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クリニック・治療院 OGメディック

  • 奥村高弘

    公開日: 2019年04月26日
  • リハビリ病院の悩み

速報!第1回腎臓リハビリテーション指導士認定試験の合格率と試験対策は?

2019年3月に第1回目となる腎臓リハビリテーション指導士の認定試験が行われました。
新設された資格であるため、合格率やその対策について気になる方も多いでしょう。
日本腎臓リハビリテーション学会が公表しているデータを参考に、今後の取得に向けた対策などについてご紹介します。

日本腎臓リハビリテーション学会が公表しているデータを参考に、今後の取得に向けた対策

受験者数と気になる合格率は?

受験者数と気になる合格率は?

腎臓リハビリテーション指導士はリハビリ専門職をはじめ、さまざまな職種が受験できます。
ここでは、第1回認定試験の受験者数と職種割合、そして合格率についてまとめてみます。

●受験職種数No.1は理学療法士

受験前の出願者は304名ですが、このなかの10名は「2年以上の会員歴がない」、「症例報告書が適切に記載されていない」ことを理由に、受験不可となっています。
最終的な受験者数は290名であり、内訳は以下のようになっています。

医師 看護師 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士
41名(14%) 19名(7%) 189名(65%) 11名(4%) 2名(1%)
臨床検査技師 管理栄養士 臨床工学技士 臨床心理士 健康運動指導士
2名(1%) 2名(1%) 14名(5%) 1名(1%) 4名(1%)

※( )内は全体数に対しての割合 小数点3桁以下は四捨五入

受験者の職種で圧倒的に多いのは理学療法士であり、次いで医師、看護師の順となっています。

●合格率はなんと98%!その理由にせまる

資格試験で合格率98%というと驚異的な数字であり、これだけ見ると「難易度は低いの?」と思うかもしれません。
腎臓リハビリテーション(腎リハ)の歴史はまだ浅いですが、今後の腎疾患患者さんの急増とともに、包括的なアプローチは必須となります。
学会側としても、まずは資格保有者を一定数誕生させ、今後の腎リハの発展につなげていく必要があります
あくまで筆者の私見ですが、第1回の認定試験では、解剖生理、運動処方、栄養管理などをはじめ、各分野における基本的な内容が問われたのかもしれません。
また、受験者のなかには心臓リハビリテーション指導士の資格を有する方もいるため、ある一定レベルの基礎知識を有している受験者が多かったのではないでしょうか。

受験は早いほうがいい?ほかの資格との比較

新設された資格であるため、今後の受験を考えている方もいると思いますが、難易度や合格率は年々変化することに注意が必要です。

●ほかの認定試験との合格率を比較すると

◯呼吸療法認定士

呼吸療法認定士

1996年に行われた第1回認定試験の合格率は69.6%であり、標準的な数値といえるでしょう。
しかし、第2回では58.5%、第3回では55.4%と10%以上も合格率が下がっており、2018年の第23回認定試験まで初回の69%を超える合格率はありません

◯心臓リハビリテーション指導士

心臓リハビリテーション指導士

心臓リハビリテーション指導士に関しては、2000年に行われた第1回認定試験の合格率は92.7%となっています。
第2回認定試験は70.3%、第3回は79%と比較的高めの合格率になっていますが、やはり初回の合格率を超える年はありません
特に、ここ数年は60%台が続いており、2018年(第19回)の合格率は60.7%とかなり低下しています。

●回を重ねるごとに取得難易度は上がる?

前述した合格率の推移をみるかぎり、「早いうちに受けたほうが合格する可能性が高いんじゃないの?」と思うかもしれません。
実際、2018年度の心臓リハビリテーション指導士認定試験を受験したスタッフに話を聞くと「難しかった」、「あんな問題でるの?」などの意見がありました。
しかし、一概に合格率だけで試験の難易度を測ることは困難です。
その理由の1つに、新設された資格が普及すると興味をもつ医療職が増えてくるため、受験者のなかでも実務への影響度や個々の知識量に差がでてくる可能性があります。
その一方で、主催者側の意図も合格率に影響を及ぼす可能性もあります。
「まずは専門知識をもった認定士を誕生させ、専門性の向上や普及活動につなげる」という考えがある場合、第1〜2回の認定試験は易しくなるかもしれません。
その後、指導士数の増加や社会情勢の変化とともに、求められるスキルが高くなると、試験の難易度も上がることが予想できます。
身もふたもない話となりますが、結論としてはしっかり勉強して早めに受験することが最善かもしれません。

合格にむけた勉強法と参考テキスト

合格にむけた勉強法と参考テキスト

ここでは、学会による講評をもとに、合格にむけての勉強法をご紹介したいと思います。

●受験不可にならない症例報告書の書き方

症例報告書の記載が不十分であると受験自体が不可になるため、「せっかく勉強を始めたのに」と肩をおとすことになるでしょう。
試験の講評のなかにも記載されているとおり、「いつ・誰が・なにをした」などの経過レポートで終わってはいけません
「◯◯の評価に基づいて、△△の強度で運動を行った」や、「◯◯の理由で塩分を△△gに制限した」など、具体的に記載する必要があります。
また、すべてがテンプレのような記載になるのではなく、患者さんの状態に合った個別の評価が行えていることが重要です。
自分だけでわからないのであれば、医師や看護師、管理栄養士さんなど他職種と相談することも大切です。

●筆者がおすすめする2つの書籍をご紹介!

学会がホームページ上に掲載した講評をもとに、ここでは2つの書籍についてご紹介します。

◯腎臓リハビリテーションガイドライン

学会ホームページにおいて、「腎臓リハビリテーションガイドラインから主に出題された」と明記されているため、これは必読でしょう。
代表的な疾患について、運動療法をはじめとする包括的なアプローチの効果について述べられています。
「透析患者さんに対しての運動療法は推奨される」など、効果だけでなく各エビデンスレベルについてもしっかりと覚えておきましょう。

◯実践!腎臓リハビリテーション入門

著者は、腎臓リハビリテーション学会の現理事長である上月正博先生であり、はじめて腎リハに携わる方でも理解しやすいように書かれています。
まずは運動処方、食事療法、薬物療法などの基本部分をしっかりと理解することが重要であり、またこれらの知識は心疾患や糖尿病患者さんの指導などにも役立ちます。

◯必携!心臓リハビリテーション

腎臓リハビリテーションにおける運動療法では、独自の運動中止基準などは定まっておらず、心臓リハビリの基準に準ずることが多いです。
また、CPXなどの運動負荷試験についても詳しく書かれているため、目を通しておくことをおすすめします。

関連記事:腎臓リハビリテーション指導士を取得するには?最新情報をお伝えします

腎臓リハビリテーション指導士を目指す方へ

腎臓リハビリテーション指導士は、リハビリ専門職が取得できる新たな資格として注目されています。
今後、心疾患や腎疾患の患者さんが増えてくるなか、専門的な知識・資格をもったセラピストの価値は高まるといえるでしょう。
また、腎臓リハビリを学ぶことは、心疾患や糖尿病患者さんの指導をする際にも有効であり、取得するメリットが多いことも事実です。
合格するための近道はありませんが、適切な症例レポート、生活習慣の指導に関する基礎的知識、ガイドラインの熟読という3つのポイントはしっかりおさえておきましょう。

参考:
日本腎臓リハビリテーション学会ホームページ.(2019年4月21日引用)
公益財団法人 医療機器センターホームページ.(2019年4月22日引用)
特定非営利活動法人 日本心臓リハビリテーション学会ホームページ.(2019年4月22日引用)

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