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2019年10月に介護報酬改定!技能や経験ある介護職員に朗報

2019年10月には、消費税が8%から10%に引き上げられます。
それとともに介護報酬も引き上げがなされます。
今回の介護報酬改定では、介護報酬が引き上げられるとともに経験ある介護福祉士がいる事業所に新加算がつくことになりました。
2018年12月に行われた社会保障審議会介護給付分科会での審議報告をもとに、2019年10月の介護報酬の改定内容を詳しく解説します。

“2019年10月、消費税増税とともに介護報酬も改定”

2019年10月介護報酬改定内容とは?

介護報酬改定では、消費税が10%に引き上げられることを踏まえて、介護報酬も引き上げが決まりました。
さらに、新しい介護職員処遇改善加算の創設がなされる予定です。

●介護報酬のプラス改定

2019年10月に消費税が引き上げられると、公的介護費用は消費税が非課税のため、介護事業所や施設が物品などを購入した際に支払う費用を事業所が負担しなくてはなりません。
すると、事業所の経営に影響します。
介護事業所や施設の負担を補填するために介護報酬のプラス改定がなされることに決まりました。
引き上げられる介護報酬率は+0.39%で、補足給付における基準費用額の引き上げ分に国費が別に7億円投じられます。

●施設の基準費用額の引き上げ

負担限度額は据え置きで、居住費や食費の標準的な費用の額である基準費用額との差額を特定入所者介護サービス費として給付される補足給付が引き上げられます。

●経験や技能のある介護職員の処遇改善を図る

「新しい経済政策パッケージ」では、同一介護事業所で10年以上勤続している介護福祉士を月額平均8万円以上の処遇改善を行います。
さらに、ほかの介護職員などの処遇改善にもこの処遇改善の収入を当てられるように柔軟な運用をすることとしています。
そのために国は、公費として1,000億円を投じる予定です。さらに、残りの半分は介護保険料と利用者の自己負担分が当てられます。

●介護職員処遇改善加算の見直し

報酬体系を簡素化するために、加算される単位数が減算される介護職員処遇改善加算ⅣとⅤは算定率が低く、改正により廃止する方向です。
廃止の際は、一定の経過措置期間を設けるとされています。

さらなる処遇改善加算とは?

今回の介護報酬改定での大きな変更は、「介護職員等特定処遇改善加算」が新たに創設されることです。
この賃上げは介護職員の人手不足の解消のために、長年同じ事業所や施設で働いているベテランの介護職員が離職しないようにすることと、10年以内の介護職員が介護福祉士にキャリアアップすることが狙いです。

●介護職員等特定処遇改善加算の算定要件

介護職員等特定処遇改善加算を算定するには、次の要件を満たすことが必要です。

  1. 1)処遇改善加算のⅠ、Ⅱ、Ⅲのいずれかを取得していること
  2. 2)処遇改善加算の職場環境要件の取り組みを複数回行っていること
  3. 3)処遇改善の取り組みを見える化していること(ホームページや情報公開制度などへの掲載)
  4. 4)賃上げ改善・計画の実施期間や実施方法などを記した「特定処遇改善計画書」を作成して、全職員に周知し、都道府県に届け出なくてはならない

この加算は、訪問リハビリテーション、訪問看護、居宅介護支援、福祉用具貸与は対象に含まれません。
特定処遇改善加算は、介護福祉士の人数を多く配置して質の高い事業所に、原資が多くなるように算定しています。

●介護職員等特定処遇改善加算の加算率

新しい処遇改善加算の加算率はサービス体系によって異なり、その事業所や施設の勤続10年以上の介護福祉士の在籍状況によっても加算率が違います。
加算率は、勤続10年以上の介護福祉士の人数に8万円を乗じ、それを各サービスの費用額で除して計算します。

加算率=(勤続10年以上の介護福祉士の人数×8万円)÷各サービスの費用額

●2段階の介護職員等特定処遇改善加算

特定処遇改善加算はⅠとⅡに分けられ、特定処遇改善加算Ⅱはサービスごとに1段階として加算率計算し、それに0.9を乗じて計算します
たとえば、訪問介護なら特定処遇改善加算Ⅰは6.3%・Ⅱは4.2%、特別養護老人ホームの特定処遇改善加算Ⅰは2.7%・Ⅱは2.3%、グループホームの特定処遇改善加算Ⅰは3.1%・Ⅱは2.3%です。

●介護職員等特定処遇改善加算Ⅰの算定要件

Ⅰの算定要件は、上記の算定要件にさらに要件が加わります。
上記の算定要件を満たしていても下記の算定要件のいずれかを満たしていない場合は特定処遇改善加算Ⅱしか算定できません。

  1. 1)特定事業所加算
  2. 2)日常生活継続支援加算
  3. 3)サービス提供体制強化加算(最も高い区分である加算Ⅰイのみ)
  4. 4)入居継続支援加算

●事業所内で、どのように配分するか

今回の改定で特に重視されたのは基本的には10年以上勤務する介護福祉士ですが、現場を指揮するリーダー級の介護職員の処遇改善をすることが目的です。
介護福祉士を持っていなくてもこれに該当する場合は、10年以上の介護職員と同じように高い評価が得られます。

また、次の点も取り決めがなされました。

  1. 1)月額8万円以上の賃上げとなる人
  2. 2)賃上げ後に年収が440万円以上を超える人を確保しなくてはならない
  3. 3)経験・技能を持つ介護職員の賃上げ額の平均は、そのほかの介護職員の賃上げ額の平均の2倍以上である
  4. 4)そのほかの職種の賃上げ額の平均は、そのほかの介護職員の賃上げ額の平均の1/2を超えてはならない

厚労省は、今後、各事業所の取り組みを評価できる方法さらに検討していくとしています。

まとめ

介護報酬の改定は2019年10月から実施されます。
その内容は次の点にまとめられます。

  1. 1)介護報酬のプラス改定
  2. 2)施設の補足給付の引き上げ
  3. 3)介護職員等特定処遇改善加算の創設v
  4. 4)介護職員処遇改善加算の見直し

新しい処遇改善加算は、介護事業所に10年以上勤めている介護福祉士やリーダー級の介護職員の処遇が改善されることです。
さらに、介護職員の離職を防止し、人材不足の解消と介護職員になる人材を確保することが狙いです。
今後、厚労省はQ&Aなどを出すように検討を進めています。

参考:
厚生労働省 2019年度介護報酬改定について.(2019年2月20日引用)
社会保障審議会介護給付費分科会 2019年度介護報酬改定に関する審議報告.(2019年2月20日引用)

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