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リハビリでも医療機器の点検は必要?知っておくべきメンテナンスの重要性

医療機器というと病院や診療所などに設置してあるイメージですが、介護保険関連の施設で使用している物理療法機器も該当します。
リハビリ場面で用いる物理療法機器などをはじめ、医療機器は事故防止のために定期的なメンテナンスが必須です。
本記事では、定期点検がなぜ必要なのか、またそのメンテナンス方法などについて解説します。

医療機器は事故防止のために定期的なメンテナンスが必須

医療機器は買いっぱなしではダメ!メンテナンスは必須

医療機器は買いっぱなしではダメ!メンテナンスは必須

ここではまず、なぜメンテナンスが必要なのかについて解説します。

●整備不良は治療効果を少なくする

介護施設での医療機器としては、低周波治療機器や超音波治療機器などを導入しているケースも多いのではないでしょうか。
運動麻痺や拘縮改善のために使用しますが、メンテナンスを怠るとその治療効果が期待できないこともあります。
低周波治療機器の場合、身体に当てたパッドからしっかりと通電しているか、目盛と合った強度で通電できているかなどを確認する必要があります。
超音波治療機器の場合は、プローブ全体から出力しているか、連続照射や間欠的照射など治療モードに合った出力になっているかなどが重要です。
これらの確認ができていないと、思っている治療効果が得られないばかりか、対象者さんの身体に害を与える場合もあるので注意が必要です。

●整備不良は大きなトラブルにつながる

前述したように、整備不良によって事故が起こってしまうと最悪の場合訴訟問題に発展することもあります。
なんらかのトラブルが起こった場合、行政からの実地指導などでほかの運営基準なども詳しく調査される可能性があります。
悪い言い方をすると「目をつけられる」ことになるため、提供サービスの安全性については日頃からしっかりと注意をしておきましょう。
また、「物理療法を受けたら体調が悪くなった」などの口コミが広まると、利用者数の低下など施設側のダメージも大きくなるでしょう。
治療効果を上げるだけではなく、施設の健全経営を保つためにも、医療機器の定期的なメンテナンスは必須です。

法的に保守点検が必要な機器とは?

法的に保守点検が必要な機器とは?

医療機器の安全管理については、おもに改正薬事法によって定められています。
ここでは医療機器のクラス分類や点検の必要性などについてご紹介します。

●医療機器のクラス分類

医療機器といっても、その用途や人体に与える影響はさまざまであり、以下の3つのクラスに分かれています。

人体へのリスク 代表的な医療機器
一般医療機器(クラスⅠ) 極めて低い ホットパック
管理医療機器(クラスⅡ) 低い 物理療法機器 電子血圧計
高度管理医療機器(クラスⅢ〜Ⅳ) 高い 透析装置 ペースメーカー

低周波治療機器や超音波治療機器などはクラスⅡに分類されており、不具合が生じた場合でも人体へのリスクは低いと位置づけられています。
また、上記分類とは別に、適正使用やメンテナンスに専門知識を要する機器は特定保守管理医療機器として分類されています。
オージーウエルネス 製の低周波治療機器(フィジアス)を例に挙げると、管理医療機器および特定保守管理医療機器に分類されています。

●保守点検をしないと罰則があるか?

前述した薬事法では医療機器の分類について定められていますが、医療法においては医療機器の適切な管理について定められています。
同法では、医療機器を取り扱う医療機関は、保守点検を実施する義務があるとされています。
しかし、実施しなかった場合にでも業務停止などの罰則があるわけではありません。
ただし、医療機関では病院機能評価など外部からの調査の際に、医療機器を適切に使用または管理していることが重要なポイントとなります。
安全管理を怠ったことが原因で事故が起こると医療訴訟にもつながるため、基本的に実施することが望ましいです。
いっぽう、医療法では介護施設での医療機器取り扱いについては明記されていませんが、整備不良での事故はトラブルにつながるため、定期的に実施するべきでしょう。

●点検頻度は1年に1〜2回が理想的

医療機器の点検に関して、日々の使用前後で実施する日常点検と、定期的に実施するべき保守点検に分けられます。
日常点検は、破損の有無や汚れのチェックなどが挙げられますが、消耗品の交換やプロトコルなどのシステムチェックは保守点検に当たります。
医療法には保守点検の頻度について明記されていないため、施設ごとの使用状況や機器の耐用年数によって差があります。
時間的に頻回に行うことは難しいため、半年または1年ごとに行うとよいでしょう。

保守点検はメーカーに依頼できる?

保守点検はメーカーに依頼できる?

多くの機器は取扱説明書に点検チェックリストが記載されていますが、「内容がよくわからない」、「点検する時間がない」などの悩みもあるでしょう。
ここでは、保守点検は法的に誰が行うべきかについて解説します。

●保守点検は施設スタッフか購入メーカーが行う

薬事法において、保守点検は基本的に自分たちで行うことを前提に書かれています。
取扱説明書に記載してある内容に関して、機器の電源設備や表示パネルのチェックなど、マニュアルに沿って進めることが可能です。
しかし、機器内部の基盤のチェックやシステムが正常に作動しないなどのトラブルが起こった場合は自分たちで解決することは困難です。
そのため、同法では「医療機器の修理業の許可をうけたもの(購入メーカー等)に委託してもよい」と記載されています。
日々の使用のなかで、自分たちで確認できる部分、メーカーに依頼しなければいけない部分を分けておくことも有用です。
病院では臨床工学技士などが保守点検を担うことが多いですが、おそらく介護施設では医療機器に精通したスタッフはいないでしょう。
特殊な工具や技能が必要な場合、無理せずメーカーに委託することをおすすめします。

●購入メーカーと保守点検契約を結ぶ

物理療法機器などを新規購入した場合などは、1年保証など保証期間がついていますので、その間はトラブルがあっても対応してもらえます。
しかし、保証期間または耐用年数が経過した場合、保守点検が有料になることがあるので注意が必要です。
機器によっては年間契約でおおよそ数十万円かかることもあるため、あらかじめ購入前に確認しておくとよいでしょう。
また、契約内容によっては点検と修理が別料金であるケースもあるため、その点についても事前の確認が大切です。

  • 執筆者

    奥村 高弘

  • 皆さん、こんにちは。理学療法士の奥村と申します。
    急性期病院での経験(心臓リハビリテーション ICU専従セラピスト リハビリ・介護スタッフを対象とした研修会の主催等)を生かし、医療と介護の両方の視点から、わかりやすい記事をお届けできるように心がけています。
    高齢者問題について、一人ひとりが当事者意識を持って考えられる世の中になればいいなと思っています。
    保有資格:認定理学療法士(循環) 心臓リハビリテーション指導士 3学会合同呼吸療法認定士

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