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70歳まで雇用を延長!介護の仕事で70歳まで雇用できる?雇用率が高い仕事とは

企業には65歳まで雇用する義務がありますが、政府は生涯現役社会を実現するために、希望者には70歳まで働けるよう企業に整備するように求めています。
では、キツイと言われている介護の仕事で、70歳まで雇用することができるのでしょうか。
政府は、65歳以上の雇用を促進する努力をした事業主に助成金を給付しています。
70歳まで介護関係の仕事に就くことができるのなら、今後高齢者が増えても、介護人材不足に対応できます。

65歳以上でも働きやすい介護関係の仕事を紹介

介護現場で働く職員の平均年齢は?70歳まで働くことは可能?

介護現場では、訪問介護員、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、事務員、サービス提供責任者、管理者、看護師、介護職員、調理師、調理補助、栄養士、清掃に携わる職員、生活相談員、PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)など、さまざまな職種が関わっています。
2019年の介護労働実態調査を基に調べてみました。

●介護関係の仕事に携わる人の平均年齢

在宅介護や施設職員の平均年齢を見てみましょう。

職種 平均年齢
訪問介護員 48.9歳
介護職員 45.1歳
看護職員 50.1歳
介護支援専門員(ケアマネジャー) 49.8歳
生活相談員や支援相談員 44.1歳
PT・OT・ST 39.4歳
栄養士(管理栄養士も含む) 40.3歳
その他 46.7歳

この表から、介護関係の仕事で働く人は、40代が多いことがわかります。

●介護労働者の年齢別割合

また、介護労働者を年齢別に見ると、65歳以上が12.2%と全体の1割に上ります。

介護労働者の年齢 ~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~64歳 65歳以上
割合 0.4% 9.2% 18.7% 25.1% 22.2% 9.4% 12.2%

2014年が17.4%、2015年が18.9%、2016年が19.9%、2017年が20.9%、2018年が21.6%と、60歳以上の介護労働者の人数は増加傾向にあります。
特に、訪問介護員や看護師、介護支援専門員の仕事をしている人は、年齢が高い傾向です。

●訪問介護員と介護職員の年齢別割合

訪問介護員と介護職員の年齢別割合

介護労働調査結果によると、訪問介護員は65歳以上70歳未満が14.7%と最も高い割合で、施設の介護職員は40歳以上45歳未満が12.5%と最も高い割合です。

~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~64歳 65~69歳 70歳以上
訪問介護員 0.2% 4.0% 9.5% 19.2% 24.3% 14.0% 14.7% 10.5%
介護職員 0.7% 13.7% 22.1% 24.3% 20.1% 8.0% 6.0% 3.3%

訪問介護員として働いている人の年齢は、60代が26.7%も占めており70歳以上も1割の人が働いています。
このように、介護関係の仕事は、65歳以上の人も多く働いています。

65歳超雇用推進助成金制度について

65歳超雇用推進助成金制度について

助成金の趣旨は、高年齢になっても能力と意欲があれば働くことができる社会を目的としています。

●65歳超継続雇用促進コース

労働協約あるいは就業規則で、①65歳以上への定年引き上げ、②定年の定めの廃止、③希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入、のいずれかを実施した場合に1事業主に1回限り助成金が支給されます
支給申請日の前日において、事業所に1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いることなどが条件です。
支給額は人数や①~③の要件によって異なります。
たとえば、②の定年の定めの廃止を実施した場合、60歳以上の被保険者数が1~2人なら20万円、3~9人なら120万円、10人以上なら160万円が支給されます。

●高年齢者無期雇用転換コース

50歳以上の有期契約や定年年齢に満たない有期雇用労働者を無期雇用労働者への転換を実施した場合に受給できる助成金です。
助成額は、中小企業が48万円(60万円)、中小企業以外は38万円(48万円)です。
()内は生産要件を満たした場合の額です。

●高年齢者評価制度雇用管理改善コース

高年齢者の雇用管理制度の整備計画を作成して認定を受け、就業規則あるいは労働協約に定めて、計画に沿って雇用管理制度の整備措置を実施した場合に受給できます。
助成額は、雇用管理制度の整備等の実施に要した経費の額に助成率を乗じた額が支給されます。

65歳以上でも働きやすい介護関係の仕事とは

65歳以上でも仕事をしたいと考えている高年齢者は増えつつあり、実際に介護関係の仕事で65歳以上でも仕事をしている人が年々増えています。
では、高年齢になっても働いている人の業務内容を見てみましょう。

●訪問介護員

訪問介護員の仕事は、身体介護と生活援助、複合サービスの3種類の仕事があります。
高年齢の人は、登録ヘルパーとして生活援助のみの仕事に携わっている人が多いです。
業務内容は、掃除、洗濯、調理、見守り、薬の受け取り、買い物代行などです。

●介護施設の調理補助

介護施設の調理補助

介護施設の厨房には委託業者が入っていることが多く、栄養士や調理師、調理員が仕事をしています。
委託業者の場合、雇用は委託業者がしています。
介護施設の調理補助の仕事は65歳以上の人が活躍できる場所です。

●介護支援専門員

介護支援専門員の資格を取る人は、介護福祉士の資格を取得後に取るケースが多く、実際の介護現場に出て活躍してきた人です。
介護支援専門員は経験を生かして、70歳を過ぎても仕事をしている人もいます。

●清掃の仕事

清掃の仕事

一般に、清掃の仕事は65歳以上になっても雇用率が高いです。
清掃の仕事は、70代以上の人も働いています。
ある施設の募集には、65歳以上のシニア歓迎、60代・70代の方が活躍中とあります。

●デイサービスや施設の運転手

デイサービスや施設の運転手

デイサービスや施設では、送り迎えや外出時にのみ、雇われているシニアの運転手がいます。
運転が上手な人なら、70歳まで運転手として雇用できます。

意欲があるなら70歳まで介護の仕事で雇用することはできる

65歳の定年を迎えて、定年後にすることがなく認知症になったという話はよく聞きます。介護の仕事で70歳まで働いている人は1割もいて、現役であることに生きがいを感じている人もいます。
元気で意欲がある高年齢者なら、70歳まで介護関係の仕事で雇用することができます。
シニアの人を雇用することで、仕事を分担し介護人材不足にも対応できるでしょう。

参考:
介護労働安定センター 平成30年度介護労働実態調査結果について.(2019年12月11日引用)
厚生労働省 65歳超雇用推進助成金.(2019年12月11日引用)
厚生労働省 「65歳超雇用推進助成金」のご案内.(2019年12月11日引用)

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