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【生活機能向上連携加算】通所介護の算定でわかったメリット・デメリット

2018年度の介護報酬改定では、通所介護での生活機能向上連携加算が新設されました。そこで今回は、対応方法に悩んでいる事業所の方に向けて、実際に算定してわかったメリットやデメリットを実践例を交えて紹介します。

通所介護における生活機能向上連携加算のメリット3選

今回新設された内容は、以下の通りです。
外部の医師やリハビリ専門職が通所介護事業所に派遣され、職員と評価を行い、結果をだせる訓練内容を考えることで、通所介護でも生活機能向上連携加算が算定できる
まずはこの加算を算定するメリットを3つに厳選して紹介します。

メリット1 売り上げのアップが望める

基本報酬が減少するなか、通所介護を運営するうえでは、少しでも多くの加算の算定を目指したいところです。
その点で、利用者さん1人あたり、月に200点または100点といった点数を算定できる生活機能向上連携加算は、非常に大きなメリットになるといえます。
また、通所介護はアウトカム評価として、新たにADL維持等向上加算が新設されました
より専門的な視点から訓練の内容を考えることで、その他の加算も漏らさず算定することができれば、売り上げアップにも貢献できます。
今後も、介護度改善などのアウトカム評価が増えてくることが予想されるので、ADLの維持や改善につながるような機能訓練の取り組みは、極めて重要になります。

詳細については、こちら(通所介護で生活機能向上連携加算を算定して売り上げをアップするためのコツ)で紹介しております。

メリット2 機能訓練の質を上げることができる

上述したように、専門的な視点で評価をすることは、質の高い機能訓練の実施につながります。
実際に厚生労働省の調査では、個別機能訓練加算を算定してリハビリ専門職を配置していれば、ADL維持・向上の割合が高いという結果が示されています。
つまり、うまく専門職と協働することは「結果を出せる機能訓練を実施するチャンス」なのです。

メリット3 職員のレベルを向上させることができる

医師やリハビリ専門職などがいない事業所では、専門職と協働してアセスメントを行うことで職員の教育につながります。
今までにない専門的な視点や知識、評価方法、機能訓練の内容を学ぶことができます。
実際に理学療法士である筆者が派遣されている事業所でも、職員と評価を一緒に行っていくことで、より効果的なアセスメントや機能訓練内容の立案ができるといった変化がみられます。

生活機能向上連携加算のデメリットを知って失敗を防ごう

ここでは、実際に算定をするまえに知っておきたいデメリットについて紹介します。

●同じ法人内に派遣可能な専門職がいない事業所は赤字の可能性も

生活機能向上連携加算を算定するにあたり、同じ法人内から専門職が派遣された(連携した)場合は、要請した医療機関や介護事業所には料金が発生しません。
しかし、外部から派遣してもらう場合は、派遣元の事業所(連携先)に委託料を支払う必要があります。
もしも委託料が高額になる場合は、加算算定による増収よりも、委託料のほうが高くなってしまうこともあります。
個別機能訓練加算の算定の有無によっても、委託料との差額は変わってくるので、法人外へ委託をする場合はしっかり検討する必要があります

●派遣される専門職の質によってはメリットがない場合も

専門職が派遣されるといっても、機能訓練を直接実施するわけではなく、あくまでも評価を一緒に行い、それを踏まえた訓練内容を考えるだけです。
そのため、介護分野に精通していたり、介護職との連携経験が豊富ではない人は、いくら専門職といえども、うまく加算の趣旨に沿った関わりができない可能性があります。
特に外部の、あまり面識のない事業所と連携する場合などは、どのような専門職が派遣されるかがわからず、加算を算定するメリットが得られないといった問題が生じることがあります。

生活機能向上連携加算を算定した経験に基づく実践例を紹介

筆者が実際に経験した事例をもとに、加算算定の実践例を紹介します。
業務の流れは次の様になります。

  1. 1.派遣された専門職と一緒に機能訓練指導員が利用者さんの評価を行う
  2. 2.評価の結果を踏まえて機能訓練の内容を多職種で考える
  3. 3.3カ月に1回の割合で、評価をした専門職と連携して訓練の実施状況を確認する
  4. 4.必要に応じて訓練内容の見直しや改善を実施する

利用者さんの評価は、1日に1時間程度時間をとって、1〜2週間かけて20名程度行っています。
その際、事前に利用者さんの情報などを把握できるよう電話などでも連携を取っています。
筆者は同一法人内、もしくは日頃から連携が取りやすく、昔からつながりのある法人外の事業所へ派遣されています。
そのため、利用者さんに関する情報交換など、日頃から連携が取りやすい関係性がすでに構築されています。
筆者の実体験からいえることは、同法人内での連携は効率的ですし、生活機能向上連携加算の算定もスムーズに行えるということです。
しかし、法人外へ委託をするとなると、日頃から関わりが深く連携が密に取れる事業所同士でなければ、加算算定のハードルは非常に高くなります

通所介護と周囲の専門職との関係性で加算の算定を決めよう

通所介護事業所を運営していくうえで、生活機能向上連携加算の算定は、収入アップやサービスの質を上げるといった点で非常に魅力的な加算といえます。
しかし、事業所と同じ法人内に派遣可能な専門職がいるのといないのとでは、大きく異なります。
法人外の専門職に派遣を依頼する場合は、日頃から連携をとっている事業所の専門職が派遣可能かどうかを、しっかりと確認しておきましょう。

参考:
厚生労働省 第141回社会保障審議会介護給付費分科会 通所介護及び療養通所介護(2018年5月20日引用)

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