整形外科・リハビリ病院が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年03月27日
  • リハビリ病院の悩み

リハビリでホームエクササイズを提供する方法は?家庭での実践に結びつくアイデアも解説!

患者さんの生活のうち、理学療法士や作業療法士が介入できる時間は限られています。
そのため、ホームエクササイズやホームプログラムを提供したいところですが、「業務が忙しくてそこまで手が回らない」という方も少なくありません。
今回は、家庭で行ってもらう自主トレーニングを提供するにあたり、どうすればセラピストの負担が減り、患者さんが継続できるのか、アイデアをご紹介します。

リハビリでホームエクササイズを提供する方法は?

ホームエクササイズの伝え方1:都度、メモを書く

ホームエクササイズの伝え方1:都度、メモを書く

患者さんのニーズや状態にあわせて、その都度ホームエクササイズを考え、イラストやメモなどでお伝えするということも可能です。
「口頭で伝える」ということもできますが、なかなか実践に結びつかないため、リハビリの終わりに簡単なメモを用意してお渡ししてみましょう。

●イラストを描いて伝える

口頭だけで伝えても、患者さんにはなかなか理解しにくいホームエクササイズとなってしまうことがあります。
絵心のあるセラピストであれば、簡単なイラストを描いて運動や体操のやり方を説明することができます。
棒人間のような簡単なイラストであっても、なにもないよりは手がかりとなります。

●箇条書きのメモで伝える

すでにリハビリの中でも行っているエクササイズで患者さんが習得できており、特に説明がいらない場合などは簡単なメモでも十分でしょう。
たとえば、「スクワット10回 ももあげ10回 朝晩1セットずつ」など手がかりとなるようなメモがあるだけでも忘備録になります。
「なにを何回」というメモをよく書くのであれば、すぐに書き込める穴埋め式のフォーマットを作り、印刷しておいても時間の短縮になります。

ホームエクササイズの伝え方2:すぐに渡せる資料を用意

ホームエクササイズの伝え方2:すぐに渡せる資料を用意

その場でメモやイラストを用意してお渡しすることもできますが、リハビリ職は次から次へと患者さんの訓練に入らなくてはなりません。
わずか数分しかかからない作業であっても、多忙なスケジュールの中では大変だと感じることがあるものです。
ホームエクササイズを伝えるという業務を効率化するために、次の2点も参考にしてみてください。

●部門でホームエクササイズの資料を作成

ホームエクササイズは、リハビリ部門というよりもセラピストが個人で用意しているケースが大半ではないでしょうか?
したがって、ホームエクササイズをお伝えしているかどうか、どんな内容を指導しているかは、個人の裁量に任されている側面が大きいです。
基本のホームエクササイズについては一度作成しておくとリハビリ部門で共有し、似たニーズのある患者さんに使い回すことが可能です。
病院のリハビリ室では評価用紙を種類別に保管しますが、その中に「上肢の体操」「下肢の体操」「コッドマン体操」「リウマチ体操」などの資料を加えます。
やり方や注意点などを書き加えておいて、必要な患者さんにいつでもお渡しできるようにしておくとセラピストの業務負担が減ります。

●コピーを患者さんに渡せる書籍を活用

通常、本をコピーして配布するとなると著作権の問題などがネックになります。
しかし、医歯薬出版の「リハビリテーション・ホームエクササイズ 患者さんに渡せる自主トレーニング127」という本であれば、患者さんに使うときのみコピーが許可されています(※第2章「エクササイズの指導例」のみ)。
自分でイラストを用意したり、図を書いたりする必要がないため、最も手軽にお渡しできるホームエクササイズといっても過言ではありません。
セラピストからすれば簡単な「足の屈伸」であっても、患者さんにとっては難しいこともあります。
プリントがあるとわかりやすいですし、それを見ることでホームエクササイズの動機づけになるものです。
なお、こちらの書籍にはCD-ROMも付属しており、写真をプリントアウトして患者さんにお渡しすることが可能です。
プリントアウトした用紙を用いて、患者さんに説明しながら要点を書き加えるのも親切な指導になるでしょう。

amazon リハビリテーション・ホームエクササイズ CD-ROM付 患者さんに渡せる自主トレーニング127

リハビリのホームエクササイズを自宅で継続してもらうポイント

リハビリのホームエクササイズを自宅で継続してもらうポイント

「次回のリハビリまでにこれをやってきてください」といわれても、それだけで継続してくれる方はそう多くありません。
最初のうちはホームエクササイズに取り組んでくれても、次第にやらなくなってしまうということはよくあります
リハビリのホームエクササイズを自宅で継続してもらうために、セラピストができることをお伝えします。

●プログラムのマンネリ化を防ぐ

患者さんの性格によって、一度覚えた運動・体操をコツコツ続けられる方もいますが、やはり「飽きてしまう」という方もいます。
同じプログラムを続けることによるマンネリ化を防ぐため、患者さんの状態に応じて「今度はこんなことに挑戦してみませんか?」と提案してみてください。
いきなり内容を変えると最初からやり方を覚えなくてはならないため、少しずつ内容を見直してレベルアップしていくイメージで進めると良いでしょう。
実践してもらったホームエクササイズの感想も聞きながら、負荷や内容を調整してみてください。

●「いつ」だったら取り組めそうか検討する

患者さんのライフスタイルから考えて、具体的にどのタイミングであればホームプログラムに取り組めそうなのか話し合って検討することも方法です。
たとえば、早起きの患者さんで、朝食を用意するまでに時間の余裕があるということであれば、そこでエクササイズすることをルーティン化しやすくなります。
「起床後」「昼食後」「夕食前」など具体的に取り組む時間を決めることで、実践に結びつきやすくなることもあります。
患者さんとしても「いつ」「なにをすべきか」が具体的に提示されることで行動に移しやすくなる方はいます。

●患者さんのやる気を引き出す工夫をプラス

普段のリハビリにおいても同様ですが、セラピストがいかにして患者さんのモチベーションを引き出すかは重要なポイントとなります。
どんなにすばらしいプログラムを立案しても、やる気がなければ実践してもらうことはできません。
なにがその患者さんの動機づけにつながるのかは、ケースバイケースです
自宅でも運動に取り組む必要性を理解してやる気が出る方もいますし、言葉で褒めてもらうことで張り合いが出る方もいます。
過去の評価よりも成績が上がったときに、「◯◯さんがホームエクササイズを頑張ってくれているからですね」と言葉でフィードバックすることが効果的な場合もあります。
あるいは、ホームエクササイズを行った日に◯印をつけるカレンダーでやる気が出ることもあります。
どうすれば患者さんのモチベーションを高めることができるのか、自分の中で引き出しを増やしておくことが大切です。

なお、リハビリにおけるやる気の引き出し方については、こちらの記事(リハビリのやる気を引き出すために PT・OT が気をつけたいポイント)でも解説しています。

「リハビリ以外の時間」にも間接的に関わろう!

リハビリを行う過程で、患者さんの心身機能が回復していくことが実感できると、セラピストとしてとてもうれしいものです。
患者さんの機能を効率的に高めていくためには、「リハビリ以外の時間の過ごし方」に関してなにを提供できるかが大切になります。
現実的にはリハビリ業務が忙しくてホームプログラムに手が回らないセラピストもいますが、今回ご紹介したヒントをもとに家庭での自主トレも提案してみてください。

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)