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訪問看護師はホームヘルパーにこんな情報を求めている

ご利用者に異変が起こったとき、ホームヘルパーのとっさの判断が明暗を分けることもあります。
適切な対応を行うためには訪問看護などの「医療スタッフとの連携」が欠かせません
いざというとき、スムーズな連携を図るためにホームヘルパーはどのような情報を訪問看護師に伝えればよいのか、詳しく解説します。

ひとりでの判断を求められるホームヘルパー

国が在宅介護を推進するなか、厚生労働省(2011年)では、在宅で「経鼻・経管、胃ろう」「喀痰・吸引」「酸素療法」といったケアを必要とする方が多くなっているとの調査結果を発表しました。
これは、訪問医などから診察を受ける高齢者の重度化が進んでいるということです。

現時点で上記のようなケアを受けていない高齢者でも、その多くが薬を飲まれており、服薬時になんらかの介護・介助を必要としている方がほとんどです。
このような背景もあり、生活を支援するホームヘルパーがご利用者の異変に気付く場面も多くなっています
異変があった場合、どのような態勢をとるのかはご利用者と事業者の間で事前に決められています。
一番先に救急車を呼ぶのか、まずはご家族に連絡をとるのか、それとも所属するヘルパーステーションに報告し、指示を仰ぐのかなどです。
しかし、どのタイミングでそうした行動をとるのかは現場にいるホームヘルパーが自分で判断しなければなりません。
救急車を呼ぶべきなのか、様子をみたほうがよいのかなど、医療職ではないホームヘルパーが自己判断することは大変危険です。
そんなとき、心強い存在となるのが訪問看護です。
なにかあったとき、ホームヘルパーは医療従事者に相談したいと考えます。
しかし訪問看護からは「ホームヘルパーはどんな手助けを看護に求めているのか、よくわからない」という声も聞こえてきます。
これは普段、ヘルパーと同時に訪問していないためお互いの活動をよく知らないことも一因です。
ホームヘルパーと訪問看護が連携し、問題を解決するために必要なこととはどんなことでしょうか。

看護師はどうフォローしていいか迷っている

ここでは、実例を挙げてホームヘルパーと訪問看護師との連携方法について考えていきます。
認知症があるご利用者宅にホームヘルパーが訪問したときのことです。
ご利用者が数日分の薬をまとめて飲まれているのを発見しました。
しかし、いつ飲まれたのかがはっきりしません。
受け答えはいつもと変わらないようですが、歩行の際ふらついているような印象を受けました。
ホームヘルパーは、いますぐ自分がとるべき行動はなにか、その判断に迷いました。
認知症があっても独居の方など、薬の管理に工夫が必要となるケースは多く、こうした場面にホームヘルパーはよく居合わせます。
防止策として、薬はご利用者の目に触れにくいところに置くなどしているのですが、それでもこうした事例はなくなりません。
この場合、ホームヘルパーは訪問看護に連絡をとり、どう対応すればよいのかを相談することがあります。
しかし看護からは緊急コールで状況の説明を受けても、「ホームヘルパーが看護になにを望んでいるのか、わからないことが多い」というのです。
ホームヘルパーから連絡を受けたとき、訪問看護師側が知りたいと思う情報は以下のようなことです。

  • ●すぐに看護に現場へ来てほしいのか
  • ●救急車を要請したら良いのかの判断が欲しいのか
  • ●現場でホームヘルパーがとるべき行動の指示がほしいのか

これに対し、ご利用者の異変に動揺しているホームヘルパー側は、以下のようなことを考え混乱しています

  • 「もしものことがあったらどうしよう」
  • 「次のお宅への訪問はどうすべきか」
  • 「事務所に連絡しなければ」

しかし、看護師がホームヘルパーとうまくコミュニケーションが取れないと適切な対応をとることも指示をすることも難しくなります。
こうした連携の不具合を減らし、スムーズな対応を行うためには、なにが必要でしょうか。
次は、ホームヘルパーと看護師の適切な連携方法についてお伝えします。

適切な連携を行うために

ご利用者の異変を早い時期に察知し、適切な対応をとるには、まずホームヘルパー側に「報連相」を徹底することが大切です。
報連相、すなわち「報告」「連絡」「相談」のことです
現在、どんな状況下なのか「報告」し、サービス提供責任者やご家族に「連絡」を行い、訪問看護などに対応を「相談」するちからです。
これを徹底するためには、まずはホームヘルパーのなかにある「意識」を変えていくことが重要です。
具体的にみていきましょう。

  • ●「このぐらいなら大丈夫」と自己判断しない
  • ●日頃から緊急時にどう自分が対応したらよいのか、確認(シミュレーション)しておく
  • ●連絡するときは「誰にどう助けてほしいのか」をはっきり伝える
  • ●次の訪問が控えているなど、自分の状況も忘れずに伝える
  • ●一連のことを記録に残せるよう、異変を発見したときの時刻や状況を書き留めておく

これらを意識することはもとより、高齢者の体調は変化しやすいということを常に念頭においておくことが肝要なのです。

こうした意識をもって、普段のケアに臨むことが「冷静な連絡伝達と適切な連携」につながっていくのです。
ホームヘルパーはご利用者への訪問回数が多いので、生活面での情報を一番詳しく知っている存在でもあります。
そのため「いつもは○○だが、今は△△で様子が違う」といったご利用者の小さな異変にも気付くことが可能なのです。
そして、ホームヘルパーが「気づいた変化」こそが、訪問看護師などの医療職が適切な判断をするために「必要な情報」となるのです。

重要さを増す在宅での多職種との連携

自宅で過ごす高齢者の暮らしは多様化しています。
がん末期であっても、急変時に病院への搬送を拒否し、自宅での看取りを望む方などはその一例といえるでしょう。
ご利用者の生活に寄り添うホームヘルパーは、ご利用者の普段の姿から「こう暮らしたい」という希望をくみ取れる存在でもあります。
いざというとき、ご利用者の希望を訪問看護師に伝えることも、大切な連携といえるでしょう。

参考:
開局薬剤師が関わる在宅医療の 現状と今後の医療計画について(厚生労働省・日本薬剤師会)(2018年5月29日引用)
職場のコミュニケーション力(ワムネット 独立行政法人福祉医療機構)(2018年5月29日引用)

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