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リハビリ病院の悩み

維持期リハビリの制限・減算対策!整形外科や病院でデイケアを実践するコツ

縮小が懸念される維持期リハビリの制限や減算、その対策として短時間デイケアの開設という方法があります。
今回は、整形外科で短時間デイケアを立ち上げ、維持期リハビリの受け皿として実践している筆者が、そのノウハウをお伝えします。

整形外科の維持期リハビリ減算で想定される打撃とは?

2016年度の診療報酬改定において、維持期リハビリは以下のように減算がありました。

  • 1) 要介護被保険者等の維持期リハビリテーション料が100分の60に減算
  • 2) 介護保険リハビリ未実施の施設では、さらに100分の80に減算
  • 3) 目標設定等支援・管理料を算定していない場合、さらに100分の90に減算

つまり、整形外科クリニックで運動器リハビリテーション料(1)を算定していて、すべての減算に該当した場合、以下のような報酬となります。
例) 運動器リハビリテーション料(1):185点→80点
以上のように大幅な報酬減となってしまいます。
さらに2018年度以降の改定において、要介護被保険者などの維持期リハビリの実施そのものができなくなる可能性もあるため、施設が受けるダメージは少なくありません。
また、減算になるからといって要介護被保険者などの維持期リハビリテーションをやめてしまうのも得策とはいえません。
通所サービスや高齢者向けのフィットネスジムなどの競合相手がいる現状では、要介護被保険者の方に利用してもらうことは必要なことです。
そこで、有効な対策になるのが短時間デイケアの実践です。

維持期リハビリの受け皿に!短時間デイケア実施のメリット

維持期リハビリによるダメージを回避するためには、短時間デイケアを実施して、国の目指す方針でもある、医療保険リハビリから介護保険リハビリへの移行をスムーズに行う必要があります。
しかし、実際にどのようなメリットがあるのかを具体的に知らなければ、実践することは難しいといえます。
そこで、短時間デイケア実施のメリットをご紹介します。

●維持期リハビリ継続による減収を回避できる

先ほど、要介護被保険者などの維持期リハビリを継続した場合に生じる、減算の具体例を紹介しました。
同じように、短時間デイケア実施による介護報酬の具体例を以下に示します。

  • 例) 要介護1・通常規模型通所リハビリテーションの場合
  • 通所リハビリテーション費:329単位/回
  • リハビリテーションマネジメント加算:230単位/月

以上のように、減算された場合の運動器リハビリテーション料とくらべると、大きな差があることは一目瞭然です。
つまり、維持期リハビリ継続による減収を回避する方法として魅力的な対策なのです。

●リハビリ期間の制限はなし。長期の顧客獲得ができる

今後の診療報酬改定の方針として、要介護被保険者などの維持期リハビリが実施困難となる可能性が高く、疾患別リハビリテーションの実施期間だけしかリハビリが行えないという制限が生じます。
その点、介護保険リハビリはリハビリ期間の制限はありません
そのため、長期の顧客獲得が可能となるというメリットがあります。

●多彩なニーズに応える、地域に根ざしたクリニックとして評判に

筆者の働くクリニックでは、医療保険のリハビリを実施している患者さんなどから、年齢を重ねても送迎付きでしっかりリハビリをしてもらえるという口コミが広がりました。
結果として、短時間デイケアの利用者さんだけでなく、医療保険のリハビリ患者さんも増加しました。
短時間デイケアの実施により、いつまでもしっかりとリハビリをしてくれるというイメージをアピールできます。

実践者が語る!整形外科で実施した短時間デイケアのポイント3つ

メリットがあっても、短時間デイケアを実践するには課題もあります。
そこで、実際にクリニックで短時間デイケアを開設・運営した筆者の経験を元に、短時間デイケアを実施するためのポイントを3つ厳選してお伝えします。

●最大の課題、送迎の工夫

多くのクリニックを悩ます課題が送迎です。
筆者の働く事業所では送迎専属スタッフを採用し、ピストン送迎を実施しています。
長時間のデイケアとは違い、いかに回転をよくするかが短時間デイケアの運営には必要です。
そのため、1日を複数のクールに分けて、第1クールの方を送るとともに、第2クールの方を迎えに行くというような方法が効率的です。
また、長時間デイケアとは違い、外来リハビリの延長として短時間デイケアを利用される方が多く、家族や本人の希望で送迎が必要ない場合も少なくありません。
その場合は送迎減算がありますが、送迎にとられる人件費を考えれば、大きなダメージにはなりません。
面白い方法としては、送迎をタクシー業者に委託するという方法もあるようです。

●サービス内容の工夫

サービス内容を工夫するには、整形外科クリニックという専門性を存分に生かすことが重要です。
長時間のデイケアでは、利用時間内でセラピストが関わる割合は少なくなってしまいます。
その点、外来のリハビリと遜色ない関わりを行うことで、リハビリニーズの高い方の満足度を高めることができます。
さらに、サービスの質を高めるために、残りの滞在時間で整形外科クリニックの売りである医師の指示に基づく物理療法やリハビリ機器を利用した効果的な自主トレーニングを実施してもらいましょう。
また、短時間デイケアの利用はケアマネジャーがケアプランに組み込む必要があります。
そのため、得られた変化やリハビリによる成果を積極的に報告し、ケアマネジャーとの連携をしっかりとることで、営業効果も得られます。

●人員配置の工夫

2018年度の報酬改定では、短時間デイケアにおいて、人員基準や施設基準の要件緩和が見込まれます。
そのため、医療のリハビリスタッフと兼務させて、外来リハビリの隙間時間を利用することで、医療と介護の両サービスにおいて効率的な運営をすることができます。
実際、筆者の働くクリニックでも、兼務のセラピストを配置して、効率的にリハビリ業務に取り組めるようにしています。
介護スタッフが必要な場合は、パートタイマーのスタッフを活用すると良いでしょう。
サービス提供時間に重点的にスタッフを配置し、自主トレーニングや物理療法の補助、集団体操といった業務を任せます。
そうすることで、リハビリスタッフが個別に関わる時間以外を有効に活用し、効率的にサービスの提供を行うことができます。

まとめ

短時間デイケアの実施は、維持期リハビリの制限・減算への対応だけでなく、幅広いニーズに対応できる施設としての売りにもなります。
2018年度改定でも、医療保険から介護保険への移行が促されるため、実施のチャンスです。
今回ご紹介したポイントを参考にしていただき、整形外科クリニックとして培ったリハビリノウハウを生かした、短時間デイケアの実施を行ってみてはいかがでしょうか。

参考:
厚生労働省 平成28年度診療報酬改定について(2018年1月18日引用)

藤田理恵,他:当院における短時間(1~2時間)通所リハヒ゛リテーション事業運営の取り組み.第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会 抄録集, 2010.

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