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自転車エルゴメーターで表示されるワットの意味は?理学療法士がわかりやすく解説します

自転車エルゴメーターのモニターに表示される単位の中に「Watt」があります。
ワットと読むこの単位は活動や運動の量を表し、運動をするときに活用することができます。
今回はワットの意味を解説するとともに、介護現場での活用法を紹介します。

ワットは電力ではない!自転車エルゴメーターで活用するために必要な基礎知識

Watt(以下ワット)は電力の単位として使用されているため、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。
自転車エルゴメーターのモニターにも表示されている単位ですが、もちろん電力を表しているわけではありません。
まずは、ワットを活用するために、どのような単位なのかを解説していきます。

●ワットは運動の強さを表している

自転車エルゴメーターなどに表示されているワットは運動の強さ(運動強度)を表しています。
ワットの数値が高くなれば、それだけきつい運動をしているということになります。
ワットは負荷量や仕事率という呼び方もされますが、リハビリ機器などで使用する場合は、「どれくらいの運動の強さか」という意味を表しています。

●自転車エルゴメーターでワットを増減する理由

自転車エルゴメーターにおいて、運動の強さは「ペダルをこぐ速さ」と「ペダルの重さ」で決まります。
ワットの数値を高くしようとする場合は、速くペダルをこいだり、より重たいペダルをこぐことになります。
自転車エルゴメーターの種類によっては、ワット数を一定にする機能がついており、その場合は、こぐ速さによって自動的にペダルの重さが調整されるようになっています。

日常生活の活動とワットを比較して有効活用

ワットは単なる運動の強さを表すだけでなく、日常生活の活動とも関連しています。
ワットを活用するために、どのような関係性があるのかを知りましょう。

●日常生活の運動の強さを表すメッツとは?

運動の強さを表す別の数値として、METs(以下メッツ)と呼ばれる単位があります。
メッツは安静にしているときを「1」と考えて、活動した場合に何倍の強さの運動をしたかを表します。
掃除や洗濯、散歩などさまざまな活動を安静時と比較した数値で表すことができます。
以下に日常生活における動作の運動強度をメッツで挙げてみます。

日常生活の活動 メッツ
皿洗い 1.8
料理・洗濯 2.0
水やり 2.5
掃除機がけ 3.3
草むしり 3.5
階段をゆっくり上がる 4.0
畑をたがやす 4.5

●メッツと自転車エルゴメーターにおけるワット数との関連

自転車エルゴメーターによる運動はメッツにおける運動の強さでも表されています。
30〜50ワットの強さで行う自転車エルゴメーターは、3.5メッツの活動量があるとされており、日常生活では草むしりや階段を下りるのと同じ強さの活動となっています。
そのため、自転車エルゴメーターのワット数を確認しておくことで、日常生活での活動を考慮した強さの運動を行うことができます。

ワットの数値を現場で活用!実践例を紹介します

介護の現場でワットの数値を活用することで、自転車エルゴメーターなどの運動を効果的に行うことができます。
実際に筆者が実践している例も紹介しながら、活用法をお伝えします。

●日常生活の動作を聞き取りワット数と関連させてみよう

先程紹介したように、日常生活の動作と自転車エルゴメーターでの運動はメッツによって運動の強さが示されています。
自転車エルゴメーターでは、30〜50ワットの強さでこぐと3.5メッツですので、掃除や料理などはそれ以下の負荷でも可能な動作となります。
階段を上がったり農作業をしたりする場合は、それ以上の負荷がかかる動作となります。
以上のように、行っている日常生活を聞いてメッツ数を調べることで、自転車エルゴメーターのワット数と比較をすると、利用者さんがどの程度の強さで運動をしたほうが良いかといった目安にすることができます。

●ワット数の変化を伝えてモチベーションを上げよう

実施可能な運動の強さを具体的な数値で示すことで、利用者さんの運動に対するモチベーションを高めることができます。
実際に筆者もワット数を運動の強さであることを説明した上で、「以前は〇ワットの運動で疲れてたのに、今は◯ワットでも楽にこいでますので」などと伝えると、非常に喜ばれます。

ワットで自転車エルゴメーターなどのリハビリ機器を効果的に使おう!

ワットは日常生活にも関連しており、介護現場での目標設定、運動効果の判定などさまざまな活用法があります。
自転車エルゴメーターなどのリハビリ機器を効果的に使用していくために、表示されているワットを活用することは非常に重要です。
まずはワットの数字に興味を持って、利用者さんがどれくらいの強さで運動を行っているのか調べてみましょう!
自転車エルゴメーターについては、こちら(自転車エルゴメーターを使いこなそう!理学療法士がポイントを伝授します)でも紹介しています。

参考:
奈良勲:理学療法士のための運動処方マニュアル.文光堂,東京,2002,pp.296-318
厚生労働省 運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書(2018年6月14日引用)
厚生労働省 e-ヘルスネット 情報提供 メッツ/METs(2018年6月14日引用)

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