整形外科・リハビリ病院が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

クリニック・治療院 OGメディック

  • 桑原

    公開日: 2021年08月12日
  • 患者さんのケア

この記事に関するタグ

#スキルアップ・セミナー #就職・転職

理学療法士がケアマネジャーになった場合、どのようなメリットがあるのか

介護保険の利用には欠かせないケアマネジャーは、医師や歯科医師、看護師、薬剤師やリハビリ職、福祉介護職など実にさまざまな職種の方がなることができます。
今回は理学療法士がケアマネジャーになった場合には、その他の職種とも比較し、どのような点でメリットがあるのかについてお話しします。

現場からのキャリアアップ ケアマネジャーを目指す

ケアマネジャーは理学療法士を含むさまざまなリハビリ職が受験資格を持つ

医療・福祉の指定資格を取得しており かつ実務経験5年以上の方

まずはケアマネジャーになることができる職種はどのようなものがあるのか、またそれぞれの職種はどのような条件下でケアマネジャーになるための受験資格を得ることができるのかを確認してみましょう。

●ケアマネジャーの資格を得るには、医師や看護師、薬剤師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士などの資格が必要

ケアマネジャーの受験資格には以下の条件を満たすことが必要となります。

  • ○国家資格:医師、歯科医師、看護師、保健師、助産師、准看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、視能訓練士、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士
  • ○生活指導員:高齢者や障害者、その家族を対象に長期・短期入所の相談援助を行う者
  • ○支援相談員:老人保健施設での勤務経験
  • ○相談支援専門員:障害児相談支援などの業務を行う者
  • ○主任相談支援員:生活困窮者の自立相談支援などを行う者

このように受験資格はさまざまな職種に与えられています。

●実務経験5年以上の方は受験可能。ケアマネジャーは都道府県が交付する認定資格

先に記載した受験資格のほかにも、その職種に従事して5年間の実務経験もしくは900日以上の勤務実績がないと受験できません
実務経験はテストの受験の前日までをカウントすることが可能ですが、その場合には実務経験見込証明書という書類をさらに追加で提出する必要があります。
また、ケアマネジャーは5年ごとに更新する必要があり、定期的に講習会などに出席して単位を取得する必要があります。

ケアマネジャーの資格を取ることにより得られる実務上のメリット

身体に負担の少ないデスクワークに転職可能

理学療法士がケアマネジャーの資格を取った場合には、資格取得者である理学療法士にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

●資格取得による昇給や業績を向上させることが可能。再就職などにも有利

理学療法士がケアマネジャーの資格を得る上での利点としては⒈介護保険の知識を得ることができ、患者さんに情報を提供できる、⒉ケアマネジャーとして勤務可能もしくは理学療法士と兼任して勤務する、⒊勤務先によっては手当などが期待できる、という利点があります。
また訪問看護ステーションや介護施設などにお勤めの場合には、ご自身の勤務先の業績をあげることも可能です。

●他職種とくらべると患者さん個人との共有時間が長く、患者さんに沿ったケアプランを提供可能

理学療法が個別担当であったりする場合には特に長期にわたって患者さんと時間を共有します。
そのため理学療法士は患者さんや家族の希望、患者さんの予後やリハビリの必要性について情報収集がしやすい傾向にあります。
またリハビリが必要な患者さんがケアプランの作成を希望される際には、訪問リハビリやデイサービスの中でも個別リハが可能なものを希望されることが多いと思います。
そういった点では患者さんやそのご家族の希望に沿ったケアプランを立案することが可能です。

●ケアマネジャーとしての勤務はデスクワークが多くなるため、時間的、体力的に自信がない場合でも可

女性理学療法士の場合、結婚や出産を機に仕事から離れていく方も多いように思います。
一旦離職してしまうと、体力的にも自信がない、技術面でのブランクが気になり、復職が難しいというお悩みを持つ方も多いですが、ケアマネジャーの資格があれば再就職にも有利に働き、デスクワークが多くなるために体力的な不安のある方の場合には好都合といえます。
家庭と仕事の両立は、どのような職においても日本全体の働く両親にとって大きな課題です。
ケアマネジャーとしての勤務はそういった観点からも理学療法士として働くより、時短やパート勤務などで働きやすい環境となるのではないでしょうか。

理学療法士がケアマネジャーになるとどのような利点が患者さんにもたらされるのか

理学療法士の目線でアドバイスできる住宅改造

理学療法士がケアマネジャーになると、逆に患者さん側にも有利に働く事柄があります。
患者さんのADL情報をケアマネジャーに提供をお願いされるという経験をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
特に骨関節疾患や中枢神経疾患の場合には、運動障害、高次脳機能障害により自宅退院後に介護福祉機器のレンタルや購入、住宅改造などが必要となります。
特に住宅改造では、手すりの長さや位置などで患者さんの日常生活動作レベルや自立度が変わってきます
ほかにも要支援レベルであっても運動を続ける必要がある高齢者などに地域のリハビリ教室や体操教室の情報提供をすることも可能でしょう。
そのためにもお勤めの地域の介護や福祉の情報を常にアップデートしておく必要がありますが、患者さんにより有益で長期にわたる包括的なリハビリテーションを提供することができます。

理学療法士がケアマネジャーとなると患者さんにもさまざまなメリットがある

理学療法士の場合、患者さんやその家族と共有する時間も長く、また患者さんの日常生活動作に対しての情報を容易に取得できるため患者さんの意向に沿ったケアプランを立案することが可能です。
患者さんやご家族のみならず、理学療法士側にも自己肯定感を得られる仕事といえるでしょう。
また理学療法士個人に対しては昇給や転職のしやすさなどの利点があり、女性理学療法士では結婚、出産を機にパートタイマーでの勤務や体力に合わせた働き方ができる可能性もあるのではないでしょうか。

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。

    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

コメントをどうぞ

ご入力いただいた名前・コメント内容は弊社がコメント返信する際に公開されます。
ご了承ください。
メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)