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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年07月31日
  • リハビリ病院の悩み

感覚過敏とは?聴覚や視覚が敏感な人の特徴と対処法を解説

感覚過敏とは、感覚刺激に対して敏感な状態であり、生活に不便があることを指します。
発達障害がある人では、さまざまな感覚に対して敏感に反応することがあります。
今回は、感覚過敏とはどのような状態なのか、わかりやすく解説します。
リハビリの中で、感覚過敏に悩む患者さんがいたときにアドバイスしたい対処法についてもお伝えします。

感覚過敏に悩む患者さんがいたときにアドバイスしたい対処法

感覚過敏の特徴 1:聴覚

聴覚に過敏がある方は、日常的にさまざまな音に対して敏感に反応してしまいます。
人によって不快に感じる音は違いますが、大きな音や生活雑音などにストレスを感じる方が多い傾向にあります。

●特徴

耳から入ってくる音刺激に対して、敏感に反応してしまうことを「聴覚過敏」といいます。
聴覚過敏があると、消防車や救急車のサイレン、雷、花火、風船が割れる音など、大きな音が苦手であり、苦痛に感じてしまうことが少なくありません。
人によっては、不快な音が引き金となり、パニックになってしまう場合もあります。
学齢期の子供であれば、運動会の徒競走で用いるピストルの音にストレスを感じるなど、学校行事においても不便さが生じることがあります。
大きな音がすれば、耳をふさいだり、その場を離れたりするなどの行動が見受けられます。
また、大きな音ではなくても、時計の秒針、冷蔵庫や洗濯機、冷暖房の音など、ちょっとした生活雑音が気になってしまう方もいます。
あるいは、賑やかな場所で話を聞き取ることができない、会話に集中できないという特徴がある方もいます。

●対処法

耳栓やヘッドホンなどを使用して、耳から入ってくる音の刺激を減らすように工夫してみましょう。
聴覚過敏が強い場合には、遮音性が高いイヤーマフを使うことも方法です。
工事現場や射撃などで音を遮るために作られている道具であるため、不快な音をシャットアウトできます。
外出先などでも、イヤーマフを持っている安心感から、聴覚過敏が落ち着くケースもあります。
学校行事などに参加するときには、大きな音が出る可能性があるか、あらかじめ確認したり、子供に説明したりしておきましょう。
「生活音は気になるが、好きな音楽は聞ける」など、人によって不快な刺激には違いがあるため、好きな音で苦手な音を隠すことも工夫のひとつです。

感覚過敏の特徴 2:視覚

視覚刺激に対して、敏感に反応する方では、光やコントラストなどの影響を受けやすくなります。
視覚刺激によって気分が悪くなったり、疲れてしまったりと、苦労されている方もいます。

●特徴

まぶしい光、点滅する光、蛍光灯の光、フラッシュなど、光刺激が苦手だと感じることが多いです。
色に対する過敏では、コントラストの強い色の組み合わせを見たり、派手な看板を見たりすると、疲労感があるなどの状態になります。
また、人混みなどで、動いているものを見ていると、極端に疲れてしまう方もいます。

●対処法

サングラスや帽子などを活用して、目に入る光や刺激の量を減らす対策があります。
また、学校や職場では、壁側の席にしてもらったり、パーテーションなどを置かせてもらったりするように相談してみましょう。
視覚的な刺激が多すぎて疲れたと感じるときは、意識的に目を閉じて休めることで、ストレスが軽減する可能性があります。

感覚過敏の特徴 3:触覚

発達障害がない人でも、人によって「ぬめりのある触感が苦手」「人に触られるのが嫌い」という人はいるでしょう。
触覚に過敏がある場合には、何気ない刺激でも極端に不快に感じてしまいます。

●特徴

皮膚の触覚に過敏があると、手がべたべたしたり、皮膚に水がついたりしたときに、極端に嫌がるなどの反応が見受けられます。
幼稚園や学校では、粘土やのり、絵の具などの感触が苦手で、ストレスになってしまうことがあります。
また、皮膚に触れる衣服の素材についても、ニットのセーターは苦手など、不快に感じる刺激があります。
靴下やスリッパなど、足元の触感がどうしても耐えられないという人もいます。
まだ発語のない子供でも、理学療法や作業療法の場面で必要な介助をしたり、手をつなごうとしたりすると、手で払いのける行動が見られることがあります。
行動や反応を観察してみると、過敏を予測するヒントが得られます。

●対処法

衣類などは心地よいと感じる素材の製品を身につけ、苦手なものは無理に着ないようにしましょう。
衣類のタグなどが触れて気になる場合には、タグを切ってもチクチクとした刺激となることがあるため、縫い目から取り除く工夫をします。
また、触覚過敏があることを家族や友達に理解してもらい、突然触らないようにお願いしておくと安心です。
リハビリ中、どうしても体に触れる必要があるときは、少しだけ圧を加えるようにすると、不快感が軽減する場合があります。

感覚過敏の特徴 4:嗅覚

香水や柔軟剤のにおいが苦手な方に遭遇することは珍しくありませんが、嗅覚に過敏があると、においに対して特に敏感な状態になります。
嗅覚に感覚過敏がある人の特徴と対処法をみていきましょう。

●特徴

嗅覚に過敏があると、特定のにおいに対して極端な苦手さを感じるようになります。
人によって苦手なにおいには違いがあり、納豆やきゅうりなど、比較的においに特徴がある食品のほか、柔軟剤や石けんなどが該当する場合もあります。
車やタクシーのにおいなどが苦手というケースもあり、人によって不快な刺激はさまざまです。
百貨店の香水、化粧品売り場など、苦手なにおいが充満している場所にいられず、その場を離れてしまいます。

●対処法

苦手なにおいのする場所には、できるだけ近づかないようにするか、マスクをするなどして工夫してみましょう。
においが我慢できないときだけ、口呼吸をするなどの工夫をされる方もいます。
また、不快なにおいを嗅いで気分が悪くなったときに備えて、自分の好きな香りを持ち歩くようにすると、気がまぎれる可能性があります。

感覚過敏の特徴 5:味覚

味覚の感覚過敏によって、偏食がある方も少なくありません。
どんな味や食感が苦手であるかは個人差がありますが、味覚が過敏な方の反応についてイメージを持っておきましょう。

●特徴

食べ物の好き嫌いがあり、特定の味を極端に嫌がる傾向にあります。
味だけでなく、特定の食感についても苦手だと感じる方がいます。
たとえば、生クリームや豆腐のように柔らかな食品、なめこやおくらなどネバネバした食品などが苦手だと感じることがあります。

●対処法

苦手な味、食感の食べ物に関しては、無理に食べないようにします。
味覚の過敏が強い子供の場合には、幼稚園や学校の給食を食べることがストレスになる場合があるため、お弁当を持参して良いか相談してみることも方法です。

感覚過敏の状態を理解して、適切なアドバイスを!

感覚過敏は、見た目からは理解しにくい状態であることから、人知れず悩んでいる患者さんもいます。
特に発達障害領域では、リハビリの中で理学療法士や作業療法士が相談を受けることも多いです。
感覚過敏に対するイメージを持ち、対処法についても理解しておきましょう。

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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