知らないセラピストが会議を仕切る、ということにはならないように注意しましょう。
●会議の運営できますか?リハビリスタッフが司会進行の技術を習得
リハビリ会議の運営はセラピストの仕事になります。
そのため、会議の運営ができるスタッフの確保が必要です。
普段の担当者会議やカンファレンスでは、専門的な見地から意見を述べる立場ですが、リハビリ会議ではそれ以外のスキルが求められます。
そのため、会議を司会・進行する技術を身につけるためにファシリテーターの研修会などに参加することは有効です。
ただ、どうしても経験豊富なセラピストの確保ができないという場合は、支援相談員などと連携して司会進行をおこなうのも一つの方法です。
●少なくなったといえども医師の理解は必要
今回の改定で、医師の参加方法が緩和されたといえども、まったく関与する必要がないわけではありません。
そもそも、今回の改定ではリハビリテーションマネジメント加算の算定要件として、医師の詳細な指示が追加されており、どちらにしても医師の協力は必要となります。
そのため、医師としっかりコミュニケーションをとり、現時点でどのくらい関わることができるのかを明確にして、テレビ会議参加への理解を得ることが重要です。
筆者の事業所では、医師と相談して、昼間の診察時間外や16:00以降など比較的診察の少ない時間帯、医師の都合がつきやすい時間帯を会議の開催時間にしています。
スケジュールの詳細は、事前に医師と調整をしますが、会議開催の目安となる時間帯を決めておくだけでも、医師や他事業所との連携がとりやすくなります。
テレビ電話による会議可能となれば、より時間調整がつけやすくなり、医師の理解も得やすくなるでしょう。
リハビリテーションマネジメント加算2を算定する条件を効率良く満たすためにも、ぜひ実践してみてください。
まとめ
リハビリテーションマネジメント加算2を算定することは、収益のアップだけではなく、サービスの質向上やケアマネ・他事業所とのつながりも増やすことができます。
今回の介護報酬改定により、しっかりとした対策を立てれば、今まで以上にリハビリテーションマネジメント加算2を算定しやすくなるでしょう。
今回ご紹介したリハビリテーションマネジメント加算2を算定するためのコツを参考にしていただき、2018年度の介護報酬改定をチャンスに変えていただければ幸いです。
参考:
2018(平成30)年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について 第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料(2018年1月30日引用)
通所リハビリテーションの適切な実施に関する調査研究事業 調査報告書 一般社団法人 全国デイ・ケア協会(2018年1月30日引用)