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セラピーパテの上手な使い方は?粘土で手指のリハビリを効果的に!

手や指のリハビリで使うカラフルな粘土を見たことがあるでしょうか?
大がかりなリハビリ機器とは異なり、コストをかけずに導入できるので、リハビリを提供する介護施設では用意しておきたいところです。
今回は介護施設で働くリハビリのスタッフ向けに、「セラピーパテ」の上手な使い方についてお伝えしていきます。

リハビリで使うカラフルな粘土の名前と特徴

ひと言で「リハビリ」といっても、立つ・歩くなど全身運動を伴うものから、認知機能や精神機能の改善を図るものまで、バリエーションに富んでいます。
腕・手・指など上肢の機能は身の回りの細かな動作にも影響を与えるため、改善を図ることは非常に重要です。
次に、上肢機能のリハビリでよく用いられるアイテムの一つである、カラフルな粘土の名前や特徴を確認していきましょう。

●リハビリで使う粘土の名前は?

リハビリでよく用いられる色鮮やかな粘土の名前が「セラピーパテ」であり、英語では「Therapy putty」と呼ばれています。
「セラプラスト」と呼ばれることもありますが、今回はセラピーパテという名前で統一します。

●シリコン製の粘土だから扱いやすい

セラピーパテはシリコンのプラスチックでできた粘土なので、一般的な粘土とは手触りが違います。
シリコン製の粘土を使用する理由は扱いやすさにありますが、具体的には次の2点が大きな要素となります。

  • ●乾燥しない
  • ●手がべたつかない

リハビリの時間は20分、40分などと限られているため、この使い勝手の良さは重宝します。
扱いが楽なので、20分のうち5分だけ使うということも難しくありません。
ただ、筆者の経験では白いケーシーに粘土の断片がべったりついて、色が取れなくなってしまったことがあります。
多少触れるくらいでは問題ないため過度に気にする必要はありませんが、利用者さんの衣類が汚れないように、少しだけ注意しておくと良いでしょう。
基本的にはとても扱いやすいアイテムなので、ぜひ活用してみてください。

セラピーパテの使い方!手指のリハビリ効果を高めるヒント

セラピーパテでは、握る・つまむなどの基本の使い方のほか、短い時間で形は崩れますがなにかを形作ることも可能です。
次の使い方を参考にしてみてください。

1)グリップ:粘土を握る

握るための筋力が低下している方が、手に粘土を持って、手全体でギュッと握る運動を行います。
セラピーパテの基本的な使い方となりますが、粘土の抵抗に対してできるだけ力を入れるように教示しましょう。
また、両手で持って粘土を雑巾のように絞る動作を加えても、グリップ+手首をひねる運動になります。

2)ピンチ:粘土をつまむ

セラピーパテを指で持ち、指の力でつまむ運動を行います。
母指と示指、母指と中指といった具合で、2本の指でギュッと粘土にくぼみを作るようにつぶします
また、指腹つまみや側腹つまみなど、いろいろなパターンで試してみてください。

3)手指の伸展運動:指を広げて粘土を伸ばす

セラピーパテをパンケーキのような形にしてテーブルに置き、そこへ指をそろえた状態で手をのせます。
手のひらを軽く粘土に押し付けるようにして、粘土の抵抗を感じながら指を広げると、手指の伸展運動の訓練として使えます。
できる方にはパンケーキ型にセットするところからやってもらうと、操作性を高める練習にもなります。

4)手指の分離運動:2本指だけで粘土を広げる

手指で連合した運動ではなく、ばらばらの運動(分離運動)ができるようになると、巧緻動作が行いやすくなります。
粘土を程よい大きさにちぎって丸め、たとえば中指・環指の2本だけを使って広げていくと分離運動の練習になります。
よりレベルアップした例としては、粘土で薄くビー玉を包んでおき、それを2本指ではがす運動もおすすめです。

5)力加減のコントロール:粘土をゆっくり伸ばす

セラピーパテの塊を机に置き、少量をつまんでゆっくり引っ張ると、細い糸のようになって伸びていきます
放射状になるようにさまざまな方向に引っ張っていき、花のような模様を作るとつまみ動作や力加減のコントロールの訓練となります。
また、両手を宙に浮かせた状態で粘土を持ち、ゆっくりと伸ばしていく課題も活用できます。
固有受容感覚が低下していて力加減の調整が難しい方もいるので、このようなアプローチをしてみることも検討しましょう。

6)物品操作の練習:両手を使った動作を引き出す

基本の手や指の運動だけではなく、より応用的なリハビリとして、物品操作能力を高めるような訓練も行ってみましょう。
たとえば、粘土で小さな器を作る課題は特別な道具がなくてもできるため、両手の手指を使った巧緻動作の練習として取り入れやすいです。
また、細長く伸ばしたパテをヘラやおもちゃの包丁などで小さく切る課題では、料理動作のファーストステップとしても役立ちます。

使い分けたい!セラピーパテは色によって硬さが異なる

セラピーパテにはさまざまな色があり、色によって硬さが異なるので、手指の機能に応じて難易度を段階付けすることができます。
オージーウエルネスで取り扱われている4種類の商品を例にみると、色と硬さは次のような組み合わせとなっています。

カラー 硬さ
ソフト
ミディアムソフト
ミディアム
ファーム

黄色が一番柔らかく、次いで赤、緑の順で硬くなり、もっとも硬いのは青色ということになります。
筆者が介護施設で勤務をしていたときは赤と緑を中心に使用しており、小児を対象とする病院にいたときは黄を使う頻度も高かったです。
なお、違う色の粘土を混ぜると元に戻らないので、多くの人はそのまま使いますが、あえて混ぜて硬さを調整するという例も耳にしたことがあります。
最初からすべての種類をそろえても良いですが、利用者さんの層にあわせて必要な色だけ用意すると無駄がありません

上肢機能のトレーニングに有効活用していこう

セラピーパテは、手指のリハビリを支える一つのツールとなります。
施設にセラピーパテがない、あっても使っていないという方もいるかもしれませんが、上手に使いこなせると自分が立案するプログラムの引き出しが増えます
必要な色をそろえてリハビリのバリエーションを増やしてみてはいかがでしょうか?

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