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  • 桑原

    公開日: 2020年12月22日
  • ヒトの課題

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新型コロナウイルス 訪問介護

あなたは正しくできている?訪問介護職員がコロナウイルスの媒体にならないための感染対策

世界中でその勢いが収まることのない新型コロナウイルス感染症ですが、2020年12月現在、第3波の到来といわれており感染者が増加しています。
訪問介護などに従事する介護職員にとって、利用者のお宅でケアを行う上で感染の媒体とならないために、注意が必要です。
介護職員がコロナウイルスを、1、持ち込まない、2、共有しない、3、持ち出さない、この3点に分けて、もう一度再学習してみましょう。

「感染経路」にならないために押さえておきたい3つのポイント

訪問介護時にコロナウイルスを持ち込まない

訪問介護時にコロナウイルスを持ち込まない

訪問介護は病院や施設などとは異なり、利用者やそのご家族のテリトリーであり、外からコロナウイルスを持ち込まないように気をつける必要があります。

●利用者の居室に入る前に、コロナウイルスを持ち込まないよう介護職員が気をつけたい所作

不特定多数の方が触れる可能性のある、インターホンやドアノブ、また利用者宅へ来る前に手に触れたあらゆるものに菌が付着している可能性がゼロとは言い切れません。
利用者宅へ伺ったら、居室に入る前に玄関先で上着など必要のないものは脱ぎ、置かせてもらうようにしましょう。
また利用者は介護が必要なハイリスク群の方も多いため、居室に持ち込まないよう利用者に会う前に手洗いを十分に行い、エプロンや自己防衛具(マスクやフェイスシールド、手袋など)を着用しましょう。
自己防衛具の使い回しはしてはいけません。

●自己防衛の基本は手洗い、マスク!介護職員のための訪問介護必需品もご紹介

訪問の際には、利用者一軒ごとに、液状石けんやタオルもしくはペーパータオルなどを用意しておくのも、利用者や自分自身を守るために必要なことです。
また帰りにゴミをまとめるためのポリ袋や、手指を消毒する携帯用のアルコールスプレーやジェルなどをいつでも使えるようにポケットなどに入れ、すぐに取り出せるようにしておくといいでしょう。

訪問介護職員がコロナウイルスを利用者と共有しない

訪問介護職員がコロナウイルスを利用者と共有しない

訪問看護のケア中にも、介護職員が注意するべき点がいくつかあります。

●介護職員だけでなく、利用者の消毒も忘れずに。排泄物の処理にも気を配ろう

利用者宅でのケアの中でも食事場面や排泄介助などには十分な感染対策や消毒が必要となります。
食事の前には介護職員は三十秒以上かけて手指を石けんで洗浄しましょう。
利用者の手指も可能な限り、石けんと流水を利用して洗うように工夫しましょう。
困難な場合にはアルコールやジェルなどで手指消毒をきちんと行ってから食事を取る必要があります。
また、ポータブルトイレなどを利用している利用者の排泄物の処理には、水滴やはね返りなどに気をつけ、排泄物を便器の中に入れてフタを閉めてから流し、容器を消毒しましょう。

●介護職員、利用者はお互いの飛沫を受けないように接近を避けるべき

現在2mのソーシャルディスタンスを取ることが推奨されていますが、訪問介護や看護においてケアをする上で2mの距離を保つのは非常に困難です。
患者さんによっては食事でむせやすい方、循環器や呼吸器疾患で咳がよく出る方もいらっしゃいますし、突然むせることは誰にでもあることです。
飛沫がかかりやすい患者さんの前方やすぐ横からのケアは避け、なるべく利用者のやや斜め後方から見守りや介助を行うようにしましょう。
また鼻や喉だけではなく、目に飛沫が入った場合においてもウイルスに感染するといわれているため、フェイスシールドや防護用のメガネの検討もお勧めします。

利用者宅から訪問介護職員がコロナウイルスを持ち出さないために、ケアが終わってから気をつけるべきこと

利用者宅から訪問介護職員がコロナウイルスを持ち出さないために、ケアが終わってから気をつけるべきこと

ケア終了後、利用者宅を離れる際にも注意点がいくつかあります。
利用者宅から次の利用者宅または事業所、訪問介護職員の自宅などに持って帰らないために注意すべきことについて解説しましょう。

●利用者宅退出前に気をつけたいこと。ケアの防護服や上着などの着脱方法

ケアの際に着ていたエプロンや手袋、マスクなどの防護服は、利用者の居室を出て利用者宅を出る前に脱ぎましょう。

脱ぐ際に注意するべきこととしては、

  1. 1)手袋は手首の隙間から内側を持ち、内側を外にして脱ぎましょう。
  2. 2)エプロンなども外側を汚染部位として捉えて、触れないように脱ぎましょう。
  3. 3)使用済みの防護服は感染物と考え、事前に用意していたゴミ袋やレジ袋などに入れ処分するようにしましょう。

エプロンなどの再利用できるものは別の袋に入れ、しっかりと封をして持ち帰りましょう。
防護服を脱いだ後、利用者宅をさる前にもう一度手を洗い、利用者の居室の外に上着などを取り置いている場合には、それらを玄関先などで着るようにしましょう。

●利用者宅退出後にも手指の消毒を。また利用者宅では飲食や私物への接触は避ける

利用者宅から退出する場合にも、ドアノブなどに触れたりするため、玄関先に出てからアルコール消毒や手指の消毒用ジェルで消毒しましょう。
訪問介護や看護の場合、利用者宅から別の利用者宅へ移動することも多いとは思いますが、飲食物やカバンや車や自転車など私物に触れる際にも直前にアルコール消毒や手指の消毒ジェルなどを利用しましょう。
できるだけ利用者宅では飲食や私物の使用は避けるようにしましょう。

介護職員は新型コロナウイルス感染拡大防止のために、防御法について知り実践しよう

現在世界的に流行している新型コロナウイルスも冬を迎え、感染者が増え、第3波を迎えているともいわれています。
しかしながら訪問看護や介護などを必要としている方もたくさんいらっしゃるので、介護する側、される側、ケアを提供また受けられるように、お互い感染拡大防止に十分気をつけましょう。
利用者宅に伺う前から、ケア中、退出後それぞれについて再確認し、日常業務に従事するようにしましょう。

参考:
厚生労働省 介護職員にもわかりやすい感染対策の動画まとめページ(2020年12月8日引用)

関連情報:
リハビリ・介護施設の施設基準や診療報酬・介護報酬(2023年4月30日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。

    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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