介護・高齢者施設が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

医療従事者向け 介護プラス

介護職員の妊娠・出産と仕事との付き合い方~子どもを守ることと仕事をすることを両立する方法

妊娠・出産はとてもおめでたいことです。
介護スタッフにとってもそれは変わらないことですが、妊娠がわかった途端、不安な気持ちになってしまう方も少なくありません。
そこで今回は、妊娠した介護スタッフが抱えがちな悩みと、その対処法についてご紹介します。

妊娠がわかってからすぐに生じる悩みは上司に相談する

妊娠したことがわかり喜んだのもつかの間、それと同時にさまざまな悩みも生じてきます。
それは、妊娠したことをどのタイミングで職場に伝えればいいのか、妊娠中も今まで通りに仕事を続けることができるのか、といった悩みです。
妊娠したことを職場に伝えるタイミングに悩む妊婦さんは多くいます。
一般的に妊娠を広く伝えるのは、安定期に入った5カ月以降が望ましいとされ、早い方でも胎児の心拍が確認されてから職場に報告する、という妊婦さんが多いです。
なぜなら、胎児の心拍が確認されるまえは、妊婦さんがどんなに気をつけて生活していても、流産してしまうことが少なからずあるからです。
妊娠したことを知らせていなければ、流産したことも知らせずに済むこともあります。
そのような理由から、一定の期間が過ぎるまで職場には伝えない妊婦さんが多いです。
しかし、介護職の場合はこの限りではありません。
介護職は、移乗介助や入浴介助など、妊婦さんは避けたほうがいい業務が数多くあります。
また、妊娠初期からつわりや腰痛、貧血といった症状がひどく、妊娠まえと同じように働くことができなくなってしまう方もいます。
仕事内容を配慮してもらうために、妊娠判明後は速やかに上司に報告しましょう。
流産などの心配があり、あまり公にしたくないという場合でも、直属の上司にはその旨を伝えてください。
業務上、ほかのスタッフに伝える必要がある場合は、最低限のスタッフにのみ伝わるよう取り計らってもらいましょう。

業務内容は妊娠経過によってその都度見直してもらう

妊娠中はどの程度の仕事ができるのか、それは妊娠の経過によって違います。
また、比較的軽度の方をケアするデイサービスなのか、移乗介助の機会が多く夜勤もある特養なのかなどによって仕事内容も変わってくるので、通常通り働けるかどうかも当然ながら異なります。
業務内容を少し見直す程度でも、何の問題もない方もいれば、トラブルが起きてしまう方もいます。
筆者自身、第1子を妊娠した際は、妊娠初期段階で医師から2週間の絶対安静を言い渡されたことがありました。
少量の出血があり、家事でさえやってはいけないと言われてしまったのです。
当然、仕事をすることはできず、次の日以降、突然お休みをいただくことになってしまいました。
それまでは、妊娠後期になるまで普通に入浴介助などをしていた先輩妊婦さんを見てきただけに、自分もそうなるものだと思っていましたが、誰もがみな同じではないのだと、痛感させられるできごとでした。
妊娠中は全期を通して、いつ切迫流産などで仕事ができない状況になるかわかりません。
医師の診断があった際はそれに従い、仕事内容を配慮してもらったり、お休みをいただいたりしましょう。

子どもを守ることができるのは自分だけだということを自覚する

妊娠判明後も、周りに迷惑をかけるような働き方をするのは、できるだけ避けたいものです。
しかし、おなかの状態がわかっているのは妊婦さん本人だけです。
「私のときは大丈夫だった」と言いだす先輩スタッフがいるかもしれませんが、上述したように妊娠経過は人によって違うものなのです。
また、たとえ同じ人でも、第一子と第二子ではまったく違う経過をたどるということもあります。
だからこそ、おなかの中の赤ちゃんを守れるのは、自分だけだということを自覚しておきましょう。
業務内容に不安があるようなら、遠慮せずに上司に相談しましょう。

●上司の理解が得られない場合は医師に相談する

残念ながら上司の理解が得られずに、無理に仕事を続けた結果、予定よりも早く仕事を休むことになってしまった方もなかにはいます。
そうならないためにも、できない仕事内容があるなら無理をせず、ほかのスタッフに代わってもらうことも必要です。
その際、役に立つのが「母性健康管理指導事項連絡カード」です。
「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、妊娠中に腰痛や切迫流産、高血圧などの体のトラブルがあった際に、医師から事業所側に発行される書類です。
これは診断書も兼ねるものとなっていて、妊婦さんが抱えるトラブルが何なのか、悪化を防ぐためにはどのような働き方をしなければならないか、などが記載されています。
これを提出された事業所側は、カードの内容に沿って、妊婦さんの働き方を考えなければなりません。
またこのカードは、医師が事業所宛に書いてくれるため、医師、事業所、妊婦さんの間で、現在の妊娠経過について共通の認識を持ちやすくなります。
体調に不安があるときは、医師に「母性健康管理指導事項連絡カード」を発行してもらいましょう。

出産前はいつまで仕事を続けることができるのかはケースバイケース

出産前は出産予定日の6週間前まで働くことができます。
双子以上の妊娠の場合は、産前14週間前までとされています。
これは介護職に限らず、すべての妊婦さんにあてはまります。
この時期にくるとおなかもかなり大きくなり、多少の免除があったとしても通常の業務が難しくなる方もいますし、仕事を続けることができる方もいます。
介護職でも切迫流産などの問題がなければ、出産予定日の6週間前まで働くことは可能です
ただし、常に自分の体調との相談にはなります。
おなかの張りが頻繁に起こったり、出血があったりする場合には、もちろん受診したうえで、医師の指示を仰ぐ必要があります。
その結果、産休に入るタイミングが早くなってしまうこともあるかもしれません。
産休に関しては、事業所独自の取り決めがある場合もありますので、自分の体調とその取り決めとを照らし合わせながら、上司と話し合ってください。
その際、急な体調の変化などで迷惑をかけてしまうことがあるかもしれないことを、合わせて伝えておきましょう。

まとめ

妊娠中、介助などの業務にあたり不安なことがある場合は、必ず医師の指示を仰ぎ、上司に相談しましょう。
たしかに、ほかのスタッフへの負担が大きくなることを考えると、自分の希望ばかりを伝えるわけにはいかない、と思う気持ちもわかります。
しかし、おなかの中にいる赤ちゃんを守ることができるのは妊婦さん本人だけです。
迷惑をかけるのは、妊娠している今だけのことと割り切って、周囲の協力を得ながら自分にできることを精一杯がんばりましょう。

参考:
厚生労働省委託 母性健康管理サイト「母性健康管理指導事項連絡カードについて」(2018年2月22日引用)

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)