入浴介助の負担を機械浴「ジュスト」で軽減!機器の特徴や手順を紹介
寝たきり状態の介護度の高い方は入浴リスクが高く、介助者にかなり負担がかかります。
この記事では、介助者に負担が少なく、利用者が仰臥位のままでもゆったりと入浴できる機械浴「ジュスト」の特徴と入浴手順を紹介します。
目次
寝たまま入浴できる機械浴「ジュスト」の特徴
寝たきり状態の方、特に終末期の利用者には負担をかけないような介助が必要です。
入浴機器「ジュスト」は、担架をスライドしてそのまま浴槽へ移動できるので、利用者や介助者の負担を軽減できます。
●ストレッチャーにステップ台を搭載
ストレッチャーから浴槽に移動するときは、ストレッチャーのステップ台に乗って担架をスライドするだけで軽く移動できます。
ステップ台があるので、浴槽に近づいて体のケアを行えます。
たとえば、手足の拘縮の強い方はお湯から手足が出てしまいますが、手足にかけ湯をしたり手足の拘縮をゆっくりと伸ばしてケアできます。
●手元にあるシャワーで楽に洗髪・洗身介助
浴槽の頭側と足側にハンドシャワーが2つずつ、肩掛けシャワーとして入浴したときに肩に当たる部分に左右2カ所についているので、シャワーを取りやすく洗髪や洗身が手際よく行えます。
ハンドシャワーは手元でお湯の吐出と停止を操作することができます。
●頭部のお湯つかりを防ぐ2段階リクライニングとチルト機構(RA355S)
ジュストのRA355Sは、背もたれが2段階にリクライニングできる機能や足が上がるチルト機構があり、頭部のお湯つかりを防ぎ、安心して入浴できます。
さらに、腰周りと足にベルトをつけて固定し、お湯からの浮き上がりを防ぎます。
●湯温設定や急速給湯機能、時間表示などの便利な機能を搭載
浴槽のお湯の温度が表示されているので、浴槽の湯温が下がったり湯量が減ったりしたときは、給湯や増し湯を温度を設定してお湯を足します。
給湯温度は35~44℃、増し湯温度は25~50℃に設定することができます。
さらに入浴している時間がデジタル表示され、見やすい設計です。
●担架の形状を変えて背中を安定できる(RA355Sのみ)
体位を保つことが不安定な方には、背中部分の左右を上げて安定したポジションを保てます。
サイドフェンスがついているため、側臥位のときに転落するリスクが少なく、安心して髪や体を洗うことができます。
移乗のときは、サイドフェンスを倒して介助します。
入浴機器「ジュスト」の入浴介助の手順
ジュストを利用した場合の入浴手順の一例を紹介します。
2人の介助者で2台の搬送用ストレッチャーを使えば、複数名の利用者を効率よく入浴介助ができます。
●2人で入浴介助をする場合の手順
(搬送用ストレッチャーを2台用意し、それぞれAとBとする)
- 1)入浴の利用者の衣類やタオルなどを準備する
- 2)Aで居室まで利用者を迎えに行く
- 3)脱衣室でAに乗った状態で利用者の上衣や靴下などを脱衣する
- 4)ジュストのストレッチャーに2人の介助者で利用者を移動する
- 5)1人はジュストで入浴介助し、もう1人は次の利用者をBで迎えに行く
- 6)入浴介助するものはジュストのストレッチャー上で利用者の下衣とおむつなどを脱衣する
- 7)利用者の洗髪と洗身を行う
- 8)利用者の体と足を支えるベルトをつけ、持ち手バーを上げて担架を浴槽にスライドし上昇ボタンを押す
- 9)利用者に応じた時間で入浴していただく(かけ湯やケアを行う)
- 10)利用者が浴槽から出るときは、デジタル表示の下降ボタンを押して担架を浴槽からストレッチャーにスライドし、最後に利用者の全身にシャワーをかける
- 11)戻ってきたもう1人の介助者と2人で、おむつとバスタオルを敷いたAに利用者を移動させる
- 12)次の利用者を2人介助でBからジュストのストレッチャーに移動し、同様に入浴介助を行う
- 13)入浴を終えた利用者をAの上で更衣介助する
- 14)Aで居室へ送っていき、次に入浴する利用者を迎えに行く
寝たままの状態で入浴介助をするときの注意点
ジュストで入浴介助をする利用者は、寝たきりの方や座位が取れない介護度の高い方が多いです。
そのため入浴介助は特に注意が必要です。
●入浴中のずり落ちに注意する
入浴中は、目を離したすきにずり落ちて顔がお湯につかり窒息しかねません。
たとえリクライニング機能やチルト機構があっても目を離さないようにしましょう。
●入浴時間や湯温は利用者に応じたものにする
心臓に負担をかけてはいけない方は入浴時間を短くし、血圧の変動に気をつけます。
ぬるめの温度が好きな方は順番を後にして、湯温が少し下がったときに入浴していただくとよいでしょう。
●車椅子誘導の利用者はストレッチャーを低くして移乗介助
車椅子で誘導できる利用者なら、ジュストの電動リモコンでストレッチャーを下げれば、ベッドへの移乗介助と同様に行えます。
バスタオルをストレッチャーに敷いて移乗すると、ストレッチャーに移乗したときに滑り落ちるリスクが減ります。
入浴機器「ジュスト」の導入で、介助者の負担軽減と利用者の快適な入浴を可能にしよう
入浴機器「ジュスト」を活用すると、介助者の腰の負担が軽減され、スムーズに入浴介助が行えます。
利用者は寝たままでお湯につかれるので、リラックスして体が弛緩し、体の芯まで温まります。
介護度の高い方も入浴機器「ジュスト」で快適に入浴していただきませんか。
また、入浴リフト機器の導入は国の助成が利用できるので、詳しくは下の記事をご覧ください。
「既存の浴槽を利用したスライドリフター。受けられる介護福祉機器の助成金」
参考:
OG Wellness 入浴機器Giusto(ジュスト)(2020年9月28日引用)