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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年01月25日
  • リハビリ病院の悩み

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多忙な医師が勉強時間を確保するには?今日から実践できるヒント

医師としてのスキルアップのために、勉強時間を捻出したいとお考えの方もいるでしょう。
臨床の疑問を解消したり、論文を読んで新しい情報を収集したり、やるべきことはたくさんあります。
今回は、毎日を多忙に過ごす医師が勉強時間を確保するためのヒントを、勉強のやり方と生活面の工夫に分けてお伝えしていきます。

毎日を多忙に過ごす医師が勉強時間を確保するためのヒント

医師になってからでも勉強はマスト!時間を有効に使おう!

国家試験に合格し、研修医を卒業したら、晴れて一人前の医師としてみなされます。
しかし、医師になってからも勉強が欠かせないということは周知の事実です。
日々の臨床の中で学べることも多いですが、1つの症例から「10」しか学ばない人と、「30」学べる人では、将来的に差が広がっていきます。
この学びを10から30に増やすためには、先輩医師に質問をしたり、自分で書籍や論文から情報収集したり、努力をしていく必要があるのです。
ただし、真面目に臨床と勉強にあたり、人生のすべてを費やし、バーンアウトしてしまう方もゼロではありません。
「がむしゃらに頑張る」という姿勢も大切ですが、救急のドクターのようにストイックな姿勢は、誰もが見習えるものではありません。
どうすれば限られた時間を有効に使い、効率よく勉強を続けられるのかを考えながら、長い目でみて学び続けられるようにしましょう。

医師が勉強時間を確保する方法〜勉強のやり方〜

勉強する時間を多忙な生活に組み込むためには、習慣化と効率化が大切になります。
勉強の習慣化・効率化のために、次のやり方を参考にしてみてください。

1.勉強をルーチン化しやすい時間帯を探す

勉強をルーチン化しやすい時間帯を探す

朝型の人、夜型の人、コツコツ頑張る人、一気に頑張る人…。
医師に限らず、勉強スタイルは人によってさまざまです。

  • ●休日に自宅でまとめて論文を読む
  • ●仕事後に1時間程度、論文を読む日を設ける
  • ●朝の日課として勉強時間を確保する

このように、一日あるいは一週間の中で、どのタイミングであれば勉強を習慣にできるのか検討してみましょう。
平日は疲れていて余裕がないのならば、勉強時間を休日にまとめるのも良い方法です。
人によって性格やなじみのある習慣は異なるため、どんな曜日や時間帯なら勉強をルーチン化しやすいのか、試行錯誤しながら探してみてください。

2.論文はアブストラクトから読む

英語の論文を一文ずつすべて読んでいくと、膨大な時間がかかってしまいます。
時間を割いて論文を読んだ結果、イマイチな内容で、自分の臨床業務にはあまりプラスにならない場合もあります。
まずは論文のアブストラクトを読んで、本文を細部まで読むべきかどうか判断します。
方法や結果の部分がすぐに理解できなければ、最後に書かれている「結論」の一文を読むと、なにを言わんとしているのか把握可能です。
論文の選別作業を行い、本当に自分の興味にマッチした論文だけをじっくり読むようにして、勉強時間を短縮しましょう。

3.システマティックレビューを読む

最新情報を得たいのではなく、あるテーマについて概略を知りたいときは、システマティックレビューを読むと効率的です。
自分で何十、何百もの論文を読むのは大変ですが、レビュー文献ではたくさんの論文を読んだ人が知見をまとめてくれています。
広い視野でスタンダードな知見を得る上で、レビュー文献に触れることには意義があります。
そして、PubMedなどで論文を探すよりも、システマティックレビューから興味のある論文の参考文献を見たほうが、時短になる場合もあります。

医師が勉強時間を確保する方法〜生活の効率化〜

 医師が勉強時間を確保する方法〜生活の効率化〜

多忙な医師が勉強時間を捻出するためには、毎日の生活の中で工夫を行い、できるだけ自由に使える時間を確保することが大切です。

1.家事代行サービスを使う

一般的に医師の収入は多いといわれていますが、忙しさはその代償といっても過言ではありません。
家事代行サービスでは、1時間2000〜4000円程度の利用料で、料理や掃除、洗濯などの家事を行ってもらうことができます。
人の力を借りることは、決して悪いことではありません。
欧米などでは家事代行サービスが浸透していますが、日本でも多くの業者が存在します。
生活にゆとりが持てると、結果的に勉強時間を捻出することにもつながるため、この機会にこうしたサービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
特に、共働きのご家庭や、一人暮らしの医師にはおすすめです。

2.興味のないテレビは見ない

テレビをボーっと見ることで、脳が休まると感じる方も少なくありません。
しかし、多忙な医師にとって、タイムマネジメントは非常に重要です。
それほど興味のないテレビ番組を眺めることに、一日に何時間も使うのはもったいないです。
本当に見たいテレビ番組であればじっくり見て息抜きをしたほうが良いですが、そうでなければテレビを見る時間を削ってみましょう。
一日は24時間しかないので、本当にやりたいことを優先的に取り組むようにしてみてください。

3.TO DO リストを作る

医師は就業時間が長く、残業や当直もあるため、一般的な水準と比較すると「自由に使える時間」が短くなる傾向にあります。
そして、心身の疲労もあると、誰しも優先順位づけがうまくできなくなるものです。
仕事や生活に関する「TO DO」を書き出し、一日や一週間の計画を立てることで、うまく勉強時間を組み込める方もいます。
最近では、TO DOリストを管理するためのスマホアプリも充実しており、タスクの追加や削除が簡単にできるようになっています。
大きなタスクはいくつかに分割すると、進捗がわかりやすくなります。
やるべきことを視覚的に整理することで、勉強時間の捻出につなげてみましょう。

4.飲酒の量や頻度を減らす

ストレス発散や息抜きのためにお酒を飲む習慣のある医師も少なくありません。
そして、先輩医師や同僚との飲み会もありますし、なにかとお酒を飲む機会は多いでしょう。
仕事のチーム・仲間とのコミュニケーションを考えても大切な時間です。
しかし、自宅にいて一人で飲むときだけでもお酒を減らすことで、帰宅後の時間を有効に使える日が増えます。
飲酒をするとどうしても思考力・判断力が鈍りますし、論文を読んだり、臨床の疑問を解決したりしようとは思えません。
完全な禁酒ではなくても、お酒を飲む頻度を週5日から2日に減らしてみるなど、できる範囲で調整してみることも選択肢です。

学びの先にいる「患者さん」の存在を忘れずに

学びの先にいる「患者さん」の存在を忘れずに

忙しい医師が勉強時間を捻出することによって、自身のスキルアップにつながることは間違いありません。
ほかに頼れる医師や先輩がいない環境に身を置くことがあれば、常に誰かに相談できるとも限らないため、自分の持つ知識で対応していく必要があります
日々の学びの先には「患者さん」がいるため、その存在を忘れずに、できる範囲の努力をしていきましょう!

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。

    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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