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心リハ指導士取得の難易度は高い?合格にむけた勉強法をご紹介します

新規資格の取得はリハビリ専門職にとってスキルアップの1つですが、そのなかでも心臓リハビリテーション指導士という資格は受験者が年々増加傾向にあります。
循環器のリハビリは学生時代に学ぶ機会が少なく、専門的な知識を身に付けるために取得を考えている方もいるでしょう。
本記事では、現役の心臓リハビリテーション指導士が、その難易度や合格に向けたコツなどを解説します。

心リハ指導士とは?

ここではまず、心臓リハビリテーション指導士(心リハ指導士)の受験に必要な準備や、試験までの流れについて解説します。

●心臓リハビリテーション指導士とは?

心疾患に対する専門的な治療や、心臓リハビリテーション(心リハ)の普及を目的として、特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会が2000年に発足した制度です。
心リハは、心疾患の方に対する運動療法だけではなく、2次予防にむけた生活習慣指導や、他職種への啓発なども重要になります。
運動指導や生活習慣指導をはじめ、包括的なかかわりにおけるリーダーとしての役割を担います。
循環器疾患の病態や治療をはじめ、リハビリ内容や栄養管理などさまざまな知識が求められるため、いわば循環器リハビリのスペシャリストといえるでしょう。

●心リハ指導士資格取得の条件とながれ

心リハ指導士の認定試験を受けるためにはいくつかの条件があります。

◯受験できるのは10職種

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、健康運動指導士のいずれかの資格を取得していることが前提です。

◯学会入会から受験申請までに2年以上経過している

受験の申し込み時期は4月初旬であるため、5月に入会した方は2年後ではなく3年後の受験になることに注意してください。

◯心リハの実施経験

1年以上心リハ業務に携わっているか、もしくは学会が認定している研修施設で40時間の研修を受ける必要があります。

◯10症例のレポート作成が必要

出願時にA4サイズ1枚の症例レポートを10部添付する必要があります。
学会ホームページから記載例をダウンロードできますが、作成に時間がかかるため早めに着手することをおすすめします。

関連記事:
「理学療法士・作業療法士は各種学会の認定資格でキャリアアップ!あなたが目指すのは どれ?」

合格率は毎年60%前後!職種によって差が出る理由は?

ここでは職種ごとの合格率と、差が出る理由について解説します。

●職種ごとの合格率はここまで違う!

日本心臓リハビリテーション学会のホームページによると、2018年度(第19回)の全体合格率は60.7%という結果でした。
リハビリ職が取得する資格を比較してみると、理学療法士の国家試験は81.4%(2018年)、作業療法士の国家試験は76.2%(2018年)、3学会合同呼吸療法認定士は65.7%(2018年)、糖尿病療養指導士は88.4%(2017年)と報告されています。
これらの資格を比較した場合でも、心リハ指導士の取得難易度は高いといえるでしょう。
また、職種別に見た場合、医師は96.8%、看護師が26.3%、理学療法士が57.3%、健康運動指導士が21.4%と、職種によって合格率にばらつきがあることがわかります。

●自身の専門分野以外をいかに網羅するかが大切

リハビリ職が合格を目指すのであれば、解剖学や運動生理学など専門分野の知識を習得した上で、薬剤や栄養学、カテーテルや開胸術をはじめとする治療内容に関しても理解しておく必要があります
筆者が職場の同僚に聞いてみても、やはり難関となるのは上記の分野であることが多く、普段から他の職種がどう考えて業務をしているのかを知ることが重要です。
しかし、医療全般を幅広く学び、運動生理学の理解を深めやすいリハビリ職は多少なりとも有利であるといえます。
受験を考えている方は、まずは他職種の記載するカルテの内容をしっかり確認することから始めてみてもいいでしょう。
そして、自分がその職種であればどんな治療方針をたてるか、実際にロールプレイしてみることをおすすめします。

最低限押さえておきたい!合格にむけた3つのコツ

日々の臨床業務が忙しいなか、テキストの勉強だけで時間が過ぎてしまうことも多いでしょう。
ここでは、合格にむけた勉強法についてご紹介します。

●テキスト内容だけでは不十分?ガイドラインも有効活用しよう!

心リハ指導士を取得するに当たり、テキストを購入して勉強する方がほとんどです。
しかし、実際の試験問題ではテキストに記載されていない内容が出題されることもあり、一冊丸暗記する勉強法では通用しないこともあります。
循環器疾患における標準的な治療や、心リハのエビデンスをしっかり押さえておくことが重要です。
日本循環器学会をはじめとする合同研究班が作成した「急性・慢性心不全診療ガイドライン」や、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」などに目を通しておくことも重要です。

●机上の空論で終わらせない!臨床場面を有効活用しよう

リハビリ専門職にとって運動療法は日常業務に当たりますが、実際に目の前の患者さんの運動負荷量をチェックできることは大きなメリットです。
ただ漫然と運動の監視をするのではなく、目標心拍数の計算や自覚強度の確認などテキストに記載してある内容を実践することで理解を深めることができます。
また、服薬指導や栄養指導に関しては、実際に薬剤師さんや管理栄養士さんの指導場面に同席し、どのような内容を話しているのかを見学することも有用です。
筆者の場合も、心臓超音波や心電図などの検査場面に立会い、臨床検査技師さんからいろいろ教えてもらうことができました。
まさに、百聞は一見にしかずであり、テキストでの内容と実際の臨床をセットで覚えることによって理解度がアップします。

●受験日の前日から大忙し!夜間と早朝の集中講義でラストスパート

試験前日と当日の講義に参加することが、受験者に課される最後の課題になります。
前日は18時頃から約3時間半、当日は午前中に講義がありますが、学会参加で疲れていても、集中力を切らさないようにしましょう。
講義はテキスト内容やガイドラインに沿った出題範囲のおさらいでもあり、また重要なポイントを確認する機会にもなります。
試験対策としての講義はこの2回だけになりますので、体調は万全に保って臨むことが大切です。

ニーズが高まる心臓リハ指導士

心リハ指導士は、自らが臨床現場で質の高いサービスを提供することに加え、包括的チームのリーダーとしての役割も求められます。
また今後は、心疾患の原因となる生活習慣病を予防し、医療費の削減や介護予防など社会全体に対しての貢献も重要となります。
循環器分野を専門にしようとお考えの方は、これを機に心リハ指導士を目指してみてはいかがでしょうか。

参考:
特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会ホームページ.(2018年9月11日引用)
日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).(2018年9月11日引用)
日本循環器学会 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版).(2018年9月11日引用)

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