整形外科・リハビリ病院が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年08月30日
  • リハビリ病院の悩み

研究の新規性とは?若手研究者がおさえておきたい基礎知識

研究を進める上では、必ず「新規性」が求められます。
卒業論文や学位論文でも、新規性について記述する箇所が指定されていることもあります。
研究を初めて間もない若手研究者にとっては、新規性が何を指すのか捉えにくい部分があるかもしれません。
今回は、研究における新規性とはどのようなものか解説します。

研究における新規性

研究の新規性とは

研究における新規性とは、これまでの研究とくらべて、「何が違うのか」「どこが新たな試みなのか」ということです。
研究には必ず新規性が求められるため、どこが新しい視点なのか、説明できるようにしておく必要があります。
すでにある研究をそのままなぞって行うだけでは、「新規性がない」と判断され、研究に割く時間やコストが無駄になってしまいます。
新規性のない研究では、研究費を獲得したり、学会や科学雑誌に投稿しても、リジェクトされてしまう可能性が高いでしょう。
なお、新規性は、英語で「Novel」や「Novelty」と表されるため、研究で登場する単語として覚えておきたいところです。

研究の新規性と先行研究の調査

国外の英語論文も調査が必要

研究の新規性を考えるためには、先行研究の調査が不可欠です。
これまでに発表されてきた研究論文を熟読しておかなければ、自分の研究のどこが新しいのか、説明することができません。
過去の研究で、どこまでが明らかになっていて、どこからが未踏の領域なのか、よく把握しておく必要があるのです。
日本語の論文に目を通して「これは新しいテーマだ」と思っても、国外ではすでにカバーされていて、陳腐化している可能性もあります。
そのような意味でも、国内だけでなく、国外の英語論文もしっかり調査しておくことが求められます。
ときどき「自分の研究には先行研究がない」という方がいますが、それは自分の研究の位置づけを十分に捉えられていないためと考えられます。
研究方法の類似性が高くなくても、先行研究で得られた知見を参考にできる場合は多くあります。
また、論文を熟読することのほかには、その領域に精通した研究者の意見を仰いだり、すでに動いている研究プロジェクトについて調査したりすることも大切です。

新規性のある研究にする方法

新たに開発した医薬品や医療機器の効果を検証するといったテーマでは、研究の新規性が比較的わかりやすいです。
しかし、何もかもが新しい要素である必要はなく、研究方法はそのままで、対象者だけを変えるということも可能です。
この場合は、何らかの理論や根拠に基づいて、ある手法が「ほかの疾患にも応用できる」という仮説を立てます。
それを検証するという視点であれば、対象者を変えるだけでも新規性をもたせることができます。
あるいは、あえて過去の研究をなぞって、再現性を検討することを研究目的にする場合もあります。
再現性を確認した研究がほかにないのであれば、そこに新規性があるといえるのです。
やみくもに再現性を確認するだけの研究を続けても意義がありませんが、先行研究で採用している方法や手続きに問題点があり、もう一度検証する価値があれば、そのような選択肢もありえます。
新規性をもたせる方法はさまざまですが、どこがこれまでにない新しいポイントなのか、研究者自身が把握しておくことが大切です。

論文をたくさん読んでヒントやアイデアを得よう

多くの視点を持つために情報収集は欠かせない

研究を新規性のあるものにするためには、論文をたくさん読み、そこから問題点や残された課題を探る必要があります
論文を読みすぎると、かえってオリジナリティが失われると考える人もいますが、実際には読む作業がとても大切です。
論文をたくさん読めば読むほど研究のヒントやアイデアが得られ、多くの視点を持てるようになるため、研究者にとって情報収集は欠かせない作業となります。
研究を計画するときは、どこが新しい試みなのか、先行研究と照らし合わせて、よく考えてみましょう。

あわせて読みたい:
医学系の英語論文を書くときに活用したい校正・翻訳サービス
臨床研究シリーズ 横断研究で各データの関連性を明らかにしてみよう

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)