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医療・介護での起立練習をサポートします!オージーウエルネスのチルトテーブル活用術をご紹介!

みなさんは、チルトテーブルというリハビリ機器をご存じでしょうか?
急性期や回復期病院では導入している施設も多いと思いますが、「あまり使ったことがない…」という声や、「リハビリにどう必要なのかわからない」という声を聞きます。
本記事では、オージーウエルネス製のチルトテーブルについて、筆者の経験を交えて活用術をご紹介したいと思います。

チルトテーブルの特徴と注意点を解説!

チルトテーブルとは、傾斜角度を自由に設定して、寝たままの状態で立つ練習ができる可動式のベッドのことを指します。
ここでは、本製品の特徴に加えて、取扱説明書には書かれていない臨床的な注意点について解説します。

●商品紹介「チルトテーブル 電動昇降式(UA-501)」

〇寸法

  1. 1)外形…700mm×1960mm×450〜750mm(横幅×縦幅×高さ)
  2. 2)ベッド…700mm×1755mm(横幅×縦幅)

〇各種調節機能

  1. 1)傾斜角度…-8°〜90°
  2. 2)足関節角度…底屈0〜45° 背屈0〜45°
  3. 3)ベッド高…450mm〜750mm
  4. 4)訓練時間…1〜99分

〇特徴

このUA-501というタイプは、傾斜角度に加えて座面の高さ調整が可能です。
わかりやすく説明すると、高さが変わる長椅子に大変身するということです。
この機能があることで立つ状態を保持する練習だけではなく、座面の高さを変えて立ち上がる練習に活用することができます

●現場で気をつけておきたい重要なポイントとは!?

使用方法やトラブルシューティングなどは製品の取扱説明書に記載されていますが、臨床で使用するにあたり注意しておきたい点がいくつかあります。
過去に筆者もゾッとするような経験をした覚えがありますので、みなさんも以下の点には気をつけてください。

1)点滴などのルート類には注意!

傾斜角度をアップしていくと、寝ている状態とくらべて体と周囲の位置関係は変化します。
頭のほうに点滴棒を置いていると、傾斜角度が強くなるにつれてルートがどんどん引っ張られ、最悪の場合接続部外れなどのインシデントにつながります
また、尿道カテーテルをベッド外の場所にかけていると、こちらも同様にテンションがかかりすぎて事故につながる可能性がありますので、周囲環境には十分に注意しておきましょう。

2)立ったあとに姿勢が崩れてくる!?

覚醒状態が悪く、自身の姿勢を制御できない方の場合、傾斜角度を60°以上にする訓練場面では注意が必要です。
寝ている状態で上半身〜下半身までが真っすぐになっていないと、傾斜角度をあげるにつれて左右方向に上半身が傾き、姿勢が崩れてきます。
体幹のバンドをしっかり留めておけば転落する危険性はないですが、急な体の傾きで肩を痛めてしまったり、両足に十分な荷重がかからず訓練効果が半減する可能性があります。

チルトテーブルが適応となるケースは!?

実際の臨床場面では、どのような方にチルトテーブルを使用しているのでしょうか。
ここでは、代表的な3つの病気について、使用目的とともに具体的に解説していきます。

●脳卒中

脳卒中を発症してすぐの時期(急性期)では、意識状態が不安定であり、横になっていると一日中目をつぶっている方もいます。
そういう場合は目を開けて刺激を入力する、座る・立つなど重力に抗った運動をすることで、意識の改善を促す必要があります
手足に運動麻痺があり、起きる・立つなどの動作が全介助でしかできない方は、チルトテーブルのよい適応になります。
チルトテーブルに移乗したあとは、ベッドの上で姿勢をまっすぐに整えて、まずは30°程度から傾斜をつけていきましょう。
血圧や本人の表情を確認しながら、最初は目を開けて周りを見ることから始めてみましょう。
介助で支える場合とは違い、介助者の両手が空いているため、手足の運動なども実施しやすいことは大きな利点といえます。

●脊髄損傷

リハビリ専門職のベテラン勢なら、チルトテーブルでの立位訓練といえば、脊髄損傷の方のリハビリ場面を思い浮かべるでしょう。
脊髄損傷では、高位頸髄(こういけいずい)から下部腰髄(かぶようずい)まで、損傷によって下肢の麻痺が出現する可能性が非常に高いです。
ベッドから起きて、「座る時間が15分ほど確保できた」という段階であれば、リハビリ室での起立訓練の適応です。
しかし人によっては、60°程度の立位でも一気に血圧低下を起こしてしまうこともあるため、意識消失などが生じないよう、血圧の変動には常に注意を払っておきましょう。

●廃用症候群

あまりなじみがないかもしれませんが、廃用症候群の方にもチルトテーブルはいい適応になります。
下肢の筋力が大幅に低下している場合は、平行棒や歩行器をしっかりと握った状態での立位練習はかなりの介助量が必要となります。
介助する側ももちろんですが、介助される側も強い力で持ち上げられると痛みを伴うので、せっかくのリハビリも、つらいものになってしまいます。
チルトテーブルを使用すると、安全に長時間立位練習が可能になるため、お互いが無理なくリハビリを継続することができます。

チルトテーブルの活用術についてご紹介!

最後に、筆者がおすすめするチルトテーブルの活用方法についてご紹介します。
持続的な立位練習と、立ち上がり練習に分けて解説していきますので、使用の際はぜひ参考にしてください。

●座面の昇降機能が立ち上がり練習をサポートします!

前述したとおり、オージーウエルネスのチルトテーブルの特徴は、傾斜だけでなく座面の高さも変更できる点にあります。
普段座っている椅子やベッドの高さでは、立ち上がるときに多くの介助が必要になる方でも、座面を高く設定することによって楽に立ち上がることができるのです。
下肢の筋力が低下している場合や、膝の可動域(関節を曲げられる範囲)に制限がある場合でも、本製品を使用することによってより効果的なリハビリが実施できます。
最初はつま先がつく程度の高さから開始し、徐々に股関節と膝関節が90 °になる高さまで調節をしながら、無理なく実施するとよいでしょう。

●立位保持の間でも積極的なトレーニングが可能!

運動麻痺がある場合でも、ベルトで下肢をしっかりと固定することによって、安全に荷重をかけることが可能です。
活用の参考例について以下に手順を紹介します。

1)60°程度まで傾斜角度を上げる

角度の設定は人によってさまざまですが、60°以上では下肢にかかる荷重量が増えてくるため、後述する2)以下の工程で膝折れ(膝に力が入らずカクッとなった状態)するリスクが高くなることに注意しましょう。

2)麻痺側の下肢ベルトを少しゆるめる

ベルトをゆるめた瞬間に膝折れが起こることがあるので、介助者は前面から膝を軽く押さえるようにしましょう。

3)軽く膝を曲げた状態から、膝を伸ばす(踏みつける)ように力を入れる

介助者は工程2)の状態から少し押す力をゆるめて、膝が軽く曲がっている状態を保ちます。
そして、対象者に膝を伸ばす(踏みつける)ように指示をだし、自分の力で荷重する感覚を理解してもらいましょう。

上記方法は、平行棒で実施するときには転倒リスクが高いですが、チルトテーブルなら安全に実施することが可能です。
血圧の変動などの問題がなければ、どの疾患の方にも適用できるため、汎用性の高い訓練内容といえるでしょう。
立位介助や荷重状況でのトレーニングでお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。

まとめ

本記事では、オージーウエルネスの「チルトテーブル電動昇降式(UA-501)」についての活用法をご紹介しました。
本製品は、傾斜角度だけではなく座面の高さも調整することができるため、さまざまなリハビリ場面で活躍できます。
これからは、従来のようにお互いが努力を要するリハビリではなく、機器を使うことでお互いの負担を減らし、効果的なリハビリを実施することが主流となってきます。
医療・介護現場において、立ち上がり動作の獲得は常に高いニーズを占めているため、本製品の導入によってリハビリ現場が活気づくことは間違いないでしょう。

参考:
オージー技研株式会社 OGwellness.(2018年3月13日引用)

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