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最新の電動車いすはハイテクで高機能!進化した機能をご紹介

現在の電動車いすは「人が押す代わりに、電気の力でラクラク移動」するだけではありません。
目的地まで操作せずに移動する、またがなくても乗りやすいといった電動車いすも実用化されています。
この記事では最新の電動車いすが備える機能を取り上げ、解説します。

最新の電動車椅子だからできること

最新の電動車いすでできることと特徴

最新の電動車いすでできることと特徴

最新の電動車いすは「歩かなくても移動できる」という特徴はもちろん、移動に魅力的な機能を搭載した製品もあります。
高齢者はもちろん、働き盛りの方でも「乗ってみようかな」と思わせるほど。
ここでは最新の電動車いすで実用化されている機能と特徴を4つ取り上げ、解説します。

●目的地を入力したら、自動で運転。介助者も不要

目的地を入力したら、後は乗っているだけで目的地まで運んでくれる。
いま自動車の自動運転でさかんに実証実験されていることが、電動車いすでは実用化されています。
介助者なしで使えることも、特徴の1つです。

2020年現在、電動車いすの自動運転はどこでも利用できるわけではなく、羽田空港など一部の場所に限られています。
しかし操作しなくても安全に目的地まで運んでくれる実績があることは、電動車いすの可能性を高める大きなポイントとなるでしょう。

●誰でもつい乗ってみたくなるようなデザイン

電動車いすは、生活を便利にする乗り物であることが特徴です。
このため、「乗ることが目的」という製品とはいいきれません。

しかし最新の電動車いすには、遊園地のアトラクションで使われるような、かっこいいデザインの製品もあります。
日常生活で車いすに縁がなくても、製品を見たとたんに「乗ってみたい」と思った方も多いのではないでしょうか。
移動を楽にするだけでなく、乗ることが自慢になる。
このような点も、最新の電動車いすの特徴に挙げられます。

●スマートフォンで操作可能

最新の車いすでは、スマートフォンで以下の確認や操作を行えます。

  • ○電動車いすの状態の確認(走行可能距離やバッテリー消耗度など)
  • ○加速や減速の機敏さ
  • ○進行方向の指示

スマートフォンにタッチするだけで、ハンドル操作をせずに思い思いの方向へ進めることは、魅力の1つといえるでしょう。

参考:WHILL「Model C2パンフレット」

●後ろから乗り降り可能な車いすもある

車いすは、前から乗り降りするものが多いです。
これは立ち上がるためには便利ですが、介助者が後ろから抱えたまま車いすに乗せにくい課題があります。

このため現在では、後ろから乗り降り可能な電動車いすも発売されています。
落ちないか気になるかもしれませんが、しっかり着席していれば問題ありません。
実際に病棟で活用されていることは、安心を示す1つの材料となるでしょう。

IT技術を活用し、便利な移動を実現

IT技術を活用し、便利な移動を実現

電動車いすに搭載された魅力的な機能は、さまざまなIT技術によって支えられています。
ここではその機能を、3つに分けて紹介します。

●近距離無線通信の1つ「Bluetooth」を活用

最新の電動車いすには、近距離無線通信の1つ「Bluetooth」(ブルートゥース)が活用されていることも見逃せません。
Bluetoothは無線を使ったキーボードやマウスが代表的ですが、最近では接触確認アプリ「COCOA」でも活用されている、身近な技術です。

これにより、スマートフォンで車いすの操作を行えるようになりました。
Bluetoothは機器の間で通信を行うため、携帯電話の電波がつながらない場所でも使えることが魅力です。
参考:マイナビ「「Bluetoothだけ有効な機内モード」にする方法をご紹介!」
KDDI「『Bluetooth』ってなに? Wi-Fiとの違いは? 接続方法や便利な使い方を徹底解説」(2020年9月23日引用)

●地図情報を内蔵し、通行できる道を把握。センサーで周りの状況も感知

さきに解説の通り、自動運転システムを装備した電動車いすも実用化されています。
羽田空港で使われているシステムでは、あらかじめ作成した地図情報をもとに通行可能なルートを把握し、自動で移動します。
ほかの車いすや人などが近くにくるとセンサーが感知し、自動で停止して衝突を防ぎます。

これにより移動中の安全を確保するとともに、利用者を送り届けた後、車いす単体でもとの場所へ戻る機能も実現しています。
専用のシステムが必要なため誰でも使えるわけではありませんが、将来楽しみな機能の1つです。
参考:朝日インタラクティブ「羽田空港、自動運転の「車イス」を世界で初めて正式導入–WHILLが提供、無料で利用可」

●5Gを活用した、遠隔操縦の実証実験にも使われている

現在では施設内で実用化されている自動運転ですが、公道で遠隔操縦する目標もあります。
たとえば電動車いすの利用後、遠隔操縦で所定位置に戻したり、別の利用者宅へ移動するといった使い方が考えられます。

実現すると「電動車いすの乗り捨てサービス」や、月々利用料金を払って使いたいときに使える「サブスクリプションサービス」の実施に向けて、後押しとなることが期待されます。
一方で公道上を走行するには安全性の確保が絶対条件であり、高速・低遅延の無線通信「5G」の活用が求められます。

テムザックなどは2020年2月17日、けいはんなオープンイノベーションセンターにおいて、5Gを使った遠隔操作の実証実験を行いました。
遠隔操縦や自動運転が実現できれば、高齢者に限らず多くの方にとって便利な乗り物となるでしょう。

最新の電動車いす製品と活用例

ここからは最新の電動車いすにはどのような製品があるか、また活用例を紹介していきます。
また実際に利用する際にはどのくらい費用がかかるかについても、解説していきます。

●WHILL

WHILL

WHILLの電動車いすは、以下の通りさまざまな場所での活用実績があります。

また藤沢市の「スクエアモビリティ」において、一般向けに貸出サービスも行っていますから、乗り心地を試すことも可能です。
参考:WHILL「藤沢市において、パーソナルモビリティ「WHILL」シェアリングを開始〜高齢者の「フレイル」予防にも貢献、「新しい生活様式」として」
サンオータス「パーソナルモビリティ WHILL Model C」

2020年9月21日に発売開始された「Model C2」では、利用者に便利な以下の機能を搭載しています。

  • ○重量は52kg。分解して車のトランクにも収納できる
  • ○5cmの段差、傾斜10度の坂も通行可能
  • ○半径76cmを一回転できる。エレベーターなど、狭い場所でも方向転換可能
  • ○iPhoneでの操作が可能

参考:WHILL「<プレスリリース>WHILL株式会社が新製品「WHILL Model C2」を敬老の日に発売開始〜外出サポートによりシニア層のクオリティ・オブ・ライフ向上に貢献〜」
WHILL「Model C2 機能紹介」

利用方法は大きく「購入」と「介護保険でレンタル」に分けられます。
それぞれ以下の違いがありますから、あなたに合った方法を選びましょう。

購入する 介護保険でレンタル
費用 Model C:450,000円
Model C2:473,000円
月額2,700円~3,000円
アプリの利用 不可

参考:WHILL「Model C2 ご利用プラン」

●テムザック「RODEM」

テムザック「RODEM」

テムザックでは、後ろ乗りタイプの電動車いす「RODEM」(ロデム)を発売しています。
RODEMは馬乗りと同じ要領で乗り降りできるため、介護者を後ろから抱えたまま、スムーズに移乗できることはメリットの1つです。
このため以下に挙げる場所で、活用された実績があります。

RODEMはスマートフォンを活用することで移動中の操作を行うだけでなく、利用者の近くに呼び寄せることも可能です。
またデンマークの介護施設で実証実験を行ったこともあり、将来は日本の介護施設での活用も期待されます。
金額はメーカー希望小売価格として、98万円(非課税)となっています。
参考:テムザック「ロデム 車いす型ロボット」
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構「ロボットベンチャーの創造性がグローバルな国際実証により実用化 株式会社テムザック、株式会社NTTドコモ、九州大学」

電動車いすは移動を楽にする手段から、便利で乗ってみたくなる乗り物へ進化している

いまどきの電動車いすは、電気の力で楽に移動する手段にとどまりません。
IT技術を活用し、便利に使える乗り物の1つに進化しています。
加えてデザインの工夫により、誰でも乗ってみたくなる乗り物となっていることも、注目のポイントといえるでしょう。

現在は一般向けに開放されていない機能も、今後は使えるようになることが期待されます。
今後の新製品や新しい機能、サービスの登場などに注目していきましょう。

※必ずお使いの製品の添付文書および取扱説明書をご確認の上、ご使用いただきますようお願い致します。

参考:
HITOWAケアサービス 電動車椅子のことが丸わかり!種類・特徴・選び方のポイント(2020年9月21日引用)
厚生労働省 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)について(2020年9月23日引用)
マイナビ 「Bluetoothだけ有効な機内モード」にする方法をご紹介!(2020年9月23日引用)
KDDI 『Bluetooth』ってなに? Wi-Fiとの違いは? 接続方法や便利な使い方を徹底解説(2020年9月23日引用)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 NEDO実用化ドキュメント 外出が楽しくなる電動車いす スタンダードモデル発売で普及拡大 WHILL株式会社(2020年9月21日引用)
WHILL Model C スマートフォンアプリ 操作ガイド(2020年9月21日引用)
WHILL 会社概要(2020年9月21日引用)
WHILL Model A(2020年9月21日引用)
WHILL Model C(2020年9月21日引用)
WHILL <プレスリリース>WHILL株式会社が新製品「WHILL Model C2」を敬老の日に発売開始~外出サポートによりシニア層のクオリティ・オブ・ライフ向上に貢献~(2020年9月21日引用)
WHILL Model C2 機能紹介(2020年9月21日引用)
WHILL Model C2 Spec(2020年9月21日引用)
WHILL Model C2 ご利用プラン(2020年9月21日引用)
WHILL Model C2パンフレット(2020年9月21日引用)
テレビ東京 新型コロナで生まれ変わるニッポンの旅…2.5キロの「着るロボット」が新たな旅を提案:ガイアの夜明け(2020年9月21日引用)
WHILL 那須ハイランドパーク(2020年9月21日引用)
WHILL 志摩スペイン村(2020年9月23日引用)
WHILL 藤沢市において、パーソナルモビリティ「WHILL」シェアリングを開始〜高齢者の「フレイル」予防にも貢献、「新しい生活様式」として(2020年9月23日引用)
サンオータス パーソナルモビリティ WHILL Model C(2020年9月23日引用)
WHILL (プレスリリース)羽田空港国内線第1ターミナルで人搬送自動運転システムの導入が決定~ターミナル内の感染症拡大防止とSocial Distancing対策として、空港における人搬送自動運転パーソナルモビリティ「WHILL自動運転システム」の実用化~(2020年9月21日引用)
日本経済新聞 JAL、自動運転車椅子を世界初の実用化 羽田空港で(2020年9月21日引用)
インプレス 搭乗口まで自動運転。羽田空港に世界初「自動運転パーソナルモビリティ」 (2020年9月21日引用)
マイナビ 羽田空港、感染症の拡大防止として自動運転パーソナルモビリティを導入(2020年9月21日引用)
朝日インタラクティブ 羽田空港、自動運転の「車イス」を世界で初めて正式導入–WHILLが提供、無料で利用可(2020年9月21日引用)
ロボットスタート 【世界初】WHILLが羽田空港に自動運転機能付きパーソナルモビリティの導入を発表 自動運転で搭乗ゲートまで移動 感染症対策にも有効(2020年9月21日引用)
WHILL WHILL Airport Mobility Service at Haneda Airport Japanese subtitles 60s(2020年9月21日引用)
WHILL 近距離モビリティ WHILL(ウィル) Model C2 Lifestyle動画 友人編(2020年9月21日引用)
WHILL 近距離モビリティ WHILL(ウィル) Model C2 機能紹介動画(2020年9月21日引用)
日経BP 「後ろから乗る」電動車いす、ロボット開発のテムザックが発売(2020年9月21日引用)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ロボットベンチャーの創造性がグローバルな国際実証により実用化 株式会社テムザック、株式会社NTTドコモ、九州大学(2020年9月21日引用)
朝日新聞 「ロデム発進!」馬乗り型のロボット車いす、地を駆ける(2020年9月21日引用)
テムザック 新製品紹介 ロデム(2020年9月21日引用)
テムザック ロデム 車いす型ロボット(2020年9月21日引用)
テムザック リリース|『RODEM』第1号を草津総合病院へ納入いたしました(2020年9月21日引用)
テムザック リリース|5Gを活用した、次世代スマートモビリティ「RODEM」の遠隔操作実験を実施(2020年9月21日引用)
テムザック 5Gを活用した、次世代スマートモビリティ「RODEM」の遠隔操作実験を実施 歩道を走るモビリティの自動運転化に向けて実証(2020年9月21日引用)
テムザック リリース|奈良「平城宮跡歴史公園」でRODEMを用いた社会実験がスタートします!(2020年9月21日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。

    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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