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増えているペット可の高齢者施設!高齢者に与える癒やし効果

ペットの需要が増えるにつれ、高齢になって施設に入所するときにペットをどうするかという課題が出てきます。
かわいがってきたペットと離れることは、非常につらいことです。
それほど、ペットは高齢者を癒やす効果があるのです。
ペット可の高齢者施設はまだ少ないですが、現在少しずつ増えています。

増えているペット可の高齢者施設

ペットが高齢者に与える癒やし効果

ペットが高齢者に与える癒やし効果

動物が人に与える効果に注目し、近年では動物を用いた治療が行われています。
それをアニマルセラピーといいます。

●ペットによる療法とは

動物には人を癒やす力があります。
古くは、古代ローマ時代に、戦争で負傷した兵士のリハビリに乗馬が行われていたといわれています。
国際的にはアニマルセラピーはペットと触れ合う AAA=Animal Assisted Activity(動物介在活動)、専門家が訓練された動物を使って行う療法 AAT=Animal Assisted Therapy(動物介在療法)、動物と関わることで子どもの心の発達を促し弱い者への思いやりの心を育む AAE=Animal Assisted Education(動物介在教育)に分けられます。
一般に日本でのアニマルセラピーはAAAが行われており、欧米諸国のようにAATは普及していません。
海外での研究では、AATで人が動物と触れ合うことにより、心身ともに高い効果があると実証されています。

●AAAやAATによって高齢者に見られた癒やし効果

メルボルン大学のチームがドイツ、オーストラリア、中国でペットを飼っている人と飼っていない人に対する調査で通院回数を調べました。
その結果、ペットを飼っている家庭のほうがドイツでは約7,547億円、オーストラリアでは約3,088億円の医療費が少なかったと伝えています。(出典:Nursing-plaza.com「太田光明 動物を治療に介在させる「アニマルセラピーとは」)
人が動物と触れ合うことで、その人が抱えるストレスを軽減し、口数の少ない人がよく話をするようになり、笑顔が増えます。
ヒトー動物結合研究所(the Human-Animal Bond Research Institute)の調査では、ペットを飼っている人の74%がペットを飼うことで不安な気持ちを減らし、精神が安定してうつ病患者の気分が改善すると実証しています。
また、バッファロー大学が行った研究によると、ペットを飼っている人のほうが強いストレスを受けても血圧が低いという報告がなされています。
入院中の心臓発作患者の研究ではペットを飼っている患者の1年以内の死亡率が6%と、飼っていない患者の死亡率よりも22%も低いという結果でした。
さらに、犬と歩いたり、活動することで運動機能が向上し、活動的になります。
ペットと話をすることで、無口な人に会話が増えています。
また、ペットがほかの人と話す機会を増やし、社会的な活動に参加する意欲をも増します。
認知症が改善することもあります。
このように、AAAやAATによってQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)が向上し、社会性が増すことが期待できます。

運営者がペット可の高齢者施設にするための課題

運営者がペット可の高齢者施設にするための課題

最近では、ニーズに応えてペット可の高齢者施設が少しずつ増えてきました。
なぜなら、ペットを飼っている高齢者が増えていることや、家族同様にかわいがってきたペットと離れたくないと感じている方が多いことなど、ペットが高齢者の生きがいとなっているからです。
しかし、ペット可の高齢者施設にするためには、さまざまな課題があります。
ある程度ペット用の設備を整えなければ、入居希望の対象から外れるかもしれません。
特に、犬や猫の場合は、設備面、衛生面、ペットの大きさや種類、しつけの面、世話の在り方で規約をどうするかが運営する側の大きな課題です。
その課題を克服した施設がペット可の高齢者施設の中で唯一の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」です。
そこでは、10ユニットのうち2つが犬と暮らせる「ワンズユニット」、2つが猫と暮らせる「ニャンズユニット」です。
動物たちはユニット内を自由に動き回り、ほかの入所者とも仲良しです。
最期までペットと過ごすことで心の平安を得て、幸せな施設生活を送っています。
利用者のニーズを考えて、入所者にベストクオリティライフを送ってほしいという運営者の思いが強いがゆえに実現した、ペット可の高齢者施設です。

ペット可の高齢者施設の特徴

ペット可の高齢者施設により、設備面、料金、規約が異なります。
一般にペット可の高齢者施設には、次の特徴が見られます。

●ペット用の設備の有無

ペット可の高齢者施設は、ドッグラン、ペット用の足の洗い場や猫が住めるように改造した部屋などを整えています
施設によって異なりますが、ペットがいる入所者とペットがいない入所者のスペースを階やユニットで分けています。

●ペット同伴入居の場合の管理費用や保証金の有無

ペット可の施設では、動物飼育管理費や保証金などが必要です。
特別養護老人ホームや有料老人ホームは、入居して食事や排せつなど身の回りのお世話を受ける施設なので、一般的に動物管理費用を別途必要としています。
サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅なので、毎月の賃貸料のほかに動物を飼う場合は敷金や保証金が別途必要な場合があります。

●入居者の亡きあとペットはどうなるのか

入居者が亡くなられてもペットを最期までみてくれる施設がありますが、ほとんどは保証人や家族が引き取ることやNPO法人やペット信託制度を利用しています。

●しつけがされていないペットの入居は不可

基本的に犬がよく吠えるなどしつけがなされていないペットは入居不可です。
また、ペットの種類や大きさにも制限があります。

●ペットの世話は誰がするのか

特養や有料老人ホームの場合は、職員がペットの世話をする場合がありますが、サ―ビス付き高齢者向け住宅では基本的にペットの世話は高齢者ご自身でします。
動物の世話をするボランティアを入れている施設や有料の通院サービスを行っているところもあります。

ペット可の老人ホームは今後も増える見通し

ペット可の老人ホームは今後も増える見通し

家でずっと飼っていたペットを置いて老人ホームへ入居すると、残したペットのことが気になって、置いてきたことを最期まで悔いている方もいます。
その点、ペットと一緒に入所できる高齢者施設は安心です。
何よりも、ペットがいると、高齢者の生きがいやストレスの軽減、病気の緩和などの効果が期待できます。
今後は、ペットを飼っている世代が高齢者になるので、ペット可の老人ホームのニーズが増えていく見通しです。
「ペット可 老人ホーム」で検索すると、全国のペット可の老人ホームが探せるサイトがあるので、ホームページの確認をしたり施設へ問合せてみたりしてはいかがでしょうか。

参考:
PEDGE 今話題、ペット可サービス付き高齢者向け住宅とは?.(2019年5月22日引用)
シニアとペット笑顔生活.(2019年5月22日引用)
アニマルセラピーとは.(2019年5月22日引用)
全国でも珍しい!ペットと暮らせる特別養護老人ホーム『さくらの里山科』.(2019年5月22日引用)
Nursing-plaza.com「太田光明 動物を治療に介在させる「アニマルセラピーとは」.(2019年5月22日引用)
Daiwa ワールドヘルスリポート.(2019年5月22日引用)
How Pets Help Manage Depression.(2019年5月22日引用)

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