整形外科・リハビリ病院が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

クリニック・治療院 OGメディック

  • yukie

    公開日: 2019年06月26日
  • リハビリ病院の悩み

2040年にはリハビリ職が供給過多!理学療法士・作業療法士が知っておくべき需要と供給の推計

理学療法士や作業療法士の数は年々増加し、社会的にも認知度が高まってきました。
高齢化社会を迎えているいま、「需要がなくなることはない」と過信している方もいるかもしれません。
しかし、人口動態の変化や時代の流れによって、リハビリ職の需要は大きく左右されます。
2040年にはリハビリ職が多すぎる状態になると推計されているため、この問題について考えていきましょう。

2040年にはリハビリ職が供給過多

数が多すぎ?増加する理学療法士と作業療法士

 数が多すぎ?増加する理学療法士と作業療法士

いま、日本は高齢化社会に直面しており、リハビリの需要も高まっています。
理学療法士や作業療法士を志すと決めたとき、「資格をとれば職に困らない」「高齢化社会を迎えているからニーズがある」といった考えをお持ちだった方もいるでしょう。
しかし、こちらの記事(増えすぎ?急増した理学療法士・作業療法士の養成校の現状を考える)でも触れたように、リハビリ職の養成校が増え、それにともないセラピストの数は増加しています。
医療に関する資格を取得したからといって、この先もずっと需要が確保されるとは断言できないのです。
高齢化と同時に少子化という問題もあり、若い世代が高齢者になっていく頃には、当然ながらリハビリの需要も減ってしまいます。
歯科医師なども数が多すぎるといわれていますが、理学療法士・作業療法士にとっても需要と供給の問題はひとごとではありません

リハビリ職はピンチ…?2040年の需要と供給問題とは

リハビリ職はピンチ…?2040年の需要と供給問題とは

2019年4月に、第3回理学療法士・作業療法士需給分科会が開催され、厚生労働省がリハビリ職の働き方や将来的な需要に関する推計を提示しました。
2040年頃には、人口10万人あたりのセラピストの数が約3倍になると推計されています。
また、人口あたりの就業者数を5年ごとに推計したデータも報告されています。

理学療法士 2025年 2030年 2035年 2040年
10万人あたりの就業者数 163 199 238 278
作業療法士 2025年 2030年 2035年 2040年
10万人あたりの就業者数 86 103 122 141

そして、2040年頃にはセラピストの供給数が需要数の約1.5倍になることが示されています。
そうなると、理学療法士や作業療法士の供給が過剰になり、セラピストが働き口を探すときには「椅子取りゲーム」のような状態になる可能性もあります。
理学療法士・作業療法士の方は、需要と供給のバランスについて知っておき、できる備えをしておく必要があるのです。

理学療法士・作業療法士が将来に備えて準備しておくべきこと

養成校が社会のニーズを考えて人材を養成することも大切ですが、理学療法士や作業療法士が個人でできる対策もあります。
セラピストの供給が需要を大きく上回ってしまったとき、就労先の確保に困らないよう、いまから準備しておきましょう。

●専門性を身につける意識を持つ

専門性を身につける意識を持つ

理学療法士や作業療法士の能力は、人によって大きな差があります。
簡単なマッサージのようなことだけをくり返している人もいれば、その人の生活や人生に寄り添った介入プログラムを提供している人もいます。
そして、勉強会や学会に積極的に参加してスキルアップを図る人もいれば、いま知っている範囲のことをやっている人もいるでしょう。
近い将来、リハビリ職の供給が需要を上回る見込みであるため、特に光るものがなければ、働き口に困る可能性があります
競争が激しくなったときに備え、病院や施設から「ぜひ働いてほしい」と思ってもらえるよう、スキルを高める意識を持ちましょう。
先輩セラピストから技術を学んだり、新しい論文を読んで知見を得る習慣を持ったり、方法はさまざまです。

●第三者に能力を証明できる資格や実績を

第三者に能力を証明できる資格や実績を

臨床で役立つスキルをコツコツと身につけることも大切ですが、それを第三者に証明するための方法を考える必要があります。
たとえば、どんなに英語が得意な人でも、TOEICやTOEFLなどのスコアで能力を証明できなければ、書類選考の段階で担当者の目にとまらない可能性があります。
それと同じように、リハビリ職のスキルも何らかの形で提示できないと、就職や転職の際に自己PRしにくくなります。

  • ●学会や論文での研究発表・症例報告
  • ●コース・研修を修了
  • ●研究費の獲得
  • ●学位の取得
  • ●関連資格の取得

理学療法士や作業療法士が自身の能力や経験を証明するための方法はいくつもあります。
履歴書の自己PR欄に記載すると能力の証明になりますが、「熱心に仕事に取り組んでいる人」という印象を与えることも可能です。
どれも時間と労力を要するものばかりですが、「自分をPRできる何か」を持つと、人材の供給が需要を上回ったときにも強みになります。

●ロボットやAIにはできない仕事をする

近い将来、ロボットやAIが医療・介護の現場に普及していることが見込まれます。
リハビリの計画、関節可動域訓練など、比較的単純な仕事はテクノロジーに取って代わられる可能性もあります。
理学療法士や作業療法士は生き残りやすい職業といわれていますが、それでも「人間にしかできない仕事」を心がけて臨床業務にあたると良いでしょう。
患者さんの心理や生活史をくみ取る、表情や行動の変化を見逃さないようにする、モチベーションの変化を感じるなど、人間の視点だからこそ気づけることも多いのです。

なお、ロボットやAIが台頭する時代におけるリハビリ職の生き残りについては、こちらの記事(リハビリテーションにAIは応用されるのか 現状や展望を解説)でもご紹介しています。

いまからできる備えを始めよう!

仕事に対する姿勢は人それぞれですが、時代の流れとともに状況は変化するため、「いまが良ければすべて良し」とはなりません。
安定した職業に思える理学療法士や作業療法士ですが、この先ずっと働き口に困らないという保証はないのです
良い意味で危機感を持ち、いまからできる備えを始めていきましょう。

参考:
厚生労働省:理学療法士・作業療法士の需給推計について.(2019年6月25日引用)
厚生労働省:理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について.(2019年6月25日引用)

  • yukie

    公開日: 2019年06月26日

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)