介護・高齢者施設が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

医療従事者向け 介護プラス

知っておきたい若年性認知症への支援と若年性認知症支援コーディネーターの役割

65歳未満の人が認知症を発症した場合、若年性認知症とされます。
一般に発症年齢が多いのは50代以上の中高年で、女性よりも男性に多く見られます。
まだ働かなくてはいけない時期の認知症の発症は、本人だけでなく身近な人にも衝撃を与えます。
若年性認知症が増えていることから、国は「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト(以下プロジェクト)」を設立し、各自治体に認知症コーディネーターを配置し、窓口で種々の相談を受けています。
ここではどんな支援を受けられるか、またコーディネーターの役割は何か、などを解説していきます。

知っておきたい若年性認知症への支援

若年性認知症と診断された場合に受けられる支援

2009年の厚生労働省の調べによると、18歳から65歳未満の若年性認知症を発症した人は全国で約3万8千人、発症率は約0.05%になります。
そのためプロジェクトでは若年性認知症の方が医療的、経済的な支援、障害福祉サービスや介護サービスによる支援などを受けられるように整備しています。

●医療費負担を重いと感じたら

若年性認知症と診断された場合、経済的な負担を軽減するために、「自立支援医療」制度が設けられています。
所得がある方なら、病院や診療所の外来診療費、薬代、デイケア費用、訪問看護などの3割負担が1割負担に軽減されます。
負担が重くならないよう、次の図のように上限を設けています。

医療費負担を重いと感じたら

●仕事ができないために経済的に苦しくなったら

仕事ができないために経済的に苦しくなったら

認知症が軽度の場合は障害者枠で仕事を続けることは可能ですが、重度の若年性認知症になると、仕事を継続することが困難になります。
その場合は以下の支援が受けられます。

1)生活保護費を受給する

認知症が進み症状が重くなり、仕事を継続することが困難になった場合、市区町村の福祉課などに申請します。生活保護を受けると、病院の通院、入院の医療費、薬代や介護費用の自己負担分は無料となります。

2)障害年金を受ける

等級により支給されている金額が異なりますが、国民年金に加入されている方は障害基礎年金が、厚生年金に加入されている方は障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せして支給されます。

3)精神障害者保健福祉手帳あるいは身体障害者手帳を取得する

若年性認知症と診断され、初診から6カ月以上経つと精神障害者保健福祉手帳、あるいは身体に著しく障害がある場合は身体障害者手帳が交付されます。
交付されると、税金が控除または減免され、公共交通機関や公共施設の割引、NHKの受信料の割引(条件に当てはまる場合)が受けられます。

4)高額療養費を受給する

1カ月間の医療費の自己負担分が一定額以上なら、超えた金額分があとから戻ります。前もって限度額適用認定証を提出すると、自己負担限度額以内の金額で治療できます。

5)高額介護サービス費を受給する

介護サービスを受けて1カ月の同一世帯の自己負担分合計が一定額以上の場合、超えた金額が戻ってきます。

6)高額医療・高額介護合算療養費を受給する

1年間で医療保険と介護保険の両方を利用して自己負担分が合算して一定額以上を超えた場合は、その分の金額が戻ります。

●仕事をしている方が受けられるのは?

健康保険に加入している方が、若年性認知症の原因により仕事を休まなくてはならなくなった場合「傷病手当」を受給することができます
会社などで社会保険に入っている方が、認知症と診断され仕事ができなくなった場合は、4日目から最長1年6カ月まで給与の一部か全額が支給されます。

●実際の援助を受けたいなら

1)障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを受ける

身体や知的障害、精神疾患などで、日常生活が難しくなった方を支援するサービスです。
就労したい方は、障害福祉サービスの就労継続支援事業所(一般就労に近いA型かリハビリを目的とした就労のB型)で働くことができます。
また、グループホームで共同生活する選択もあります。
ほかにはヘルパーと共に外出したり、ショートステイを利用できたり、自宅で入浴や食事をヘルパーが援助したりする介護給付サービスなどを受けられます。

2)介護保険法に基づく介護サービスを受ける

若年性認知症と診断され要介護認定が下りると、介護保険サービスを受けられます。
サービス内容はヘルパーが身の回りのお世話をする在宅サービス、デイサービスなどの通所サービス、グループホームなどの施設サービスがあります。

各自治体に設置された若年性認知症支援コーディネーターの役割

各自治体に設置された若年性認知症支援コーディネーターの役割

プロジェクトでは若年性認知症の支援のために、各自治体の社会福祉協議会などに若年性認知症支援コーディネーターを2019年末までに設置することとしました。
本人の悩みや身近な人が若年性認知症で困っていること、支援方法などを相談できます。

●若年性認知症支援コーディネーターの役割

若年性認知症支援コーディネーターは、本人や家族、職場の上司などから、若年性認知症についての相談を受けています。
相談者の悩みを解決するために、医療機関や自治体、地域包括支援センター、障害者福祉サービスなどの各機関と連携して、若年性認知症の方の経済支援の窓口、医療機関、さまざまなサービスの紹介と調整を行います。
また自宅を訪問して状況の把握を行い、本人と家族が安心して暮らせるよう支援も行います。
就労を続けたいと考えている方には、会社と勤務時間の調整を行ったり、障害者枠で就労できるように調整するなど、継続して仕事をするか再就職できるように支援を行います。

若年性認知症になっても支援を受けて安心して暮らそう

もし自分が若年性認知症と診断されたら、もし身近な人が若年性認知症で悩んでいたら、自治体に設置している若年性認知症支援コーディネーターの窓口に相談しましょう。
専門家からどのようにしたらいいか助言や支援を受けられます。
認知症コーディネーターはいろいろな情報を提供し、それぞれの機関とコーディネートしてよい解決策を探します。
若年性認知症と診断されても、医療的な支援や経済的支援、就労支援などがあるので、支援を受けて安心して暮らせるようにしましょう。

参考:
みんなのメンタルヘルス総合サイト.(2019年4月23日引用)
日本年金機構 障害年金.(2019年4月23日引用)
全国健康保険協会 医療費が高額になりそうなとき.(2019年4月23日引用)
厚生労働省 高額医療・高額介護合算療養費制度について.(2019年4月23日引用)
厚生労働省 若年性認知症ハンドブック.(2019年4月23日引用)
全国若年性認知症支援センター 若年性認知症支援に関する相談窓口.(2019年4月23日引用)
http://y-ninchisyotel.net/callcenter/linkbanner.html(2019年4月23日引用)

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)