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看護師の介護施設での仕事内容教えて。実際に施設で働いた看護師が、業務内容から収入まで解説します!

看護師として働ける職場の一つに、介護施設が挙げられます。
病院などとは違って介護施設は接点が少ない分、どういった仕事内容なのかなど、イメージしにくいため、転職を迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、施設で働いた経験のある看護師が、介護施設での仕事についてさまざまな情報をお届けします!

介護施設で働く看護師の仕事は、こんなに多い!

介護施設で働くにあたり、まず知りたい情報として挙げられるのは「仕事内容」ではないでしょうか。
介護施設で働く看護師に対して日本看護協会が2016年にまとめた報告書によると、一番重要な業務として多く挙げられたのは、順に「健康管理・健康状態のチェック」「急変時の対応」「服薬介助・服薬管理」「診療の補助・日常的な医療処置」でした。
項目だけを見ると、看護師として当然の業務であり、医療機関よりも楽なのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ではこれらの業務内容について、筆者の実体験を元に解説します。

●健康管理・健康状態のチェック

介護が必要になるきっかけは、ほとんどの方が病気の発症によるものです。
よって、介護施設へ入居している方を対象とした、日々の健康管理および健康状態のチェックは、介護施設で働く看護師として最も重要であると考えます。
特別養護老人ホームの場合、入居者100人に対し医師1人、看護師3人の配置が法律で義務付けられています。
そのため単純計算で、看護師1人で30人以上の健康管理および健康状態のチェックを行わなくてはいけない、ということになります。
実際には3人のうち1人は全体のリーダーとして看護業務を行わないこともあり、その場合は約50人もの健康管理を1人の看護師が担います。
このように医療施設以上に看護師の絶対数が少ないため、利用者さん全員のバイタルサインを測る時間はありません。
よって筆者の施設では、高血圧など持病に合わせてチェックすべき人をリスト化し、そのリストに従ってバイタルサインや血糖など、必要な人のチェック漏れがないようにしていました。

●急変時の管理

医療設備が整っていない介護施設では、急変時の管理は看護師として最も神経を使う部分でもあります。
急変時は看護師として、介護職員へ指示を出しながら対応することが求められるだけではなく、必要時は施設長などへ報告した上で救急搬送もしくは病院受診も検討しなくてはいけません。
また、家族へ連絡し付き添いをお願いしたり、入院となった際のサマリー準備など、看護師として最も忙しくなるときといえます。
また、施設によっては看取りも行っており、その対応が求められることもあります。
このように介護施設は看護師にとって医療機関で働く以上に、医療資格者としての判断が求められる機会が多い職場である、ということが言えます。

●服薬介助・服薬管理

介護施設へ入居されている方のほとんどは、1日のうちに内服しなくてはいけない薬があります。
筆者が勤務した施設では、看護師が朝・昼・夜それぞれに利用者さんが飲む薬を整理するほか、体調に合わせて利用者さんそれぞれに処方された頓服薬を内服するかどうかの判断を行っていました。
また、利用者さんによっては体調が悪い、あるいはこぼしてしまったなどで正しく内服ができなかった場合があります。
そうしたとき、どの薬を必ず飲まなくてはいけないのか、どの薬はスキップ可能なのかなどの判断も、医師の指示のもと看護師が行わなくてはいけません。
利用者さんの人数が多い分、飲まれている薬も多岐にわたるほか、最近はジェネリック薬品が多くの割合を占めるようになり、看護師として把握することはかなり大変な作業となっています。
筆者は薬の整理をする際は必ず薬の辞書を手元に置き、分からない薬はその都度調べながら服薬管理を行い、介護士より薬の質問があった際はすぐに答えられるようにしていました。

●診療の補助・日常的な医療処置

介護施設では提携医による診察が行われることがあります。
そうした時は看護師として医師の診察の補助を行います。
またこのとき、同時に看護師として気になる入居者さんをピックアップし、内服薬の調整や頓服薬の処方、新たな指示受けなども行います。
よって提携医による診察前日は入念な準備が必要となり、特に忙しかったです。
また、介護施設へ入居されている方のなかには痰の吸引や経管栄養の管理、インスリン注射など、日常的な医療処置が必要な方も多数いらっしゃいます。
看護師としてそれらの医療処置を行うこともまた、重要な業務の一つです。
また、特別養護老人ホームでは看護師が夜勤を行う義務がありません。
そのため、夜の経管栄養を看護師の業務時間終了までに終わらせなくてはならず、毎回時間の調整が大変でした。

今回挙げた業務以外でも、少しでも手が空けば介護職員とともに利用者さんの介護業務を行うため、筆者の場合はいつも業務時間ぎりぎりまで仕事に追われているような状況でした。

平均月給は約30万円、でも不満のトップは「業務量の多さと給与の安さ」

先ほどご紹介した日本看護協会の報告書によると、介護施設で働く看護師の平均給与は、特別養護老人ホームで296,884円、介護老人保健施設では323,536円でした。
この金額は総支給額なので実際にはこの金額から税金や保険料などが引かれるため、手取り金額はこの金額よりもさらに数万円下がります。
介護老人保健施設が特別養護老人ホームよりも金額が高いのは、介護老人保健施設では看護師も夜勤をしなくてはいけないことが影響していると考えられます。
また、報告書では給与額とともに現職場に対する意識・評価も調査したところ、両施設とも「業務量が多く責任も重い仕事だが、賃金・手当が見合っていない」と感じている看護師の割合が高いことが分かっています。
医療現場でも責任は重いのに賃金が安いという不満の声をあげる方が多くいますが、同じ理由が介護現場でもあがっているということになります。
膨大な業務内容、そして賃金の低さに不満を感じる看護師の多さから、介護施設は医療機関と違い、看護業務が楽とはいえないと考えます。

まとめ

医療機関が入院日数を縮める中、介護施設では長期間利用者さんと関わります。
大変な面も多いですが、介護職員の方と連携し、より安心して毎日を過ごしてもらうために職員としてなにができるのかを日々考えること。
それが介護施設看護師に求められることであり、やりがいにもつながる部分でもあります。
長期間同じ方と関わることで、人間関係の構築などのやりがいを感じられる看護師であれば、介護施設はお勧めの職場だと考えます。

参考:
日本看護協会 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査 報告書(2018年3月15日引用)

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