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クリニック・治療院 OGメディック

  • 奥村高弘

    公開日: 2018年12月26日
  • 患者さんのケア

腎臓リハビリテーション指導士を取得するには?最新情報をお伝えします

慢性腎疾患(CKD)患者さんの運動耐容能向上や疾病予防を目的として、腎臓リハビリテーション(腎臓リハビリ)という分野が確立されています。
2018年度からは、そのスペシャリストである腎臓リハビリテーション指導士という認定制度が開始になります。
受験資格や必要書類に関してなど、現在判明している情報についてご紹介します。

受験資格や必要書類に関してなど、現在判明している情報についてご紹介

腎臓リハビリテーション指導士とは?

腎臓リハビリテーション指導士とは?

はじめに、腎臓リハビリテーション指導士とはどういう資格なのかについて解説します。

●腎臓リハビリのスペシャリスト

腎臓リハビリとは、主にCKD患者さんを対象に、生活習慣や運動耐容能の改善を目的に行う包括的な取り組みを指します。
その内容は、運動療法をはじめ、栄養指導や服薬管理などが挙げられ、腎臓リハビリに関わるスタッフには専門的な知識が求められます。
日本腎臓リハビリテーション学会がスペシャリストを育成するために設けた資格が腎臓リハビリテーション指導士であり、2019年3月に第1回の認定試験が行われます。

●取得するメリットとその難易度は?

腎臓リハビリテーション指導士を取得するメリットと、取得までの難易度についてご紹介します。

◯今後の社会的ニーズに応えることができる

高血圧や糖尿病など基礎となる生活習慣病の増加により、CKD患者さんは年々増加傾向にあり、新たな国民病と考えられるようになっています
そのため、ほかの疾患別リハビリ対象の患者さんでも併存疾患として存在することが多いです。
高齢で透析治療をしている患者さんは、全身の筋力低下や倦怠感などが問題になるケースも多く、専門的知識をもったセラピストの活躍が求められるでしょう。

◯過去問や勉強方法がわからないので難易度は高め

2019年3月に第1回の認定試験が開催されるため、現時点では前情報がほとんどありません。
心臓リハビリテーション指導士の認定試験では、第1回から第3回までの合格率は92.7%、 70.3%、68.9%と徐々に低下し、第19回(2018年)では60.7%となっています。
使用するテキストに関しては、2018年夏に発刊された「腎臓リハビリテーションガイドライン」をもとに出題すると学会ホームページに記載されています。
しかし、ガイドラインのみではなく、腎疾患に関する最近のトピックスなどの知識も問われるため、時事問題などにも目を向けておく必要があります

受験資格と必要書類

ここでは、腎臓リハビリテーション指導士を受験するために必要な資格や提出書類についてご紹介します。

●受験に関する必要条件

◯受験できる職種

受験できる職種

医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床検査技師・栄養士(管理栄養士)・薬剤師・臨床工学技士・臨床心理士(公認心理士)・健康運動指導士のいずれかの資格が必要です。

◯その他の要件

その他の要件

前述した資格を取得した上で、申請時において日本腎臓リハビリテーション学会の会員歴が2年以上であることが条件です。
2022年の第4回認定試験を受けるのであれば、2019年の秋頃(第1回は11月1日から受け付け開始)までに入会しておく必要があります。
そのため、今後取得を考えている方は早めに学会へ入会することが望ましいです。

●願書提出前に準備しておく書類

準備しておく書類関係は以下のとおりです。

◯受験申込書・講習会申込書

受験申込書・講習会申込書

受験申込書のほかに、講習会申込書という様式があり、これは試験の直前(1〜2日前)にある講習会に参加する場合に提出します。

◯腎臓リハビリテーション学会での演者・座長経験を証明するもの

腎臓リハビリテーション学会での演者・座長経験を証明するもの

受験には、腎臓リハビリテーション学会で発表経験があること、または腎臓リハビリの実施経験を証明する書類(後述)が必要です。
学会発表の場合は、抄録など発表内容がわかる書類のコピーを添付する必要があります。

◯所属長の推薦状

所属長の推薦状

推薦状には2種類あり、1つは前述した学会発表経験がある受験者用、もう1つは1年以上の実施経験を有する受験者用となっています。
「所属長の推薦は誰にお願いすればいいの?」と迷う方もいますが、学会ホームページにおけるQ&Aでは以下のように記載されています。

  1. 1)リハビリテーション部の部長
  2. 2)腎臓内科・透析科の部長

◯自験例報告書

自験例報告書

自験例報告書では、10症例の実施記録を記入する必要がありますが、提出する報告書には2種類あります。
1つは、疾患名や実施施設などおおまかな内容を記載する書類で、もう1つはその中の2症例の詳細を記載するもの(症例レポート)です。
症例レポートでは、身体機能や運動耐容能をはじめ、運動処方の内容(種類・時間・頻度・強度)を記載して考察をする必要があります。
「有酸素運動を実施」など漠然とした内容や、単なる経過記録では受験不可になる可能性があります

受験するにあたって気をつけておきたいこと

必要書類を準備したあとも油断は禁物です。
ここでは、受験にあたっておさえておきたいポイントについてご紹介します。

●スタートに出遅れるな!出願方法は特定記録郵便

腎臓リハビリテーション指導士の受験は、受け付け開始日から先着順(第1回は定員300人)になっているので、定員に達した時点で受け付け終了になります。
しかし、住んでいる地域によって願書が届く時間に差が生まれるため、申し込み方法は特定記録郵便に限定されています。
特定記録郵便とは、受け付けた日時・時刻が明記されるもので、窓口で手続きをした時間が重要になります
ほかの資格を例に挙げると、3学会合同呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士(2018年度は普通郵便)でも取り入れられています。
「絶対に受験したい!」という強い思いがあるのであれば、受け付け開始時刻(第1回は9時受け付け)ちょうどに申し込むことをおすすめします

●試験前の講習会は必ず参加しよう!

受験に必要な書類については前述しましたが、試験前の講習会は必ず受講しておきましょう。
出題傾向や過去問などの情報が十分な試験ならいいですが、第1回〜3回など制度が設立して間もない頃では、独学で試験対策をすることは難しいです。
また、第1回の合格率によっては2回目以降の難易度や合格率にも調整が入ることが予想されるため、テキストだけでの対策では失敗するかもしれません。
心臓リハビリテーション指導士試験の事前講習会(こちらは受講必須)では、重要なポイントについて復習することができ、最後の仕上げとして活用できます。
受験料15000円+受講料10000円と費用はかかりますが、不合格で次の年も再受験することを考えると、受講しておくほうがよいでしょう。

腎臓リハビリのスペシャリストになろう

腎臓リハビリは比較的新しい概念であり、従事するスタッフも決して多いとはいえません。
しかし、高齢化率上昇や生活習慣病の増加を考えた場合、腎疾患をもつ方のリハビリは避けては通れない道です。
診療報酬や加算に直結する資格ではありませんが、社会的ニーズが高くなることは間違いありません。
内部障害のリハビリを追求したい、ほかのセラピストが所持していない資格で差別化を図りたいと考えるのであれば、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:
日本腎臓リハビリテーション学会ホームページ.(2018年12月13日引用)
日本心臓リハビリテーション学会ホームページ.(2018年12月16日引用)

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