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腎臓の負担を軽減するには栄養がカギ!?食事と運動療法の効果について解説します!

成人の腎臓病は慢性になることが多く、国民病ともいわれています。
腎臓病は、脳卒中や心筋梗塞、認知症になるリスクが高まる、とても恐ろしい病気です。
そんな腎臓病ですが、生活習慣の見直しにより、予防や治療を行うことができるのをご存じでしょうか?
今回は栄養と運動が腎臓病にもたらす効果についてまとめました。

腎臓病は病院での治療だけでは治りません!

腎臓病は国民病といわれるほど、患者数が増えていることをご存じでしょうか。
まずはその割合についてみていきましょう。

●成人の慢性腎臓病の割合

日本腎臓学会によると、慢性腎臓病の患者数は約1,330万人と推定されており、これは成人の約8人に1人が慢性腎臓病であることを示しています。
しかし、「病院が嫌いで行っていない」「そもそも病気という認識がない」という隠れ腎臓病の存在もあるため、総数としてはさらに増加すると考えられています。

●治療の基本方針は、食事内容と生活習慣の改善!

治療全般にいえることですが、病院でもらった薬だけ飲んでいればOKではありません。
食事の質を見直さなければ、治すことができないのが腎臓病であり、生活習慣病です。
たとえば、血圧を下げる薬を服用しているにも関わらず、ラーメンやハンバーガーなどの高カロリーな食品を食べ続け、普段運動の習慣がまったくない方を想像してみてください。
これでは降圧剤の意味がないですし、飲み続けたところで血圧のコントロールが得られるとは考えにくいのです。
このため、薬はあくまでも補助するものとして捉え、生活習慣を見直すことが重要なのです。

食事で気をつけたいポイントはこれ!

生活習慣病の予防や改善には、バランスの良い食事を摂取することが望ましいですが、そのなかでも特に気をつけたいポイントについて解説していきます。

●塩分のとり過ぎに気をつけましょう!

食塩の摂取は、1日に3g以上6g未満を厳守しましょう。
食の欧米化にともない、ファストフードを好む方も増えています。
ハンバーガー1つで1.6g、カレーライス1杯で3.4gの食塩が使われています。
減塩のポイントとしては、塩やしょう油の代わりに、お酢やレモン果汁などの酸味や、にんにくや生姜の薬味、だしのうまみなどを使い味つけを変えることです。
どうしてもしょう油を使う場合は、だしとしょう油を1:1で割ってだし割りしょう油を使うようにしましょう。
これらの工夫により、食塩の摂取量をコントロールしていくことが必要です。

●食物繊維をとりましょう!

食物繊維は、中性脂肪など肥満の原因になる栄養素の吸収を妨げる働きがあります。
さらに食物繊維を多く含む食材は硬いものが多く、よくかむため満腹感が得られやすいという特長があります。
このため、食物繊維を先に摂取してから主菜やご飯を食べることで、糖質や脂質の摂取量自体を抑えることができます。
また、糖質の吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑える働きもあります。
食物繊維を豊富に含む食材としては、ゴボウなどの根菜や、ひじき、きくらげ、しみこんにゃく、寒天などがあげられます。
カロリーが低い食材が多いのも、食物繊維を多く含む食品の特徴です。
ちなみに野菜は生で両手に1杯、炒めるなどの加工後は片手1杯が1日摂取量の目安になります。

●食事は小分けにしましょう!

これは、世界的に労働時間が長い日本ならではの問題でもあります。
長時間の労働時間に加え、自宅に帰ればすでに遅い時間、当然おなかはペコペコです。
「夜にガッツリ食べて、明日の仕事に備えよう!」
この夜のまとめ食べにより、吸収しきれない過剰な脂質が脂肪細胞へと集まり、肥満につながるのです。
また、空腹状態をつくらないことも重要です。
空腹のときは血糖値が低い状態になり、食事で胃が満たされると血糖値が急激に上昇します。
この血糖値の上下の幅はできるだけ狭いほうがよいため、小分けにして食事をとることにより空腹状態をつくらないようにすることが重要です。

●食べたものを見える化する!

日本糖尿病学会でも推奨されている方法ですが、毎日の食事をノートやメモなどにまとめておくこともオススメです。
どこでなにを食べたか知ることによって、自分でも気をつけるようになります。
また、すべての食事内容をスマートフォンなどで写真をとり、見返す方法も良いかもしれません。

運動のポイントは、負荷を軽くゆっくりと!

運動の重要性は理解できても、実際どの程度の負荷で、どのくらい行えば良いかご存じの方は少ないものです。
ここでは、数値化する重要性と、具体的な実施時間と負荷量について解説します。

●BMIを有効活用しましょう!

BMI(Body Mass Index)は、肥満を数字で評価する国際基準になります。
これを用いて肥満度を数値化し、経過を追うことでその増減を客観的にみることができます。
BMIは、体重(kg)×身長(m)×身長(m)で求めることができます。
日本肥満学会では、このBMIの数値の解釈を以下の表のようにしています。

BMI(kg/㎡) 判定 世界保健機構基準
<18.5 低体重 Underweight
18.5≦~<25 普通体重 Normal range
25≦~<30 肥満(1度) Pre-obese
30≦~<35 肥満(2度) Obese classⅠ
35≦~<40 肥満(3度) Obese classⅡ
40≦ 肥満(4度) Obese classⅢ

基本的には、普通体重の18.5<25の範囲内に抑えることが重要です。 運動や食事療法での治療が中心となりますが、運動量にも注意する必要があります。

●運動量は、作業の負荷量に合わせて行いましょう!

運動が腎機能や尿タンパクの数値に影響を及ぼす影響は、現在明らかになっておりません。
しかし、慢性腎臓病の予防には、特に有酸素運動が重要です。
高血圧や脂質異常症などの生活習慣病、また肥満に対しても運動が効果的です。
日本糖尿病学会では、運動の頻度はできるだけ毎日、少なくとも週に3~5回、中等度の有酸素運動を20分~60分行うことが一般的に勧められると述べています。
中等度の運動とは、自覚的に少しきついと感じる程度の負荷量です。
過度な負荷にならないように注意しながら、無理なく実施してみましょう。

●負荷は、できるだけ軽くゆっくりと!

急激な負荷は、腎臓の機能を低下させる恐れがあります。
このため、先ほど述べたような有酸素運動がオススメです。
具体的な実施内容は、自分の運動レベルに合わせて行うことが重要です。

1)ウォーキング

物品を用意することなく、手軽に始められる運動の代表格です。

  • ●通勤で、1駅分の距離を歩いてみましょう。
  • ●ランチは、少し距離のある食堂に行ってみるのもいいでしょう。
  • ●坂道や、階段が多くない場所を選んで実施すると良いでしょう。

2)サイクリング

自転車が必要ですが、散歩よりも遠くに行くことができるので、買い物の際に使用するなど、なにかのついでに運動することができます。

  • ●過負荷にならぬよう、できるだけ平らな道を選択しましょう。
  • ●自転車に乗らない方は、椅子に腰掛けて自転車をこぐようにするだけでも有酸素運動になります。

3)水泳(or水中ウォーキング)

水の浮力により、関節に負担をかけずに運動することができます。
歩くとひざに痛みがでるような方にはオススメです。

  • ●水泳は心肺機能に負担をかけやすいので、水中ウォーキングから取り組んでみましょう。
  • ●できるだけ大股で歩くようにすると、足の筋力を効果的に使うことができます。
  • ●毎日プールに通うのが難しい場合は、散歩に行く日とウォーキングする日を分けて実施すると良いでしょう。

まとめ

慢性腎臓病の食事の注意点や、運動負荷とそのポイントについてまとめました。
医療機関から処方される薬の役割はあくまでも治療の補助であり、まずはご自身の食事内容や運動、生活習慣を見直すことが重要になります。
一日改善したからといって、劇的な変化が期待できるものではありませんが、継続することで得られる効果は高く、それは医学的にも証明されています。
ぜひ、ご自身のペースで少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考:
日本腎臓病学会 医師・コメディカルのための慢性腎臓病 生活・食事指導マニュアル(2018.2.16引用)
日本肥満学会 肥満度分類(2018.2.16引用)

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