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リハビリ分野で役立つ文献抄読のまとめ方は?研究・臨床で役立つ基本知識を解説

理学療法士や作業療法士として働いていると、学会や論文などで研究成果を発表したり、院内の勉強会で資料を作ったりする機会も多くなります。
また、日々のリハビリに生かすことができる知見やアイデアについても情報収集しておきたいものです。
今回は、リハビリ職が習得したい文献検索・文献抄読の方法について解説していきます。

リハビリ分野のスタッフが習得したい文献検索の方法

文献検索を使いこなせるようになれば、勉強会のネタ探しや研究をはじめ、臨床のヒントを探ることも可能になります。
職場にいくつかの学会誌が届くこともありますが、深く調べたいときは次にご紹介するオンラインのデータベースから漏れなく情報を収集していきましょう。

1)医中誌(医学中央雑誌)

読み方は「いちゅうし」で、医学、看護学、薬学などの原著論文と会議録(学会の抄録など)を収載しています。
日本語論文を中心に、医学系の資料が広く網羅されていることが利点であり、リハビリ分野に関連した論文や総説などを多く参照することができます
法人または個人で契約する必要がありますが、地域にある大学の図書館などでは、医療従事者であれば閲覧可能になるケースも存在します。

医学中央雑誌 https://www.jamas.or.jp/

2)PubMed

PubMedは「パブメド」と呼ばれるデータベースであり、アメリカの国立医学図書館が運営しているため、世界の論文情報が集まっています
たとえば、脳卒中は英語で”stroke”といいますが、”stroke rehabilitation”では2万6,000件以上、”stroke training”では1万8,000件以上がヒットします。
すべて英語ですが、世界では今どのようなことがトピックになっているのか探ることができるので、臨床家にとっても重要な情報源となります。
PubMedは登録なしでも無料で閲覧できる論文が多いため積極的に活用してみましょう。
慣れないうちは英語の論文を読むのに時間がかかりますが、同じ分野だと似た単語が使われるため、数をこなせば読解のスピードは上がっていきます。

PubMed https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

3)CiNii

CiNiiは「サイニィ」と読み、「CiNii Articles」では日本の論文を探すことができます。
医療に特化されたデータベースではありませんが、こちらもオープンアクセス可能な論文は多いため検索してみる価値はあります

CiNii Articles https://ci.nii.ac.jp/

いざ、文献抄読!やり方のポイントを解説します

勉強会のための文献抄読をしたり、研究のための情報収集を行ったりするときは、次のポイントを参考にしてみてください

●3〜5年以内の論文を選ぶ

文献抄読では、できれば3〜5年以内のフレッシュな論文を選ぶと、トピックになっている新しい知見を得ることができます
古い論文を選ぶことも可能ですが、その場合は相応の理由があると良いです。

●アブストラクトで論文を取捨選択

自分や同僚にとってプラスになるような、興味深い論文を選ぶのは意外と大変です。
最後まで読んでみて、パッとした知見が得られない論文だったと気付くことも多いので、要旨を読んだ時点で取捨選択しましょう
論文を5〜10本以上は抽出して、アブストラクトを軽く読んでみてください。

●図表がある論文はわかりやすい

論文には、背景や目的、方法、結果、考察などの情報が含まれていますが、最も重要なのは「結果」の部分です。
解釈はぶれることがありますが、結果は事実であり、揺るがないものだからです。
集団で行う勉強会などでは、結果にグラフや表があって理解しやすい論文のほうがインパクトは大きくなります

●文献抄読のまとめ方:勉強会用

まとめ方は施設の慣習にもよりますが、WordまたはPowerPointでまとめることが多いです。
基本的にタイトル・目的・対象・方法・結果・考察の概要をまとめ、詳しく知りたい人が参照できるように雑誌名や著者、発表年の情報が含まれていればOKです。
最後には「この論文の情報をどうリハビリに生かすことができるか」という自分なりの見解を加えてください。
内容の要約だけでは単純作業にすぎないため、最終的になにが得られるのかを説明することで、意義のあるものにしましょう。

●文献抄読のまとめ方:研究用

先行研究の調査として文献を読んでいる場合は、読んだ文献の情報をExcelでまとめていく方法が便利です。
1つの文献情報を1列にまとめ、タイトル・著者名・発表年・目的・対象・方法・結果・考察の概要をメモしていきます。
なお、研究で使えそうだと思った情報を備考欄にメモしておくと参照しやすいですし、あとから方法や考察のパートを考えるときもスムーズになります。

文献抄読でクリティカルに考える力を身につける

文献抄読を通して論理的かつ批判的な考え方が身につくことも大きな収穫の一つです。
筆者が大学院で研究を学び始めた最初の年は、まず論文をいくつか用意して、そこに書かれていることをクリティカルに読む練習を行いました。

  • 「この研究では試行回数が多く学習効果の影響が生じているのでは?」
  • 「対象者の認知機能が統制されていないのでは?」
  • 「この評価法は信頼性・妥当性が確認されていないものでは?」

たとえば、このように研究の内容について批判的に考えていきます。
この作業の目的は批判すること自体にあるのではなく、他者批判から始め、最終的に自己批判ができるようになることにあります
良い意味で自己批判ができるようになると、自分の研究の欠点を認識して改善することができますし、臨床でもリハビリのあり方について見直すことができます。

上手な文献抄読でリハビリの質を高めよう

文献抄読では、臨床で役立つ新たな知見を得たり、研究のために情報を精査したりできるようになります。
つまらないものと思われてしまうこともありますが、リハビリや研究のヒントが見つかると楽しさも見出せます
スキルアップを目指す理学療法士・作業療法士にとって文献検索は必須といえるので、今回ご紹介したポイントを参考に論文を読んでみましょう。

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