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脳卒中の方でも安全に階段昇降のリハビリ。オージーウエルネスの歩行練習用階段の活用

ADL(日常生活動作)能力向上のために導入されることが多い階段昇降のリハビリ。
本記事では、脳卒中の後遺症がある利用者さんでも、安全に階段昇降のリハビリができる機器、オージーウエルネス製の歩行練習用階段についてご紹介します。

脳卒中の方に階段昇降練習が必要な2つの理由

階段昇降動作は危険を伴うため、練習することに不安を感じるスタッフも少なくありません。
しかし、階段昇降のリハビリは利用者さんにとって非常に高い効果が得られるトレーニングなのです
ここでは、実施するべき2つの理由について解説します。

●階段昇降動作は複合的な身体トレーニング

介護施設では、セラバンドやマシンなどを用いて下肢の筋力トレーニングを実施することが多いです。
しかし、懸命に励んでいるにもかかわらず、なかなか自宅の段差を越えることができない方や、歩行が不安定なままの利用者さんを経験されたことはありませんか?
磯野(2015)は、階段昇降動作には膝関節・股関節の筋力、体幹の筋力、バランス能力が必要であると報告しています。
また明崎ら(2008)は、階段昇降動作の自立には麻痺側の下肢にどれだけ体重を乗せられるかが重要であると報告しています。
つまり、さまざまなトレーニングのなかでも、階段昇降は下肢の筋力向上に効果的であり、さらにバランス能力の向上や生活範囲の拡大にも有用な練習方法であるといえるのです。

●脳卒中の方では転倒によるADL低下が大きい

バリアフリーというワードも定着してきましたが、玄関のポーチや上がり框(かまち)などの段差に悩む方は多いです。
要介護状態になる原因の一つに転倒・転落があげられますが、一度転倒を経験した高齢者は、活動への不安から生活範囲が狭くなる「転倒後症候群」にいたることが懸念されています
大高ら(2015)は、高齢者の転倒は死亡事故につながるケースが多く、5〜10%の割合で骨折を起こすと報告しています。
片麻痺のある方が転倒し、健側(麻痺のないほう)の足を骨折してしまうと、一気に動作能力が低下するため注意が必要です。
いまや転倒予防は社会的にも非常に大きなテーマとなっており、下肢の筋力向上が望める階段昇降練習は、転倒による重大事故を防ぐためにも重要なリハビリとなっています。

脳卒中の方の階段昇降練習における注意点

前述したように、階段昇降のリハビリは運動機能の向上や転倒予防のために有用ですが、実施するにあたって注意しておくべき点を解説していきます。

●動作手順は「行きはよいよい帰りは怖い」

一般的な昇降動作の介助手順を以下にご紹介します。

◯昇り動作

1)麻痺のない側の足を上段にあげる

麻痺側の足の踏ん張りがきかない場合、早く足を上げようと焦る方もいますが、
しっかりと手すりを持ち、ゆっくりと正確に上段にあげるように促しましょう。

2)麻痺側の足を上段にあげる

麻痺側の足をあげる際は、つま先が上段に引っかかることがあるため注意が必要です。
しっかりと手すりを持ち、反対側の足に重心を乗せるように介助するとよいでしょう。

◯降り動作

1)麻痺側の足を下段におろす

降り動作の手順は、昇り動作と逆になります。
麻痺のない側の足に重心を乗せて、麻痺側の足を下段にゆっくりとおろします。

2)麻痺のない側の足を下段におろす

まず、足をおろすまえに麻痺側の足に重心を乗せるように介助します。
麻痺のない側に重心が乗ったままだと、早く下段におろそうと焦ってしまい、転倒につながる可能性があります。

行きはよいよい(昇りは麻痺のないほう)、帰りは怖い(麻痺のあるほう)」と覚えるとわかりやすいですね。

●介助者は不安を感じさせないように配慮する

片麻痺のある方は、麻痺側の手足に痙縮(けいしゅく)という運動障がいを抱えていることが多いです。
痙縮とは、脳の障害により筋肉の緊張が高まった状態のことで、歩行時に足が突っ張ってうまく歩けないなど、日常生活にも影響を及ぼすものです。
痙縮は精神的な緊張によっても出現するため、介助者は近くに寄り添うか、麻痺側から介助をするなどして、利用者さんが安心して練習できるように心がけてください。

歩行練習用階段の特長は、設置場所の自由度と介助者への配慮

ここでは、オージーウエルネス製の歩行練習用階段について、製品の特徴と筆者がおすすめする理由について解説します。

●製品紹介

本製品の特徴を以下の表にまとめます。

名称 歩行練習用階段 標準型 GH-455
外形寸法 977(W)×2994(L)×1500(H)mm  ※1
1836(W)×2136(L)×1500(H)mm ※2
※1 ストレートタイプ時
※2 コーナータイプ時
質量 172kg
階段 200mm×3段 150mm×4段
踊り場高さ 600mm ※3 ※3 踊り場から天井までは2m程度の高さが必要
踊り場踏み面 850×850mm
階段踏み面 780×300mm

●3つのおすすめ理由

前述した本製品の特徴を踏まえて、筆者がおすすめする理由を以下に3つあげてみます。

◯空いているスペースを有効活用できる

コーナータイプで設置することにより、部屋の隅や柱の前など空いているスペースを有効活用できます。
また、階段昇降動作に不安を感じる方は、そばに壁があることによって安心感を得ることができます。

◯生活環境に応じて段の高さを選択できる

3段側は20cm、4段側は15cmと、段の高さを自宅の環境によって使い分けることができます。
また、踊り場は広く設計してあるため、降りの前に安心して方向転換をすることができます。

◯踏み台の幅が広く、介助者も安心

本製品は、踏み台の外側に手すりの支柱が設置されているため、練習の際には利用者さんと介助者の二人分のスペースを確保することができます
つえと手すりの両方を、しっかり持って練習することができ、介助するスタッフのことも考慮した秀逸な設計であるといえます。

歩行練習用階段を導入して安心・安全なリハビリを提供しよう

介護施設において、片麻痺がある利用者さんの自立支援を促すためには、転倒予防とADL(日常生活動作)の範囲拡大が重要です。
「足があがりにくい」「段差でつまずく」などの訴えは、転倒の兆候であるといえるでしょう。
オージーウエルネスの歩行練習用階段は、形状や手すりの高さを簡単に調節することができ、限られたスペースでも設置が可能です。
階段昇降のリハビリを始めようとお考えの方は、ぜひ歩行練習用階段の導入を検討してみてください。

参考:
鈴川芽久美,島田裕之,他: 要介護高齢者における転倒と骨折の発生状況. 日本老年医学会雑誌46巻4号:334-340,2009
明崎禎輝,山崎裕司,他:脳血管障害片麻痺患者の麻痺側下肢荷重率と階段昇降能力の関連.理学療法科学23(2):301-305,2008
大高洋平:高齢者の転倒予防の現状と課題.日本転倒予防学会誌,vol1,11-20,2015.
磯野凌:地域在住高齢者の段差昇降能力と運動機能との関連.第50回日本理学療法学術大会 抄録集,2015.
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット(2018年5月23日引用)

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