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クリニック・治療院 OGメディック

  • 蔵本雄二

    公開日: 2019年02月27日
  • 患者さんのケア

担当者会議やリハ会議では自立支援を意識しよう!理学療法士が気をつけたい発言のポイント

通所や訪問のリハビリでリハビリテーション会議(以下リハ会議)が開始され、以前に比べて理学療法士が参加する機会が増えています。
また、リハビリでは自立支援が重要視され、リハ職も会議で自立に向けた発言を適切に行う必要があります。
そこで、会議で発言するときに注意したいポイントを紹介します。

会議で発言するときに注意したいポイント

自立支援のために「活動」と「参加」を意識しよう

自立に向けた支援をするためには、「活動」や「参加」を意識して発言をする必要があります。
そこで、担当者会議などで「活動」や「参加」を意識した発言の方法を紹介します。

●身体機能の情報だけを発言しないようにしよう

担当者会議などで利用者さんに関して、次のような発言をしていないでしょうか。

  • 「筋力が向上しています」
  • 「腕が以前より上がりやすくなっています」
  • 「歩く速さが向上しています」

このように、理学療法士は身体機能に関する情報を発言することが多い傾向があります。
しかし、このような情報だけでは、どのように生活するのか、家族や他職種は理解できません。
そのため、どのような動作ができるようになっているのかを具体的に発言する必要があります。

●「活動」に関する発言はより具体的に

「活動」に関する発言はより具体的に

立ち上がりなどの起居動作からトイレなどのADLといった「活動」に関する発言をする場合、できる限り具体的に伝えましょう。
たとえば、「トイレでの立ち上がりが手すりを持って行うことができる」という場合、より具体的に以下のような情報が必要になります。

  • ○立ち上がりが可能なトイレの便座の高さは?
  • ○手すりの位置や形による立ちやすさの違いは?
  • ○日中・夜間両方とも可能?
  • ○立ち上がりの気をつけるべきポイントは?
  • ○転倒などのリスクは?
  • など

このように、生活の場において必要な情報を踏まえて、具体的に伝えなければ、リハの現場でできても、生活の場では環境が違うためできないということになりかねません。

●ADLに関する発言で終らないようにしよう

起居や排泄、入浴などの動作は自宅での生活を送る上で重要となる動作ですので、発言をする機会も増えます。
しかし、自立した自分らしい生活を送るためには、ADLだけでは生活は成り立ちません。
そのため、必要に応じてIADLを含めた「参加」に関する視点も踏まえて発言をするようにしましょう。
たとえば、理学療法士が発言する機会の多い「歩行」に関して、自宅内のADLだけであれば、利用者さんの現状の機能とトイレや浴室までの動線を踏まえて発言をすることになります。
しかし、その歩行を利用者さんの趣味や社会参加にどのように生かすことができるかまで考えた発言が必要な場合もあります。

見通しを踏まえた発言で達成可能な目標を明確にしよう

どれくらい今後動けるようになるのかという見通しを伝えることで、環境調整や福祉用具の使用、必要な介護サービスの導入といった「代償的な方法」の検討に役立ちます。
例を交えながら、見通しを踏まえた発言のポイントを紹介します。

●医師と連携して医療専門職として見通しを伝える

理学療法士を含めたリハビリ専門職の強みの1つは、医療専門職であることです。
医師と連携しながら病気や障害の特性を踏まえて、今後の動作が改善する見込みを考えることができます。
そのため、無理な目標設定をするのではなく、改善の見通しを踏まえて達成が可能な具体的な目標を立てるための助言をすることが求められます。

●見通しを踏まえて具体的な目標を共有しよう

見通しを踏まえて具体的な目標を共有しよう

介護プランやケアプランなどでは以下のような目標が少なくありません。

  • 「スーパーまで1人でいくために歩行を改善する」
  • 「筋力をつけて転倒を防ぎ安全な生活を送る」
  • 「腰の痛みを無くして掃除ができるようになる」

どれも目標としては良さそうですが、見通しを踏まえた具体性にかけています。
たとえば、最初のスーパーに行くために必要な歩行の改善に関しては、スーパーまでの歩行距離や坂、段差の有無、交通量などの情報を踏まえて、歩行改善の可能性とすり合わせる必要があります。
そこで、スーパーまでの距離が300mで、坂道もあるため歩行器歩行のリハビリをすれば達成ができる見通しがあるとします。
そうすると以下のような具体的な目標に改善することができます。

「スーパーまで1人でいくために歩行を改善する」
→「歩行器を使って300m歩く」「歩行器を使用して坂道の上り下りが1人でできる」

理学療法士が見通しを伝えることで、より具体的な目標を共有でき、自立支援に向けた計画を作成する手助けとなります。

●評価結果の伝え方で目標が明確に

理学療法士は筋力や可動域、バランスなど機能の評価はどの現場でも行っています。
評価結果をうまく会議で伝えることで、目標設定を明確にする材料にすることができます。
それは、目標に向けて見通しを立てた場合、そこまでに至るプロセスを明確にすることができるからです。
たとえば、歩行に関して歩行時間や歩行距離を具体的に数値化して共有すると、目標までの進捗状況や目標を修正する場合の材料にすることができます。

他職種に支援内容をうまく伝える4つのポイント

他職種に支援内容をうまく伝える4つのポイント

「活動」や「参加」の目標に向けて、利用者さんの見通しを踏まえた発言ができれば、具体的な支援の内容を他職種に伝える必要があります。
実際にリハビリ職は利用者さんの生活に関わる時間は限られており、そのほかの多くの時間で目標に向けたリハビリに取り組むことが重要になります。
そこで、他職種に支援内容をうまく伝えるポイントを紹介します。

1.視覚的な情報を提供する

介護や動作の支援、運動内容のポイントを写真や絵を活用して、情報を提供するようにしましょう。
口頭で伝えるだけでは、なかなか伝わりにくいことでも、わかりやすく、忘れにくくなります。

2.他職種の意見を尊重しながら提案する

他職種もプロの集まりですので、リハビリ職だからといって、一方的に意見を言われるのは気持ちのいいものではありません。
そのため、違う職種の異なった支援からの意見や情報を踏まえて、リハ職としての意見を述べるようにしましょう。
家族の介護状況や家庭環境など、リハ職が知らない情報を他職種の方が知っていることのほうが多くあります。

3.「なぜそのような支援が必要か」具体的に目的や効果を伝える

支援の目的や効果を具体的にわかりやすく伝えることで、他職種に支援をしてもらいやすくなります。
たとえば通所介護などでリハビリ専門職がいない場合、事業所内での機能訓練について助言する機会は少なくありません。
その際、ただ運動の方法を伝えるのではなく、目的や目標、効果を詳しく伝えることで、通所介護の職員も何のために運動をするのかイメージをしやすくなります。

4.できれば事前にコミュニケーションを取っておこう

どのような人かもわからず、情報も全くないまま、会議で意見をかわすより、事前にコミュニケーションを取っていたほうが、意見を交換しやすくなります。
直接、会議の構成員と話をする機会があれば、会議でどのような意見を伝えたいか、少しでも伝えておきましょう。
もし難しければ、会議の進行役であるソーシャルワーカーやケアマネジャーなどに事前に伝えて、構成員に伝達してもらうだけでも、会議で発言しやすくなります。

チームの一員として会議で理学療法士ができることを最大限発揮しよう

理学療法士として担当者会議やリハ会議では、実際にリハビリを提供するプレーヤーとしてではなく、リハビリテーションをうまくマネジメントするアドバイザーとしての役割が必要になります。
自立支援の視点を持ち、他職種の意見をくみ取りながら、理学療法士としてしっかり意見を述べることが重要です。
しかし、経験の浅いうちは、どのような発言をしたらいいのかわからない場合も少なくありません。
今回お伝えした内容を参考にしながら、チームの一員として積極的に発言をしていきましょう。

  • 執筆者

    蔵本雄二

  • 整形外科クリニックや介護保険施設などで理学療法として従事してきました。
    現在は県下でも有名な地域包括ケアシステムを実践している法人で理学療法士として勤務しています。
    そのため、施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
    医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。
    保有資格:理学療法士、介護支援専門員、呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級

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