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認知症対応型グループホームの現状をレポート!多い医療連携体制加算の取得

認知症対応型グループホームでは、医療連携体制加算を80%以上の事業所が取得しています。
それは、認知症対応型グループホームの現状が医療的なケアが必要な入居者が多いからです。
2018年度の介護報酬改正で、より医療的なニーズが高い入居者に対して医療連携体制加算Ⅱ、Ⅲが加えられました。
グループホームの現状と医療連携体制が必要な状況を説明します。

医療連携体制加算は80%以上の事業所で取得されている

認知症対応型グループホームにおける医療提供の必要性

厚生労働省の「認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査」では、医療的ニーズがある入居者や治療中の入居者の割合を示しています。

●認知症、精神疾患、神経内科疾患の入居者がいる事業所の調査

この調査は、2156件の事業所の全入居者32,102人の該当者に行われました。
回答には複数回答も含まれています。

認知症、精神疾患、神経内科疾患の入居者がいる事業所の調査

  1. 1)アルツハイマー型認知症・・・65.3%
  2. 2)血管性認知症・・・11.9%
  3. 3)レビー小体型認知症・・・4.5%
  4. 4)うつ病・・・4.5%
  5. 5)統合失調症・・・2.4%
  6. 6)パーキンソン病・・・2.7%

●上記以外の疾患の入居者がいる事業所

  1. 1)高血圧・・・47%
  2. 2)心臓病・・・13.3%
  3. 3)糖尿病・・・12.7%
  4. 4)高脂血症・・・11.3%
  5. 5)脳卒中・・・6.4%
  6. 6)骨粗しょう症や関節症等の病気・・・17.0%
  7. 7)目の病気・・・10.9%
  8. 8)歯の病気・・・10.4%

この調査は、認知症対応型グループホームの医療的なニーズが高いことを示しています。
治療中の入居者はいないとした事業所は1.1%に過ぎませんでした。

●医療連携体制加算を取得している事業所の状況と行っている内容

2156件の事業所のうち、医療連携体制加算を取得している事業所で、常勤の看護師を雇用している事業所は225件、病院・診療所・訪問看護ステーションと契約し看護師を確保している事業所が868件です。
医師の指示で看護師が対応している医療的な必要性は、次に挙げられた項目が多いです。
%は事業所の割合を示しています。

医療連携体制加算を取得している事業所の状況と行っている内容

  1. 1)健康状態の観察・・・79.8%
  2. 2)療養環境の確認と助言・・・52.0%
  3. 3)服薬支援・・・41.0%
  4. 4)摘便・・・32.1%
  5. 5)療養上の世話・・・29.3%
  6. 6)褥瘡(じょくそう)の処置・・・25.4%
  7. 7)浣腸・・・25.0%
  8. 8)創傷処置・・・24.2%
  9. 9)ターミナルケア・・・14.2%
  10. 10)静脈内注射(点滴も含む)・・・11.3%
  11. 11)喀痰吸引・・・9.7%
  12. 12)簡易血糖測定・・・9.5%
  13. 13)カテーテルの管理・・・7.1%

医療的な指導や治療は、健康状態の観察や療養環境の確認と助言、服薬支援が医療的ニーズとして大きなウエイトを占めています。
主治医や医療機関に定期的に通院したり訪問してもらい、入居者の情報を共有していると回答した事業所が85.9%とほとんどの事業所で行われていました。

医療ニーズで対応が困難なもの

厚生労働省が行った調査によると、事業所として対応が難しかった医療的ニーズは、

医療ニーズで対応が困難なもの

  1. 1)療養上の世話・・・26.1%
  2. 2)喀痰吸引・・・19.5%
  3. 3)ターミナルケア・・・18.8%
  4. 4)胃ろう、腸ろうによる栄養管理・・・15.3%
  5. 5)酸素吸入・・・14.0%
  6. 6)静脈内注射や点滴・・・13.3%

医療的ケアができる介護従事者がいる事業所の中で、

医療ニーズで対応が困難なもの

  • 看護師・・・36.7%
  • 准看護師・・・10.3%
  • 認定行為業務従事者・・・10.3%
  • 医療的ケアを実施できる介護福祉士・・・7.7%

医療的ケアができる介護福祉士または認定特定行為業務従事者の有資格者がいない理由としては、職員に研修を受講させることが困難が44.9%と最も多く、医療的行為の入居者がいないという理由が39.9%、看護職員で対応できているが36.1%でした。
そのため、グループホームにおいては医療的ケアができる介護福祉士や認定特定行為業務従事者の配置がかなり少ないようです。
8割以上の認知症対応型グループホームで、医療連携体制加算を取得しています。
認知症対応型グループホームで医療的連携体制加算ⅡやⅢが新設されたのは、困難な医療ニーズにも対応できる事業所を高く評価するためです。

認知症対応型グループホームで取得できる医療連携体制加算とは?

医療連携加算とは、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入所している認知症の高齢者が、施設での生活を継続できるように、利用者に医療的なケアが行える看護体制が整っている事業所を評価するものです。
2018年に改正された医療連携体制加算には、Ⅱ、Ⅲが新設されました。
医療連携体制とはわかりやすく言うと、看護師がグループホームの入居者の日頃の健康を管理し、一人ひとりの状態を判断して医療的に適切な指導や援助を行います。
さらに、状態が悪化したときは主治医や医療機関に連絡し、連携体制を取り、必要に応じて医療的な処置を行います。
看護師は、介護従事者からの相談に応じ、介護記録などの情報を共有します。
介護従事者への医療的な指導も行います。
看取りに関しての指針は看護師が整備します。

医療連携体制加算の単位数と算定基準

医療連携体制加算のⅠ~Ⅲの単位数と算定基準は次のように決められています。

●医療連携体制加算Ⅰ・・・1日当たりの単位数39単位

医療連携体制加算Ⅰを取得するためには、1名以上の看護師職員の配置(准看護師は不可)、または病院(診療所、訪問看護ステーション)と連携して看護師を配置することが必要です。
さらに、看護体制は24時間体制が必要で、利用者が重度化した場合の指針を整備し、本人と家族への説明と同意が必要です。
その上で、看護師は健康を管理し、医療機関と連絡して看取り指針を整備します。

●医療連携体制加算Ⅱ・・・1日当たりの単位数49単位

Ⅰと異なる点は、看護職員が常勤換算で1名以上で、看護職員(看護師または准看護師)が病院などの看護師と24時間連絡できる体制が整っていること、准看護師が必要という点と、喀痰吸引や経腸栄養をしている利用者が1名以上いることです。

●医療連携体制加算Ⅲ・・・1日当たりの単位数59単位

医療連携体制加算Ⅱと異なる点は、24時間体制を取るのは看護師のみで准看護師は不可という点です。

※グループホームの看護職員は、ほかの事業所の職員と併任していても構いません。

認知症対応型グループホームは医療連携体制のニーズが高い

認知症高齢者は医療的なケアの必要がある人が多く、主治医や医療機関と連携を取りながら事業所の看護職員が医療的な治療や相談などを行います。
医療連携体制は、入居者が施設での生活を続けていくために必要です。
それを行っている事業所は高く評価され、医療連携体制加算を算定できます。

参考:
厚生労働省 認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査研究事業.(2019年6月13日引用)
カイポケ 医療連携体制加算とは?【平成30年度改定対応】.(2019年6月13日引用)

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