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高齢者施設での入居者同士のトラブルにどう対処する?さまざまな事例の対応策

高齢者施設内で暮らしている入居者は、それぞれ個性を持ち、これまでの生活の背景も異なります。
認知症が進行している方や、いくつかの疾患を抱えている方もいます。
小さなもめごとから、大きなトラブルまでさまざまなことが起こります。
しかし対応の仕方次第で、トラブルに発展させないこともできます。
日常に起こる入居者同士のトラブルに対処する方法をご紹介します。

入居者同士のトラブル対処法

入居者同士のトラブルは、最悪の場合施設を退去することも

入居者同士のトラブルは、最悪の場合施設を退去することも

同じ施設内で生活するので、入居者同士のいさかいはときどき起こります。
ほとんどのケースは、職員の適切な対応や食事の席の変更などで解決しますが、ときには大きなトラブルになることもあります。
たとえば、入居者がほかの入居者と仲が悪く、暴力をふるうケースがあります。
そんなときはトラブルに発展しそうな入居者同士は席を離して、トラブルになりにくい環境をつくります。
しかし、それでもトラブルが収まらない場合もあります。
もし入居者同士がけんかとなり、けがをさせることが頻繁に起こるなら、ほかの入居者の安全のために、けがをさせた入居者に退去していただくケースもあります。

入居者同士のトラブルの例と解決策

ここでは入居者同士のよくあるトラブルに対する対応策を紹介していきます。

●認知症の入居者がほかの入居者に暴言を吐く

認知症になると、理性で感情を抑えられずストレートに言葉に出すので、ほかの入居者とトラブルになることがあります。

【事例1】

事例1

ある女性の入居者が特定の入居者にいつも「ブスと言った」とか「ジーっと見た」「私は嫌われている」などと言うことがあります。
両者とも認知症なので、けんかには至りませんが、言われたほうは毎回のことなので気分が沈みます。

【対応例】

精神的に不安定で認知症の入居者ですので、居室での時間を増やし、人と関わるよりも精神的に落ち着ける環境をつくります。
医師のサポートもあり、
次第に落ち着きを取り戻し、今ではほかの入居者に暴言や怒った声で口出しすることがなくなりました。
職員が気に入らないことをすると、怒った声を発することもありますが、入居者同士はいつも談話して仲良くしています。

●入居者同士が恋愛感情をストレートに出す

高齢になっても恋愛感情はあります。
施設内で同じ女性と男性がいつも顔を合わせていると、ときにはカップルになることもあります。

【事例2】

事例2

同じテーブルで食事をしている男女の入居者同士が恋愛感情を持ち、女性の入居者が男性の世話をするようになりました。
両者とも認知症が進行しているので、女性の入居者は男性の入居者を「旦那さん」と呼び、実際にそう思っているようです。
恋愛感情が高まり、人前でキスをするようになりました。

【対応例】

ほかの入居者への影響も考えて、2人の入居者の食事の席を変更することになりました。
男性の入居者がほかの男性の入居者と一緒に食事をするようになると、少しずつ2人が一緒にいることがなくなりました。

●特定の入居者を無視する

施設ではさまざまな人間関係があり、ある入居者が特定の入居者のことを気に入らないと、それが伝染してほかの入居者も同じように特定の入居者を無視することがあります。

【事例3】

新しく入所してきたAさんと少し前に入所しているBさんが隣の食事の席になりました。
Bさんがほかの入居者のことを悪くAさんに言ったところ、Aさんはそれを否定する言い方で話しました。
それからBさんは椅子をAさんから遠ざけたり、話をしないようになりました。

【対応例】

AさんはBさんのことを「難しい方ね」と職員に話をしたため、Bさんの食事の席をほかの席に変更しました。
Bさんは、今ではほかの入居者を無視することなく、いつも談話して仲良くしています。

●夜間に徘徊してほかの入居者の部屋に入る

認知症が進行すると、夜間に徘徊することがあります。
介護ステーションに来るだけでなく、エレベーターを動かしてほかの階をウロウロしたり、ほかの入居者の部屋へ入ることがあります。

【事例4】

事例4

入居者が夜に徘徊して、ほかの入居者の部屋に入り、「誰か呼んでほしい」とか「薬を下さい」などと言うため、ほかの入居者が部屋に鍵をかけるようになりました。

【対応例】

認知症の徘徊の方に、徘徊しないように諭しても難しいので、よく入る部屋の入居者には鍵をかけるように促しました。
徘徊する方にも、就寝時には部屋の鍵をかけて寝るように言いました。
すると互いに夜は鍵をかける習慣ができて、現在はほかの居室に入ることなく寝る時間には自分の居室から出ないようになりました。

●ほかの入居者に物を盗られると言いふらす

認知症がかなり進行すると、物盗られ妄想が出てくる方が多いです。
特に女性の高齢者にその傾向が見られます。

【事例5】

物盗られ妄想が強い女性の入居者は、物を盗られるからとタンスや引き出し、ベッドの中に物を隠します。
ほかの入居者が、自分と似たコップを持っていたときは「あの人がコップを持って行った」と言います。
別の入居者と談話しているときには、物を盗られたことを話していることがあります。

【対応例】

認知症の入居者本人に「その人は盗っていませんよ」と言っても納得されません。
「盗られた」と言われている物を一緒に探すと、居室から出てくることが多いです。
ときには、ベッドの下に隠してあることもありました。
今でも物盗られ妄想はなくならず、歯磨きやコップ、皿などすべてを隠されますが、探すとほぼ居室から出てきます。
もし、名指しで特定の入居者に盗られたと言いふらすようなら、名指しされている入居者と居室や食事の席を離す必要があるでしょう。

入居者同士のトラブルに対処して快適な生活を送れるよう働きかけよう

高齢者施設では、入居者同士の小さなトラブルはよく起こります。
トラブルを起きたままにしておくと、大きなトラブルになりかねません。
食事の席の変更などでトラブルに対応し、施設での生活が快適になるように働きかけることが大切です。

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