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ハワイのデイケア〜筆者がハワイで経験したデイケアの現場〜

高齢化社会を迎えた日本では、デイケアなども多く見かけますが、海外でも同じようなデイケアは存在するのでしょうか?
ハワイのデイケアで勤務経験のある筆者が、その実状をご説明します。

海外でのデイケアの実状

ハワイのデイケア事情。筆者が実際に勤務した職場の利用者へのサービスとは?

まずは筆者が実際に勤務していたハワイのデイケア施設について、その概要をご紹介します。

1)ハワイのデイケア施設は一体どんなところ?時間や場所、通所方法は?

筆者が勤務していたデイケアでは、祝日を除く平日の7:30?17:30となっており、利用者さんは家族の送迎もしくは公共の介護タクシーを利用していました。
介護タクシーは市が運行しており、リフト付きのバスもあり乗車料金は2ドル(218円※)です。
場所は教会を借りて行われておりバリアフリーに配慮されたもので、平日は拝礼などもないため、うまく場所を共有でき無駄がありません。
ほかにも一軒家を改装したデイケア、学校内に建てられたデイケアなどもあります。

2)デイケアの利用条件と気になる利用料は?

アメリカには公的な介護保険はなく、介護は民間の保険会社で加入が可能なものがありますが、条件が難しく利用できないもしくは保険料が高額になります。
筆者が勤務していたデイケアでも事故防止のために細心の注意を払っていましたが、以下の日常生活の基準を満たした利用者さんのみを対象としていました。

  • ●自力での移動が可能(歩行器、つえ、車椅子の利用も可)
  • ●自力で食事が可能
  • ●トイレでの身の回りの動作が自力で可能
  • ●徘徊しない
  • ●3カ月以内にツベルクリン反応が陰性であったことを証明できる
  • ●55歳以上の方

この条件からもわかるように、職員は転倒しないように近くで見守ることはあっても歩行介助はしません
寝たきり、重度の障がいを持った方、急性疾患・感染症疾患を持っている、専門家による特別な作業やモニタリングが必要な医療機器を使用している(在宅酸素療法や呼吸器など)などに当てはまる方も、残念ながらデイケアを利用できません。
1日の利用料は75ドル(8190円※)前後で、日本のデイケアとくらべると大変高額です。
ただ、介護保険のないアメリカでの金額ですので、純粋にくらべることは難しいといえるでしょう。

3)1日の流れと充実したアクティビティ

利用者さんが施設に到着すると、朝食の用意や血圧の測定などをします。
その後、朝の9時ごろからは15分程度の体操、スナックタイム、アクティビティが行われます。
アクティビティは日本のデイケアと同様に、クラフトや少し体を動かすゲーム(サッカーやゴルフなど)、すごろくや計算などのゲームも行います。
慰問の方が来てくださり、コーラス、ダンスなどの鑑賞が行われるときもあります。
昼には、弁当(持ち込み食品も受け付け)を職員が見守っている状態で食べ、休憩後昼の体操、また午後も同様のアクティビティと続きます。
なかには疲れてしまう方もいるので、その場合にはカウチで休憩することもできます。
自力での歩行が不可能になるなどの適応基準を逸脱した方は、リハビリテーション施設に通院するか、ナーシングホームと呼ばれる老人ホームに入所することになります。

日系人の多いハワイ。英語が話せなくても働ける?

2015年の在ホノルル総領事館の調査によりますと、142万人のハワイの人口のうち、全体の約32%、31,2万人の日系人(国際結婚の家庭を含む)が住んでいます。
ではハワイでは日本語が通じるのでしょうか?

日系人の多いハワイ。英語が話せなくても働ける?

1)ハワイの第一言語は英語。利用者さんには日本語を話せる方も。

日系人が多くいても第一言語は英語であり、なかには”bento(弁当)”や”sugoi(すごい)”などの日本語が使われている場合もあります。
2世3世である今の高齢者の方々は、日本語を話せる方も多いのですが年齢が若くなるにつれて、日本語は簡単な単語程度という方が多いように思います。
実際筆者が勤務したデイケアでは、経営者やスタッフは日本人がほとんどでしたが、30名前後の利用者さんのうち2?3名の方は、英語しか話せませんでした。
筆者が勤務したデイケアは特殊なところだったので、かなりの方が日本語を理解することができましたが、ほかのデイケアでは英語を話せないと難しいでしょう。
ハワイは物価も高いため、デイケアのスタッフの給与では生活をすることは困難で、実際2つの仕事を掛け持ちしているスタッフもいました。

2)筆者が出会った日本人たちは、ハワイでなにをしている?

日本の文化などにも寛容であり、一年を通して暖かいハワイの気候は住みやすく、直行便もあるためでしょうか、ハワイにはさまざまな日本人が暮らしています。
筆者が出会ったアメリカ人の女性2人は看護師さんとPTでしたが、それぞれ医療と関連のあるCNA(看護助手)と呼吸療法士になられていました。
彼女たちは当然英語も流暢で、日常生活には問題のない方々でしたが、日本人には永住権を得られない限り難しいといえます。
また、ハワイには日本人の医師も多くクリニックなどもありますが、それらの医療機関で働くには「ライセンスを取る」「大学に行く必要がある」ため、英語力は最低限必要です。

デイケアで働くために。必須資格や健康管理とは?

日本で理学療法士の資格を取得した筆者は、なにか新しい資格を取得したわけでもなかったのですが、ハワイのデイケアで働くことができました。
勤務先では、医療や介護などの保険を使用しないということもあり、特に新たな資格を取得しなくても勤務が可能だったのです。
しかし、デイケアに勤務するうえでクリアしないといけない、いくつかの条件はありますので以下でご紹介します。

1)デイケアで働くために必要な健康管理

筆者が働いていたデイケアでは、1年に一度の健康診断とツベルクリンテストが必須でした。
入職時には、2Stepツベルクリンテストが必要で、2度のツベルクリンテストでの陰性反応であったかを報告します。
そのために、2時間分の時給と常勤者には有休が与えられ、診察を受けるように徹底されていました。
病院ボランティアでさえもツベルクリンテストが必要であり、医療関連機関の関係者には必要な健康管理の一つです。
日本ではBCG接種が勧められているため、ツベルクリンテスト後に胸部のレントゲンを撮る必要があるなど、大きなハードルとなることがあります。

2)デイケアで働くために必要なBLS講習と指紋採取

高齢者をお預かりするデイケアの職員にはBLS(Basic Life Support)という一次救命処置の講習を受けることが義務付けられています。
デイケアがBLSインストラクターに依頼し、講習のセッティングをしたり、アメリカ心臓協会やRed Crossなどが主催する講習会に参加することで取得できます。
もう一つ日本と異なる点は、指紋の採取が必要なことです。
ハワイ州の保健局によりますと、アダルトデイケアや老人ホームなどで勤務するうえで犯罪歴がないかなどの照合のために指紋採取が必要となっています。

ハワイでの生活を考えている人に

今回は筆者の経験をもとに、アメリカ・ハワイでのデイケアについてお話ししました。
保健局の管理は日本よりも徹底されておりシステム化されていますし、BLSの導入などは日本においても必要なものでしょう。
将来アメリカでの生活を考えていらっしゃる方に、一つのヒントになれば幸いです。

※日本円換算は2018年1月26日現在のもの

参考:
The handy van(2018年1月25日引用)
ハワイ州要覧2015(2018年1月25日引用)
State of Hawaii ,Department of Health(2018年1月25日引用)

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