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介護福祉士に求められるアセスメント力~苦手を克服しておこう

介護過程の中で、重要なのがアセスメント力です。
しかし、アセスメントを苦手と感じている介護福祉士も多いようです。
そこで今回は、介護福祉士にとって必要なアセスメントスキルの基本ポイントについてご紹介します。

介護業界におけるアセスメントの意味や役割は重要になっていく

アセスメントはケアを受ける方にとって解決するべき課題が何なのかを明らかにするためのステップです。
近年、介護ニーズが多様化し、また複雑化しています。
このことへの対応を考えると個別ケアの適切な実践がより求められます。
介護業界では、介護過程の一番最初に行われるのがアセスメントとされています。
そしてその個別ケアを行うために重要とされているのがアセスメント力です。
アセスメントを行う際には、国が定めた23項目を基本に聞き取りを行います。
生年月日や生活歴などの基本情報に関する9項目のほかに、健康状態やADLに関する項目、認知能力などの課題分析に関する14項目があります。
日常の介護過程においては、ケアを受ける方の心身の状況に関するアセスメント項目がよりもとめられがちです。
しかし、これからの介護福祉士に求められているのは、日々の生活に直結する情報の収集だけではありません。
本人の生活の場である地域や集団との関わりも、アセスメントには重要です。
なぜなら、認知症高齢者の増加に伴い、地域とのつながりを重要視する支援へと変化しているからです。
地域との関わりを保つことが閉じこもりを防止し、認知症の発症リスクを低くしたり、進行の予防に役立つとされています。
このため、地域社会とのつながりを意識したケアプランを立てることが求められます。
そのケアプラン作成のために、地域との関わりについて知る必要があるのです。
介護福祉士は、認知症高齢者の増加に伴う認知症ケアを担う専門家としての役割も求められるため、これらも意識しなくてはいけません。

アセスメントを行う際に押さえておきたいポイントは3つ

アセスメントは奥が深く、難しいステップではあります。
アセスメントの本質は主観的情報と客観的情報を互いに裏付けながら解決するべき課題を分析することです。
そこでまず押さえていただきたいポイントは3つです。

  • ●できるかぎり多くの情報源から客観的情報を集めること
  • ●主観的情報は日常のケアの中からも得られるようにすること
  • ●相手へのヒアリングの際は形式的になり過ぎないようにすること

主観的な情報とは、利用者本人から得られる情報です。
そして、客観的な情報は利用者に関わる方(家族やかかりつけ医・ケアマネジャーなど)から得られる情報のことをいいます。
ケアプランは本人の希望や思いを汲み取って作成します。
ただし、本人から得られる情報だけでは十分ではありません。
本人がなにに困っているのかという自覚がなかったり、家族が困っていることに本人の自覚がなかったりすることもあります。
また、病気についての情報に関してはかかりつけ医からの情報は必要不可欠です。
このように、ケアプランを作成するに当たっては客観的な情報も役立てることができるのです。
また形式的になり過ぎないでいただきたいことにも理由があります。
アセスメントに慣れていないと、形式的に決められた項目を順番に聞き取ろうとしてしまいがちです。
そうすることで、ほかの項目で一度聞いた情報について重複していることに気付かずに再度尋ねてしまったり、時間がかかり過ぎて相手を疲れさせてしまうことがあります。
アセスメントに悪いイメージを持たれてしまわないためにも、相手の負担にならないようにしましょう。
では、それぞれについて聞き取りの際のポイントとなる部分をご紹介していきます。

●できるかぎり多くの情報源から客観的情報を集めること

利用者さんに関する客観的な情報は、

  • ○家族
  • ○かかりつけ医

などから得られます。
特に今後求められるとされる、社会的なつながりについての情報は、地域で関わりを持ってくれた方から情報を得なければならないことがあります。
一人暮らしで認知症の症状がある方などの場合です。
地域での関わりについての情報は

  • ○民生委員
  • ○社会福祉協議会の地域福祉担当者

などが知っていることもあります。
利用者さんの地域での暮らしが見えてこない場合は、上記の方々に確認してみてください。
どのようにコンタクトを取ればよいのかわからない場合もあるでしょう。
その際は、担当ケアマネジャーに確認してみましょう。
ケアマネジャーもアセスメントは行なっていますので、その際の情報源を教えてもらうことができます

●主観的情報は日常のケアの中からも得られるようにすること

利用者さん自身から得られる主観的な情報は、初回アセスメントの際に得られる情報だけではありません。
日常的な会話の中から聞き取ることもできます。

  • ○足腰が弱ることが不安
  • ○孫と遊んであげたい

といった愚痴のような訴えや希望は、ケアに生かしていくことができる内容です。
ただ、忙しい業務の中ではこれを聞き流してしまうこともあります。
そうならないために、アセスメント項目に当てはめてみることが大切です。
アセスメントシートなどにその方の情報として追記していくといいでしょう。
そうすることで、聞き取った情報を今後のケア計画作成時に役立てることができます。

●相手へのヒアリングの際は形式的になり過ぎないようにすること

形式的に行い過ぎて相手を疲れさせてしまったりしないように、ヒアリングを行う際は、事前にわかっている情報以外に必要な情報をピックアップしておきましょう。
たとえば、利用者さんから聞き取りを行う前に、主治医の意見書で心身の状態を確認したり、家族にこれまでの生活歴を聞いておくことが可能です。
その上で、利用者さん本人には一番困っている体の不調について確認したり、家族の知らないような幼い頃のことについて聞いてみるといいでしょう。
また、時間がかかり過ぎるのであれば、思い切って途中で切り上げる判断も必要です。
聞き取れなかったことについては、ケア中の会話で聞き取れるように意識しておくなどの工夫をしてみてください。

アセスメントの第一歩は介護者側から積極的に声掛けを行うこと

アセスメントでは相手の話を引き出すことが必要になります。
そのためにまずは介護者側から積極的に声掛けを行いましょう。
積極的に話しかけて引き出すことができた情報を、次のケア計画作成に役立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考:
厚生労働省 介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて.(2018年8月24日引用)
厚生労働省 介護人材の機能とキャリアパスについて.(2018年8月24日引用)
厚生労働省 介護人材の機能に応じた育成のあり方について.(2018年8月24日引用)
笠原幸子 ケアワーカーのアセスメントに関する研究-高齢者施設での質的調査をもとに-.(2018年8月24日引用)
健康長寿ネット 高齢者の地域社会の関わり.(2018年8月24日引用)
wam net アセスメント.(2018年8月24日引用)

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