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クリニック・治療院 OGメディック

  • 桑原

    公開日: 2019年04月26日
  • 患者さんのケア

働きながらの勉強法!フィジカルアセスメントを自分のものにする!

医療現場においてフィジカルアセスメントを正確に評価することは、リスク管理や病態把握のためにも非常に重要です。
しかし、フィジカルアセスメントは学校での実習や健常人を相手にした練習などではなかなか習得が難しく、働きながら実践の場などで身につける必要があります。
働きながらいかにフィジカルアセスメントを学ぶか、筆者の経験も交えてお話しします。

働きながら学ぶ、現場で学ぶ

フィジカルアセスメントを学ぶことの重要性

フィジカルアセスメントは視る、聴く、触るなど五感を磨く必要があり、短期間の習得は難しいものです。
しかしフィジカルアセスメントを自らが正確に評価することは大変重要です。

●フィジカルアセスメントはどうして重要なのか

フィジカルアセスメントは臨床症状を現す身体所見であり、日々の診療の中でのリスク管理や診療の一助としても重要なものです。
たとえば、呼吸器や循環器系のフィジカルアセスメントは患者さんの安静度などの決定にも影響を及ぼしますし、脳神経系などのフィジカルアセスメントは麻痺の回復などを日々の評価で感じることができます。

●フィジカルアセスメントを自分できちんと行えることにより自信も得られる

フィジカルアセスメントは、検査の結果を見たりレントゲンを読んだりといった、いわゆるほかの誰かが行なった検査を見て判断するというものとは大きく異なります。
たとえば、問診を単に行うのではなく疾患と照らし合わせて行なったり、病態把握に役立てたり、聴診であれば自分の耳で聴いた呼吸音の異常などを解剖学と照らし合わせることにより、診療に役立てることができます。
そして自分自身のアセスメントに自信を持つことができます。
また、継続して行うことにより回復度合いや治療の効果をいち早く把握できることも大きな自信となるため、いかに正確に行えるかが非常に重要です。

フィジカルアセスメントを勉強するには?講習やe-ラーニングを活用する

フィジカルアセスメントについての講習会なども各地で開催されており、さまざまな教材が豊富にそろっています。
どのような学習形態があるのかご紹介しましょう。

フィジカルアセスメントを学ぶことの重要性

●フィジカルアセスメントを講習会で学ぶ

フィジカルアセスメントに関する専門図書などもありますが、文章での表現では理解が難しい場合もあります。
最近では血管の怒張や呼吸音、心電図などさまざまなシミュレーションの機能を搭載している人形もあり、そのようなトレーニングツールを利用して実習などを行います。
シミュレーション教材を使用したセミナーなどが各地で行われており、病院などの施設では新人教育や院内教育の一環として、また研修の一つとしてフィジカルアセスメントを取り上げて行っているところもあります。
ほかにも介護職向けの技能認定試験などもあり、オンライン教材での講習も行われています。

ダミー人形を使っての実習

●e-ラーニングでの受講も組み合わせれば効果的に学べる

フィジカルアセスメントの講習会はその開催地のほとんどが首都圏や大都市などで、地方からの参加は難しく、また勤務で忙しいなか、講習会の受講時間を捻出するのも困難な場合があります。
そのような場合に便利なのが、e-ラーニングと講習会を組み合わせた受講スタイルです。
あらかじめ自分の都合に合わせて基礎講義などを受講しておき、実習のみを講習会場などで行うもので、講習時間を短縮することができます。

講習会+eラーニング

日々の診療の中での勉強法とその注意点

健常人を相手にしたフィジカルアセスメントでは異常所見について学ぶことは困難です。
講習会などに参加する時間が取れないという方は、日々の診療の中で勉強することをおすすめします。
ではどのように行っていくのでしょうか。

●録音、記録して病態と照らし合わせる。

実際の患者さんにおいては、専門図書などに記されている所見と必ずしも合致する所見が得られるとは限りません。
また所見のみを採取しても、疾患や患者さんの状態を把握しなければリスク管理に結びつけることは困難です。
そのような際には、日常の診療においてどのような点に注意し、勉強すると良いのでしょうか。
たとえば

1)聴診

呼吸音や心音などにおいては、異常音やリズム、呼吸の場合ですと吸気と呼気の比率などを聴取し、レントゲンと比較したり、別の日と比較したりするといいでしょう。録音可能な聴診器なども有用です。

2)触診

画像所見やその他の神経所見や身体所見などと組み合わせてみましょう。

3)筋力テスト、神経学的所見など

動作の観察などその他の所見と組み合わせて見ましょう。

4)バイタルサイン

機械による計測は特に触診などその他のアセスメントも複合させると良いでしょう。
たとえば血圧計などはカフの圧を見ながら触診法でも確認するといち早く最高血圧を知ることができます。
心電図などの異常は、過去のイベントを記録し、教科書などと照らし合わせたり、指導者や専門家(医師など)の意見を聞くと理解が深まります。

日々の診療の中での勉強法とその注意点

このようにフィジカルアセスメントはただ所見を取るのではなく、所見とその病態などをしっかりと照らし合わせて学習することで、日々の診療中にも反映させることが可能となります。
単に所見を取るのではなく、考察的な評価をする習慣をつけると問題の想起もしやすく、治療にすぐに結びつけることが可能となるのです。

●短期目標を決め、いろいろな患者さんから同じ所見を聴取する。

一つの手技や所見をいろいろな患者さんで行い、日にちごとでの変化や個人差などを評価してみましょう。
日々の業務の間で無理なく進めるには、月ごとなど目標を決め同じフィジカルアセスメントをいろいろな患者さんで繰り返し行うことが重要です。
業務との配分を考え、過剰な目標を立てず可能な範囲の目標とすることが大切です。

フィジカルアセスメントの学習方法はさまざま。自分に合ったものを!

フィジカルアセスメントは日々の診療においても重要な指針であり、診療の補助となります。
その学習法もさまざまで自分のライフスタイルに合ったものを選ぶと効率的に学習が可能です。
まずは短期目標を決め、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

参考:
一般社団法人日本救急看護学会 フィジカルアセスメントセミナー_救急初療看護コース.(2019年4月25日引用)
慶應義塾大学病院 看護部 フィジカルアセスメント研修.(2019年4月25日引用)
石川幸司,他:フィジカルアセスメント能力を向上させるシミュレーション学習の効果―準実験研究による分析― .日本救急看護学会雑誌17(2 ), 2015.(2019年4月25日引用)
JSMA技能認定振興協会 介護職向け「フィジカルアセスメント基礎編」 認定試験.(2019年4月25日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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