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リハビリ病院の悩み

  • yukie

    公開日: 2019年02月27日

リハビリ職が申請できる研究費 協会・学会・財団など助成金の申請先を解説

理学療法士、作業療法士として臨床や研究に従事している人は、研究を行って自身の実績を築いていきたいところです。
研究費といえば大学などの教育研究機関にいる人だけが申請するものというイメージをお持ちの方も多いですが、臨床家が応募できる助成金制度も存在します。
ぜひ研究費のアプライに挑戦して、自身のスキルアップを図りましょう。

臨床家が応募できる助成金制度

リハビリ職が申請できる研究費・研究助成

理学療法士や作業療法士が研究費を獲得したいときには、次のような機関に申請することを検討してみましょう。

●理学療法士・作業療法士協会

理学療法士・作業療法士協会

日本理学療法士協会、日本作業療法士協会では、いずれも研究助成の制度を設けています。

名称 助成件数 助成金額
日本理学療法士協会 16件 指定研究:100万円
一般研究:100万円
日本作業療法士協会 4件 指定課題:100〜200万円(総額)
自由課題:30万円以内

※指定研究・指定課題とは、協会が指定するテーマを指す。一般研究・自由課題とは、それ以外の一般的な研究を指す。

どの枠で採択されるかによっても助成金額は異なりますが、比較的金額は多いです。
会員の方は各協会の研究助成をチェックしてみてはいかがでしょうか。

●各都道府県の士会

各都道府県の士会

各都道府県の理学療法士会、作業療法士会でも、研究費の助成を行っていることがあります。
一般的には、その士会の会員であること、会費の納入が済んでいることなどが条件となっています。

名称 助成件数 助成額
神奈川県作業療法士会 3件 20万円以下
埼玉県理学療法士会 5件 10万円以下

このように助成件数は数件程度であり、1県あたりの助成件数も多くはありませんが、いきなり大きな研究助成に応募するよりは敷居が低いです。
ただし、すべての士会で助成事業を行っているわけではないため、自身が所属する士会のホームページなどで確認してみましょう。

●学会

理学療法士や作業療法士の方は、見識を広めるために興味のある学会に所属しておきたいところです。
会員になれば学会誌などが送られてきて情報収集できることもメリットですが、研究費を申請するチャンスが広がるという側面もあります。
次の表に、研究助成を行っている学会の一例を挙げていきます。

学会名 助成件数 助成額
日本物理療法学会 3件以内 50万円以内
日本心臓リハビリテーション学会 4件 研究助成金:50万円
若手研究者奨励助成金:25万円
日本PNF学会 3件 5万円
日本作業行動学会 1件 25万円以内

申請者本人が学会会員であるか、学会会員を含んだグループが応募できる場合が大半です。
学会ごとに条件には違いがあるため、申請条件の詳細については、その学会・年度の募集要項を確認しましょう。

●学術雑誌・ジャーナル

すべての学術雑誌・ジャーナルが該当するわけではありませんが、その一部では研究助成を行っています。
たとえば、作業療法士なら誰もが知っている雑誌「作業療法ジャーナル」でも研究助成の申請をすることができます
助成金は30万円、研究期間の上限は3年間であり、集委員会が審査を行って1つの研究を選出するとされています。
申請者の資格は作業療法士の資格所有者であるため、臨床家でも申請可能ですが、採択件数がわずか1件なので狭き門となっています。
作業療法ジャーナルで研究の経過や結果を報告するため、研究成果を知ってもらえる利点もあります。

作業療法ジャーナル研究助成

●財団・基金

協会、学会、雑誌だけでなく、民間の財団や基金にも目を向けると、研究費を獲得できるチャンスは広がります。
財団や基金が掲げる助成目的に合致していれば、自身の研究テーマで申請できる可能性があります。

財団名 助成目的 助成額
一般財団法人
日本リハビリテーション振興会
リハビリ分野の医療・福祉における研究振興、利用者に対するサービス向上 50万円以内
一般社団法人
ALS基金(日本ALS協会)
ALSの克服、患者の医療および福祉の向上 分野Ⅰ・・・100万円以下
分野Ⅱ・・・50万円以下
公益財団法人
三菱財団
日本社会の学術、教育、文化、福祉の向上 約1億円(総額)
公益財団法人
JR西日本あんしん社会財団
安全で安心できる社会の実現 200万円以下

※ALS基金の分野Ⅰは原因究明・治療法、分野Ⅱは福祉機器の開発、看護、介護向上に関する研究。

上記はほんの一例ですが、医療や社会福祉にかかわる分野で研究助成を行っている機関はいくつも存在します。
助成件数が特に定められていないこともありますが、直近の採択件数やテーマを確認してみると傾向がつかめます。

大きな研究をしたい人は必見!教育研究機関で申請できる研究費

理学療法士・作業療法士の資格を持つ人の大半は臨床で働いていますが、大学などの教育研究機関に軸足を置く人もいます。
一般的に臨床家が申請できる研究費助成は上限が数十万円となることが多いですが、大学の研究員や教員になれば、申請できる研究費の種類も増えます
大学院に進学して学位を取得したあと、教育研究職のポストを得た人だけが応募できることも多いですが、研究に注力したい方なら知っておいて損はありません。

●科学研究費(科研費)

文部科学省と日本学術振興会が手がける「科学研究費助成事業」では、日本の研究者が行う研究の発展を目的として、研究費を助成しています。
「科学研究費補助金」の略である「科研費(かけんひ)」の名称で呼ばれることが多いです。
科研費はいくつもの種目に分類されており、基盤研究(S〜B)、若手研究(S〜B、スタートアップ)、挑戦的萌芽研究などがあります。
特に先駆的で規模が大きな研究では5,000万円〜2億円の助成額になることもあります。
多くの研究者は比較的助成費が少なく、採択件数の多い「基盤研究(C)」や「若手研究(B)」に応募しており、いずれも助成金額は500万円以下とされています。
助成額が少ないといっても、PT協会やOT協会、都道府県の士会が手がける研究費助成よりは金額が多くなります。
ただ、科研費を獲得するのは簡単なことではなく、研究者としてのキャリアの中で数回当たれば良いほうと考える人もいます。
リハビリ関連ではどのような研究課題が採択されているのか、データベースから探してみるのも参考になります。

科学研究費助成事業データベース KAKEN

●学内基金

各大学でも研究費の助成制度を有しており、数十万円程度の研究助成に採択されることがあります。
学内の研究助成とはいっても、意義ある研究に助成するため、申請書は必要ですし、審査も行われます。
その大学によってやり方や慣習、募集要項には違いがありますが、大学院生の研究が採択されることもあります。
ただし、修士課程の大学院生の研究が採択された実績はなく、博士課程の在籍者に限られる場合もあり、ケースバイケースといえます。
また、大学教員になれば学科や個人に毎年配分される教育研究費などもあり、学会費や備品費などをここから捻出していることも多いです。

理学療法士や作業療法士が研究費を獲得するには実績が必要

理学療法士や作業療法士が研究費を獲得するには実績が必要

研究費を獲得するにあたり、過去の「実績」が非常に大切になります。
実績の少ない若手でも申請できる研究助成制度はあり、科研費では2019年度から業績欄が廃止されるなどの動きもありますが、業績があるに越したことはありません。
研究助成の応募条件として一定数の業績が要求されることもあるためです。
次のような業績を築き、研究費の助成を獲得しやすい状況を作っていくことが望ましいです。

  • ●学会発表(国内学会、海外学会)
  • ●論文発表
  • ●研究費の獲得実績

リハビリの仕事をフルタイムで取り組んでいると、なかなか時間が取れないかもしれませんが、できるだけ多く業績を蓄積しておきましょう。
研究助成制度によっては「筆頭で◯本以上の学会発表(論文発表)」など具体的な応募条件が設定されている場合もあります。
共同研究の手伝いをすることも大切ですが、基本的には筆頭演者・著者として実績を構築することが望ましいです。

なお、研究助成に応募するときの申請書の書き方については、こちらの記事(医療従事者が作成する研究費申請書 書き方のコツを解説)も参考にしてみてください。

研究費の申請・獲得を通してスキルアップにつなげよう!

リハビリ職としてスキルアップしたい方は、研究費の助成制度を利用してみることもおすすめです。
「敷居が高い」「自分の研究は採択されないだろう」と決めつけず、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。
申請書を書く過程においても、論理的思考や研究計画の立て方を身に付けることができます。

(※本記事の助成件数や助成金額に関しては執筆時点で公開されている募集要項や採択結果をもとに記載しています。年度により異なる可能性があるため、詳細は各機関のホームページ等でご参照ください。)

  • yukie

    公開日: 2019年02月27日

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