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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年03月29日
  • リハビリ病院の悩み

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英語の医学論文を書くときに使える表現や単語 書き方のコツもご紹介!

医師や医療従事者の方が英語で論文を書いてアクセプトされると、キャリアの面で大きな実績となります。
ただ、「英語の医学論文でみかける英単語がわからない」「どう書き出せば良いかわからない」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、英語の医学論文を書くときに役立つ頻出単語、表現や書き方のコツをお伝えしていきます。

英語の医学論文を書くときに役立つ頻出単語、表現や書き方のコツ

英語の医学論文で頻出する単語とは?

英語論文を自分で書くために、学術論文で特に使用することが多い英単語、英語表現については頭の中に入れておきましょう。
英語の論文を読む習慣があれば自然と単語の知識も増えていくため、日頃からコツコツ論文を読むことが大切です。
次に、医学系の英語論文でよく目にする英単語をいくつかご紹介します。

●動詞

定義する、明確にする define
示す・示唆する show、suggest、reveal、indicate、present
収集する collect
検出する detect
観察する observe
測定する measure
概算する、推計する estimate
開発する develop
組み合わせる combine
必要とする require
除外する exclude
除去する eliminate
追跡する follow
増える increase
減る decrease
分析する analyze
検証する examine
調査する investigate
決定する determine
行う、実施する conduct、perform
評価する evaluate、assess
明らかにする clarify
特徴づける characterize
改善する improve
割り当てる assign

●名詞

研究 study、research
実験 experiment
目的 purpose、aim
仮説 hypothesis
試験、試行 trial
方法 method
手続き procedure
機器 equipment
結果 result
精度 accuracy
アーチファクト artifact
影響 effect
相関 correlation
対象者、被験者 participant、subject、patient
診断 diagnosis
母集団 population
包含基準 inclusion criteria
除外基準 exclusion criteria
倫理委員会 ethics committee
ランダム化比較試験 randomized controlled trial
figure
table

このほか、肥満(obesity)、骨粗鬆症(osteoporosis)、慢性疾患(chronic disease)など、疾患や症状にかかわる単語も覚えておく必要があります。
自身の専門分野で使う単語は覚えておくと、論文を読むときにも書くときにもスムーズになります。
よく使う単語は論文を読みながらリストアップして覚えてしまうと、その後の作業が効率的になります。

英語の医学論文でよく使う基本表現・定型文

英語の医学論文を書くときには、いくつか「定型」ともいえる表現があります。
研究の内容や方法に関しては領域によっても表現に違いが出てきますが、ここではどの分野でも共通して使用されている基本的な表現を中心にまとめました。

●目的の説明

研究の目的を説明するときは、このような表現がよく用いられています。

The purpose of this study was to…
The aim of this study was to…
本研究の目的は…
We aimed to… 我々は…を目的とした。
This study was performed to… 本研究は…するために行った。

「研究」や「調査」を表す単語は、study、research、experiment、investigationなどから適当なものを選択しましょう。
目的について述べるときは「purpose」や「aim」などの単語をよく使います。
また、こうした単語が主語のときは、動詞が過去形になることに注意してください。
「to」のあとにはto不定詞で動詞の原形が入りますが、investigate、determine、assess、clarifyなどから内容に合ったものを選びます。

●図表の説明

図は「figure」、表は「table」といいますが、日本語の論文でも「図1に示す通り…」といった文言をよく用いるでしょう。
英語でもそれに相当する表現がいくつかあるため、こちらも覚えておきましょう。

Figure 1 shows 図1は…を示している。
…is shown in Figure 1 …は図1に示されている。
…is presented in Table2 …は表2に示されている。

英語論文の場合、このように「show」や「present」などの単語を使って表現できます。
補足説明を入れたいときは、「Lower scores indicate…(低いスコアは…を示す)」などと続けて記述しましょう。

●引用の説明

Discussion(考察)のパートでは、自身の研究や過去の研究・論文で明らかになっていることをもとに論じていきます。
本文中で先行研究の論文を引用するときには、次のような表現を使うことができます。

According to… …によると
(人物) mentions that… (人物)が…と言及している。
(人物) states that… (人物)が…と述べている。

なお、論文の著者は複数いることが一般的であり、著者が多いときには「その他」を意味する「et al.」をつけて省略します。
本文中で著者の名前を引用する場合、何名を超えたときに「et al.」をつけるのかはジャーナルによって異なるため、投稿先の慣習に合わせましょう。

英語の医学論文の書き方のコツ4つ

医学論文を英語で書くとき、文章の質をより高いものにするため、次にご紹介する4つのコツを意識してみてください。

1.一人称を少なくする

英語の論文を読むと、一般的な英文とは異なり、一人称が少ないことに気がつきます。
もちろん「我々は」という意味で「We」を使用することもありますが、「It」や「There」などの無生物主語に置き換えられることがとても多いのです。
一人称が多すぎると主観的な文章という印象になるため、多用は控えるようにしましょう。
ただ、すべての文で一人称を回避すべきというわけではなく、流れや内容に応じて、意図があれば使用しても問題ありません。

2.受動態を多く使用する

英語の論文では、受動態をよく使用しますが、あらゆる表現を受動態にすれば良いというわけではありません。
たとえば、実験で使用する機器の説明などは、「誰が使用したか」はあまり問題にはならないため、受動態にすることをおすすめします。

  • (能動態)We used three-dimentional motion capture system to assess body movement.
  • (受動態)Three-dimentional motion capture system was used to assess body movement.

どちらも間違いではなく、論文で使用することができますが、一般的な英文とくらべて学術論文では受動態が好まれる傾向にあります。
また、あえて動作の主体に言及することを避けたい場面もありますが、例として「We found an error」というよりも、「An error was found」と受動態にしたほうが印象はよくなります。

3.ネイティブが書いた英語表現を参考にする

ネイティブが書いた英語表現を参考にする

実際にネイティブが書いた英語論文を参考にすると、英語が苦手な方でもある程度の形に仕上げる手がかりになります。
もちろんほかの論文で使われている表現をコピーアンドペーストすれば、剽窃とみなされてしまいます。
1文でもほかの論文と同じになってはいけませんが、動詞や熟語の使い方など、基本的な英語表現に関しては参考にできる部分が多いです。
文章を真似するのではなく、自分の中で英語表現の「ストック」を作っていくことを心がけましょう。

4.日本語から英語に訳さない

医学論文を書くとき、最初から英語で書く人もいれば、先に日本語で書いてから英語に訳していく人もいます。
日本語を書いてから英語に訳すと、そもそも言語の構造が異なるため、意味がうまく通らないことも多いです。
執筆者は言いたいことを理解できますが、ネイティブがみると違和感を覚えることも少なくありません。
日本語で書いて準備をするとしたら、論文の軸となる流れだけを箇条書きにするなど、メモ程度にとどめると良いでしょう。
日本語で完全に原稿を書くと二度手間になってしまうため、最初から英語で論文を書くことをおすすめします。

なお、英語論文を執筆するときには、校正や翻訳サービスを利用する方もいます。
こちらの記事(医学系の英語論文を書くときに活用したい校正・翻訳サービス)で詳しく解説しているので、ご興味のある方はご一読ください。

英語で論文を書く力を自分の財産に!

若手医師、医療従事者の方は、医学論文を英語で書くとなると、「なにから手をつけて良いかわからない」とお悩みだった方もいるでしょう。
ただでさえ臨床業務は多忙なのですが、地道に英単語や英語表現を覚え、英語で論文を書く練習をしてみてください。
自身の力で英語論文が書けるようになると大きな財産となります。

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。

    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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