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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年03月29日
  • リハビリ病院の悩み

インパクトファクターとは?意味や調べ方、医学分野における考え方を解説

研究の世界でときどき耳にする「インパクトファクター」という言葉があります。
インパクトファクターは学術雑誌を評価する指標のひとつであり、論文の投稿先を検討する際にも判断材料になります。
今回はインパクトファクターの定義や調べ方、具体的な計算方法についてご紹介します。

インパクトファクターとは

インパクトファクターとは

インパクトファクターによって学術雑誌の質を知ることができますが、具体的にはなにに基づいて評価しているのでしょうか。
まずはインパクトファクターの定義や数値の算出方法について知っておきましょう。

●インパクトファクターの定義

インパクトファクターは、文献の引用率のことであり、そのジャーナルがどれくらいの「重要度」や「影響力」を持っているか定量的に評価する指標のひとつです。
研究者としての実績は学会発表や論文の数、研究成果などが大切になりますが、ジャーナルの評価についてはインパクトファクターが重要となります。
インパクトファクターは英語で「Impact Factor」と書き、「IF」と略して使われることもあります

●インパクトファクターの計算方法

インパクトファクターは文献の引用率を表すものですが、計算式があります。
次の例をもとに、インパクトファクターの計算方法について確認しておきましょう。

  • A…2018年、2019年に学術雑誌Xに掲載された論文の総数
  • B…2018年、2019年に学術雑誌Xに掲載された論文が、2020年中に引用された合計回数

この場合、インパクトファクターを求める計算式は「B÷A」となります。
つまり、引用回数の合計を論文総数で割ることによって、1論文あたり何回引用されているかを示すことができるのです。
仮に数値が「5.8」であれば、2020年の一年間に1論文あたり平均5.8回引用されているという意味になります。

簡単にわかる!インパクトファクターの調べ方は?

インパクトファクターを調べる方法はいくつかありますが、今回は会員登録などが必要ない簡易的な調べ方をお伝えします。
必ずしも最新の数値が公開されているとは限りませんが、簡単に把握することができるので、おすすめの調べ方です。

1.検索エンジンで調べる

1.検索エンジンで調べる

Googleなどの検索エンジンで、調べたい雑誌名に「impact factor」や「インパクトファクター」とプラスして検索してみると、意外とヒットすることが多いです。
これが一番簡単な方法であるため、まずは一度試してみると良いでしょう。

2.Elsevierで雑誌名を入れて検索する

2.Elsevierで雑誌名を入れて検索する

Elsevierで英語の雑誌名を入れて検索してみると、「Journal Metrics」という項目が表示され、そこでインパクトファクターが記載されていることも多いです。
「Impact factor」「5-Year Impact Factor」などの項目に分かれています。

Elsevier

3.雑誌の公式ホームページで調べる

各ジャーナルでは公式のホームページを有しており、そこで投稿規程などを公開していることが多いです。
ケースにもよりますが、公式ホームページでも「Journal Metrics」といった見出しで直近のインパクトファクターが公開されていることが少なくありません。
日本語の学術雑誌であっても、インパクトファクターを公開している学術団体はあります。

すべての雑誌の数値がすぐに見つかるわけではありませんが、上記の調べ方で把握できる場合も多いです。
普段読んでいる学術雑誌について、どれくらいの影響力があるのか調べてみてはいかがでしょうか?

医学論文におけるインパクトファクターの考え方

医学論文を投稿するときは、どれくらいのインパクトファクターの雑誌を目指していけば良いのでしょうか?
計算方法がわかっても、具体的にどれくらいの数値が目安になるのか見当がつかない方もいることでしょう。
医学分野におけるインパクトファクターに対する考え方について整理していきます。

●医学論文のインパクトファクターはどのくらい?

●医学論文のインパクトファクターはどのくらい?

インパクトファクターの数値に関しては、分野によっても目安が異なります。
たとえば、数学系であれば「5」でもかなり高い水準となりますが、医学系の場合はその10倍以上の数値になるジャーナルも存在します。
次に、医学関係のジャーナルの一部を例として、実際の数値をみてみましょう(※いずれも2017年のデータ)。

このように、インパクトファクターの数値は上から下まで幅が広いです。
数値が1桁であってもアクセプトされるまでの道のりは長いですし、面白い論文はたくさんあります。
数値が高ければ、多くの人が読む可能性があるととらえておくと良いでしょう。
そして、この数値はあくまでも雑誌全体の評価であり、論文個々の評価や影響力を扱うものではないということはよく理解しておく必要があります。

●症例報告と原著論文のバランスにもよる

たとえば、日本超音波医学会の英文誌「Journal of Medical Ultrasonics」では、2017年のインパクトファクターが0.677となっています。
この雑誌では、症例報告の割合が約4割であり、それによって引用数が少ないと考えられています。
症例報告は臨床で経験・発見したことを他者と共有する上で価値がありますが、どうしてもエビデンスレベルは低くなります。
ジャーナルがどのレベルを求め、どれくらい厳格に審査しているかという側面もありますが、原著論文と症例報告の割合によっても雑誌のインパクトファクターは左右されるでしょう。

●オープンアクセスの影響もある

オープンアクセスとは、論文などの学術情報を、インターネットで誰でも無料で閲覧できる状態にすることを指します。
無料で論文を見ることができると多くの人の目にとまるため、その論文の引用回数が増える傾向にあります。
つまり、インパクトファクターが高ければ必ず内容が優れているということではなく、「無料の論文」という要素の影響もゼロではありません。
こちらも数値に影響を与えるひとつの要因として、頭の片隅に置いておきましょう。

インパクトファクターは論文を投稿する雑誌選びの参考に!

インパクトファクターは論文を投稿する雑誌選びの参考に!

インパクトファクターが高い雑誌でのアクセプトを目指すには、厳しい審査に耐えられるだけの綿密な研究計画が必要になります。
影響力の大きな雑誌への投稿を目標にすることによって、自身のスキルアップにもつながるのです。
最初は手の届きそうなジャーナルで論文を書いて投稿する経験を積み、徐々に難易度の高い雑誌を目標にしていくことも方法です。
研究者として飛躍するためには、論文の数を仕上げることも求められますが、自分の研究論文が多くの人に読まれ、多くの論文で引用されることも大切です。
学術雑誌の質は上から下までさまざまですが、少しでもインパクトファクターの高い雑誌への投稿を目標としてみてはいかがでしょうか?

インパクトファクターで学術雑誌の影響力を確認

インパクトファクターを調べてみると、どれくらい影響力がある雑誌なのか知ることができます。
論文を投稿するときはもちろん、論文を読むときにも、どれくらいの影響力がある雑誌なのか、調べてみてはいかがでしょうか。
ひと言で学術雑誌といっても質や評価はさまざまなので、それを探るひとつの指標としてインパクトファクターを参考にしてみましょう。

参考:
公益社団法人日本超音波医学会 英文誌「Journal of Medical Ultrasonics」のインパクトファクター値について.(2019年3月28日引用)

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  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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