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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2019年09月30日
  • リハビリ病院の悩み

国際共同研究を進めるコツ 研究の意義やコミュニケーションのポイントをご紹介

国際共同研究を進め、研究成果を広く発信することは、研究者にとっては大きなキャリアとなります。
しかし、日本国内で働く医師や医療従事者にとっては、なかなかハードルが高いことのように思えるかもしれません。
今回は、国際共同研究を行った経験のある筆者が、意義やコミュニケーションのポイントについてお伝えします。

キャリアを積める国際共同研究

国際共同研究の意義はどこにあるのか?

国際共同研究の意義はどこにある

国際共同研究を行うとなれば、国内の研究室の仲間と小規模な研究を実施する場合よりも、ハードルは高くなります。
それでも、海外の研究者と連携しながら研究を進める意義は、どこにあるのでしょうか。

●国際共同研究を行うメリットとは?

日本という限られた環境で研究を進めるよりも、よりよい研究ができる可能性があります。
日本から一歩外に出ると、同じ領域を専門にしているエキスパートなど、海外の優秀な研究者と一緒に仕事をすることができます
そうなれば、研究の質や内容を高めることにつながっていくので、そこに意義があります。

●国際共同研究では成果の発信もしやすいのか

国際共同研究では、世界規模で研究成果の発信や共有化を行いやすいという側面があります。
日本国内で完結する研究よりも、国際共同研究のほうが、国際学会や英語の学術雑誌での発表もハードルが低くなります
昨今、グローバル化が進んでいるため、特定の地域だけでなく、世界的にも使える成果だったり、関心を持ってもらえる研究にすることが望ましいです。
欧米やアジアなど、いろいろな国や地域と連携して、データ収集を行ったり、成果の発信を行ったりしていくことができます。

国際共同研究を円滑に進めるコツは「はっきり意見を言うこと」

国際共同研究を進める上では、日本人の研究者とプロジェクトを進めるときとは違う苦労があるものです。
どうすれば言葉や文化の違う研究者とうまく研究を行っていけるのでしょうか。

●国際共同研究を進めるときのポイント

国際共同研究を進めるときのポイント

国際共同研究を行うときは、「はっきりと自分の意見を言う」という点が大切になります。
言葉には文化の影響もあるので、日本人同士で研究を行うとき以上に、明確に主張を伝えることが欠かせません。
たとえば、日本人がニコニコ笑って「検討します」と言うとき、外国人は可能性があるのだと前向きに捉えてしまいます。
しかし、日本人の場合、もう「No」という答えが出ているにもかかわらず、表向きは「検討します」と伝えることも少なくありません。
そのように、同じ単語や表現を使っていても、文化によって認識が違うことがあるため、あとで問題につながる可能性もあります。
研究に関する作業の優先順位をどうするかなど、肝心なことはあいまいにせず、双方がはっきりと確認していく必要があります

●国際共同研究を進める上で必要な英語力

国際共同研究では、「言葉の壁」がある点はやはり大変と感じられるものです。
お互いに辛抱強く、知ったかぶりをせず、わからないことでもはっきり聞くという姿勢が欠かせません。
人によって英語の得意、不得意はありますが、ある程度の英語力はもちろん、それ以上にやりとりをあいまいにしない姿勢が大切になります。
日本人の場合、英語を使えると共同研究の機会が広がる上に、研究者としての強みにもなります。
日頃から英語の音声を聞く習慣を持つなど、耳を慣らしておくことも大切でしょう。

国際共同研究における研究費のあり方とは

国際共同研究を進めるに当たり、研究費をどこから調達するのかはひとつのポイントになります。
十分な研究費がなければ、国際共同研究を進めることは難しくなってしまいます。
どこで、どのように研究費を獲得するのかお伝えします。

●国際共同研究を進める場合、研究資金はどのように集めるのですか?

日本でも、国際共同研究を支援する研究費があったり、海外でも国際共同研究のためのグラントがあったりします。
あるいは、海外の病院などに基金があって、患者さんのための研究ができる場合もあります。
日本と海外、どちらの研究費助成に応募するのか、共同研究者と話し合って決定していきます。
日本の研究費助成では申請書が日本語のため、日本人研究者が中心となって書類を作成することが多いでしょう。
海外のグラントの場合は、チームの誰かが申請書を作り、最終的には英語を母国語とする研究者がチェックするという流れとなります。

●国際共同研究では、やはり出張にもコストがかかるのでしょうか。

国際共同研究には、出張にもコストがかかるのか

国をまたいで共同研究をするとなれば、渡航費は必要になります
昔は出張で行くしか選択肢がありませんでしたが、現在はSkypeなどのように、テレビ通話の機能でディスカッションできる環境もあります。
時差の問題さえクリアできれば、普段はそうしたツールを使い、研究者間でコミュニケーションを取ることも可能です。
しかし、共同研究を進めるには、相手のことをよくわかっていなければならず、信頼関係の構築も欠かせません。
そのため、遠隔だけで全て済ませるわけにはいかないのです
少なくとも年1〜2回は、直接対面して、研究の進捗を確認したり、方向や認識をすり合わせたり、内容の議論をしたりする機会を持つ必要があるでしょう。

国際共同研究で研究者としてのキャリアアップを

国際共同研究は、経験がなければ敷居が高いものに感じられるものです。
実際、言葉の壁や文化の違いがあり、研究費の獲得という課題もあります。
海外の研究者と仕事をするときは、情報のやりとりをうやむやにせず、はっきりと意見を述べる姿勢が大切となります。
ぜひ、質の高い研究のため、そして、ご自身のキャリアアップのため、国際共同研究にチャレンジしてみてください

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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