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クリニック・治療院 OGメディック

  • 奥村高弘

    公開日: 2019年01月28日
  • リハビリ病院の悩み

若いリーダーを育てよう!最高のリハビリチームをつくるためのポイントとは?

働き方改革というワードが浸透し、スタッフの業務・健康管理が重要視されています。
リハビリ業界においても、若いセラピストが増えるにつれて「どう若手を指導すればいいの?」と悩む管理者も多いでしょう。
本記事では、少人数チームをつくる有用性と、若きリーダーがチームを上手くまとめるコツをご紹介します。

少人数チームをつくる有用性と、若きリーダーがチームを上手くまとめるコツをご紹介

臨床現場は若いセラピストが多い?

臨床現場は若いセラピストが多い?

ここでは理学療法士の平均年齢と、若手が増えることによる職場への影響について解説します。

●理学療法士の平均年齢は?

日本理学療法士学会ホームページによると、2018年3月末時点での会員数は男性70,329人、女性45,496人、平均年齢はそれぞれ33.9歳と33.0歳となっています。
このなかで、男性と女性ともに26〜30歳が1番多く、業界全体で若手が増えてきているといえるでしょう。
国家試験合格者数も、ここ数年は10,000人前後で推移しているため、今後も平均年齢は下がる傾向にあるといえます。

●若手が増えると労働環境に注意が必要

病院や事業所としては、同じ免許を持つセラピストであれば、給与の安い新人を採用することが多くなります。
また、正規職員が無理でも、臨時職員として採用することもあるため、現場では給与面をはじめとした待遇の違いがでてきます。
仕事量は同じなのに賞与がない、有給休暇や特別休暇の取得日数に差があるなど、非正規職員はつらい思いをすることが多いです。
それに加えて、「業務量が多い」「休みがとれない」などのストレスを抱え続けると、離職につながる可能性が高くなります。
職員が定着しない職場であれば、指導する側される側ともに臨床業務時間が減少し、部門全体の生産性の低下にもつながります

チームとリーダーが必要な理由

どの職場でも、リハビリ科や理学療法部門など、まとまったチームは存在します。
しかし、人数が多い職場の場合、そこから少数のチームに分けることが望ましいです。
その理由を以下に解説します。

●科長などの管理職では全スタッフの管理までできない

科長などの管理職では全スタッフの管理までできない

「勤怠管理や健康管理などは管理職の仕事じゃないの?」と思うかもしれませんが、大きな病院で数十人のスタッフがいる場合、全員分の管理を行うことは困難です。
また、管理職は臨床業務以外にも科全体の収益性を試算したり、上層部との会議など業務量が多くなります。
患者さんの治療方針や自身の体調管理などについて相談しようと思っても、十分な時間を確保できないことも多いです。
そのため、管理者に代わる中堅スタッフがこれらの業務を担う必要があります
しかし、中堅スタッフといえども、1〜3年目のスタッフ全員を均等に指導することは難しく、リーダー1人とメンバー3人など、少数のチーム制にすることが望ましいです。

●現場の意見が反映されづらい

現状や今後の方針について検討する会議では、意見を述べるスタッフは限定される傾向にあります。
この記事を読まれている方でも、大人数の会議で「こんなことを聞いたら怒られるんじゃないか」、「新人のくせに生意気だと思われるんじゃないか」と思った経験はないでしょうか?
しかし、経験が浅いからこそ出てくる疑問や、ベテランが気づかないことを指摘できる場合もあります。
また、弱音を吐けずに無理をした結果、体調を崩して休暇をとらざるを得なくなるケースや、ストレスを抱えて離職につながるケースもあります。
自由に意見が言えない組織というものは、必ずどこかにひずみが生じるため、若手の意見をくみ取るチームリーダーの存在が重要になります。

●今後は若い管理者が増える?

今後は若い管理者が増える?

職場によっては、リハビリ部門の長が30代というケースも珍しくなく、今後若手が増えることによって、管理者の平均年齢も下がっていくでしょう。
しかし、多くの場合20〜30代は臨床業務が中心であり、管理者としての業務を学ぶ機会は少ないです。
そのため、中堅クラス(経験年数10年前後)のスタッフがマネジメント業務を学ぶためにも、チーム制を導入することは有用です。
チームリーダーは、業務量の把握・残業時間・ストレスの有無・今後の目標などを理解し、必要に応じてアドバイスや指導を行うとよいでしょう。

関連記事:チーム制のメリット・デメリット。急性期リハビリでの実際と効果

チームリーダーが心がけておくべきポイント

チームリーダーが心がけておくべきポイント

ここではチームリーダーが押さえておきたいポイントについてご紹介します。

●ビジョン・ミッションを明確にしよう

ここでいうビジョンとは、「自分たちがどうありたいか」、「自分たちの役割」などを意味します
いわばチームの行動理念というべきもので、結束を高めるために重要です。
以下にいくつか例を挙げてみます。

  • ◯患者さんの目線にたったサービスを提供する
  • ◯地域の急性期病院として、早期リハビリ・早期退院を目指す
  • ◯スタッフ一人ひとりが笑顔で働ける職場にする

一方のミッションとは、「ビジョンを形にするためにはどうするか」という具体的な行動内容になります。
上記ビジョンを参考にすると以下のようになります。

  • ◯リハビリ実施計画書はしっかり時間をかけて説明する
  • ◯他職種とのカンファレンスには積極的に参加する
  • ◯残業0を心がける

仮に、このビジョンが提示されていなければ、「説明になんて時間がかけられない」、「残業0なんて無理、現場をわかっていない」など、ネガティブな感情が生まれるかもしれません。
WHAT(行動)の前にWHY(なぜ)をしっかり提示すると、チームの結束力が高まるでしょう。

●Googleに学ぶ、心理的安全性を確保しよう

スタッフが自主性をもって働き、かつ生産性(収益・学術的な業績)をあげるためにはどうすればいいのでしょうか?
世界的大企業のGoogleが、生産性を向上させるために調査した「プロジェクト・アリストテレス」にその答えがあります
調査の結果、生産性の高いチームの共通点は以下の5つであると結論づけられました。

  1. 1)チームの「心理的安全性」が高いこと
  2. 2)チームに対する「信頼性」が高いこと
  3. 3)チームの「構造」が「明瞭」であること
  4. 4)チームの仕事に「意味」を見いだしていること
  5. 5)チームの仕事が社会に対して「影響」をもたらすと考えていること

これをリハビリ職種に当てはめると、以下のような例になります。

  1. 1)気軽に悩みを相談でき、意見を聞いてもらえる
  2. 2)急に体調を崩しても仲間が業務をサポートしてくれる
  3. 3)私は話し下手だけど研究は得意
  4. 4)リハビリ計画書は患者さん目線で書く
  5. 5)自分たちの仕事は、すべての人が地域で安全に暮らせる社会につながる

このなかでも特に心理的安全性が重要とされています。
チームリーダーは、若手の意志を尊重し、意見がでやすいような環境をつくることが重要になります。

結果を出せる最高のチームをつくるために

リハビリ業界では若いスタッフが多くなると同時に、若く優秀な管理者を育成することが求められます。
そのため、早いうちからチームリーダーとしてほかのスタッフをマネジメントすること、チームの業績をあげるためにスタッフ間の心理的安全性を得ることが重要です。
「残業0・ストレス0・離職0」の理想的な職場にするためにも、ぜひ部門でチーム制を取り入れてみてはいかがでしょうか?

参考:
日本理学療法士協会ホームページ.(2019年1月27日引用)
サイモン・シネック(栗木さつき・訳):WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う.日本経済新聞出版社,東京,2012.
ピョートル・フェリクス・グジバチ:世界最高のチーム グーグル流「最小の人数」で「最大の成果」を生み出す方法.朝日新聞出版,東京,2018.

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