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クリニック・治療院 OGメディック

  • 奥村 高弘

    公開日: 2020年01月28日
  • リハビリ病院の悩み

初めての講演を成功させたい!押さえておきたいポイントを解説します

勉強会や研修会などに参加した際、講師の話し方や伝え方が上手だと感じたことはないでしょうか?
新人の頃は参加者という立場ですが、キャリアを積んでくると講師として招かれることもあります。
講師として聴衆の前に立つときは、対象者の職種や人数などによって伝え方を工夫することが重要になります。
本記事では、講師を務める際に押さえておきたいポイントについて解説します。

同職種と他職種、対象によって方法は異なります

ポイント1 対象が同職種の場合、専門知識で押してもOK

対象が同職種の場合、専門知識で押してもOK

まず最初に、同職種に対する講演をする場合について考えてみたいと思います。

●同職種はある程度ベースとなる知識を持っている

講演内容にもよりますが、聴衆が同職種の場合、基本的には講師と同等かそれに近い知識を持っていると考えてもよいでしょう。
特に座学中心の場合、基本的な内容を中心に話を進めていると、聴衆のモチベーションが低下する可能性があります。
参考書に書いてある内容であれば、さらっと流す程度にとどめておいて、それをベースに応用編に入るとよいでしょう。
ただ、実技が中心の場合では、基本的な内容をおさらいした後で実技に進むのがベストですので、時間配分を間違えないようにすることが大切です。
いきなり専門的な手技に入ってしまうと、理解ができない参加者はおいていかれたと感じてしまうので注意が必要です。

●聴衆が求めているのは実践で生かせる内容

聴衆が求めていることと講師が伝えたいことに乖離があると、貴重な時間が無駄になってしまいます。
自分の話す内容がその研修会の趣旨と合致しているかどうか、聴衆がなにを求めているかをよく吟味して話す内容を決めていきましょう
聴衆が求めていることは決して難しい内容や概念ではなく、実際の臨床にどう生かせるかということです。
研修会の進行に関しても、基本的な内容、応用編、臨床への落とし込みなどの順で段階的に進めていくと、聴衆の理解も進むのではないでしょうか。

●スライド作成に関してはシンプルなほうがいい?

パワーポイントやキーノートなどのプレゼンソフトは、フォントやアニメーションなどさまざまな表現方法があり、凝りだしたらキリがないほどです。
しかし、専門職が研修会にくる目的は自身のスキルアップであり、1つでも多くの知識や技術を持ち帰りたいと考えているからです。
アニメーションなどで興味をひくテクニックは重要ですが、伝えるべき内容が盛り込まれているかを意識しましょう。
ただし、面白いスライドや講師のプライベート写真(賛否ありますが)を混ぜたりというテクニックは、頭を休めて集中力を持続させるために効果的です。

ポイント2 対象が他職種の場合、まずは自分への興味をひこう

対象が他職種の場合、まずは自分への興味をひこう

聴衆が他職種(医療職以外も含む)の場合、内容や進め方には工夫が必要になります。

●目的は知識や技術の共有、知っているという前提で進めない

専門職の場合とは異なり、ベースとなる知識や技術が講師と大きく異なる場合、進め方には工夫が必要になります。
たとえば、人工膝関節(TKA)の運動療法について講演する場合、専門職には疫学や最新知識、治療テクニックなどを中心に話を進めていくでしょう。
しかし、対象が他職種や医療関係者以外の場合、そもそもTKAがどういう病態なのか、生活にどのような影響があるのかを知らないこともあります。
なかには専門的な話を聞きたいと思っている参加者もいるかもしれませんが、これらの研修会では聴衆全体のベースを引き上げることが大切です。
つまり、「◯◯とはどういうことか」、「生活でなにが困るのか」などを中心に進め、自分が専門職としてどう考えているのかを伝えることが大切です。
同職種に関しては明日から使えるテクニック(知識)、他職種に関しては情報の共有を最終目標に内容を組み立てていくのがベストです。

●理解できる量は限られている、なにを伝えたいかを明確にしよう

講師を引き受けた以上、少しでも多くの内容を伝えたいと思うあまり、膨大な量の資料を作成してしまうことがあります。
ただ、研修会の限られた時間で理解できる量には限りがあります。
全て理解できる参加者はほとんどいないでしょう。
量が多くなること自体は悪くないですが、定期的に「ここがポイント!」や「これだけは覚えて帰ってください」などと、伝えたいことを強調するとよいでしょう。
また、最後のまとめに入る際に、今回の研修でなにを伝えたかったかを再確認することも効果的です。

●スライド作成は興味をひくような演出を使ってもOK

聴衆と講師の間に面識がない場合、淡々と話を進めていくと会場の雰囲気も固くなりがちです。
「実は、ドンっ!」など、答えを知りたいと思えるようにQ&Aでスライドを分割したり、ネタ的なアニメーションで会場を和ませたりするのも効果的です。
ただ、あまりネタに走ってしまうと「なんの研修会だったの?」と本末転倒になりかねないので、多用しすぎるのもNGです。
講師と聴衆の知識や専門領域に乖離がある場合、まずは自分の話に興味を持ってもらうことを心がけることが大切です。

ポイント3 座学?それとも実技?最近のはやりはグループワーク!

座学?それとも実技?最近のはやりはグループワーク

講演といっても、全ての時間を話に費やす必要はありません。
どういった流れで講演を進めていったらよいか、筆者のおすすめ方法をご紹介します。

●座学や実技だけの内容は正直つらい

知識や考え方を伝えることは重要ですが、聴衆の集中力の持続にも限界があります。
自身が参加した勉強会を思い返してみて、延々と話を続けられると眠たくなってきたり、どこが重要なのかわからなくなったりした経験はないでしょうか。
また、実技のみの勉強会でも集中力が途切れたりするので、講演内容の構成は非常に重要になります。
リハビリ関係の勉強会では、必要な知識を伝達して、それを基に実技練習を行う構成が多い印象をうけます。
この構成自体はもちろんいいのですが、実技は各参加者の感性に左右されることがあり、また自身の感じた内容を共有するのに苦労します。
ここ最近の傾向としては、参加者が小グループに分かれて、与えられた課題を解決するグループワークを取り入れる研修会が多くなってきました
このグループワークについて、進め方や実施するメリットを考えてみたいと思います。

●グループワークのメリットは情報共有とプレゼン能力の向上

グループワークにおける基本的な流れは、数人からなる小チームで、ある課題に関して相談しながら解決していくというものになります。
例として、症例検討会のように問題点や治療プログラムを考えていく進め方や、各メンバーの職場における問題点を列挙し、解決法を考えていくなどが挙げられます。
グループワークのメリットとしては、自分以外の参加者の考え方を知ることができ、新しい発見を基に自身の視野を広げることができます
また、話し合った内容を発表することでプレゼン能力も鍛えられ、参加者全員が同じ情報を共有できることも強みです。
しかし、グループワークにおける注意点もいくつかあります。
まず、人前で話すことが苦手な方は発言が少なくなり、特定のメンバーしか発言しない可能性があります。
また、進行に関してメンバーが理解していない場合や、主催者側の趣旨と違う方向に話が進んだりすることもあります。
そのため、各グループにファシリテーターを置いて進行のサポートをする、講師がグループを巡回して進行状況を確認するなどの対応が求められるでしょう。

伝え方が重要!聴衆の目線にたった講演をしよう

初めて自分に講師依頼がきた場合、「難しい内容をたくさん伝えないと!」と意気込んでしまいがちですが、それは自分目線でしかありません。
講演時間は限られているので、伝えたいポイントを絞って話を進めていくことが重要です。
「自分ならこの内容を聞いてどう臨床に生かすだろうか」、「どう伝えると理解しやすいだろうか」など、聴衆の目線にたった内容を心がけましょう。
初めての講演が大成功に終われば、その後もお声がかかったり、別の講演会での講師依頼がくることもあります。
プレゼンスライドに熱を入れるのもいいですが、講演内容の構成や伝え方をしっかり考えて、実りのある講演になるように工夫することが大切です。

  • 執筆者

    奥村 高弘

  • 皆さん、こんにちは。理学療法士の奥村と申します。
    急性期病院での経験(心臓リハビリテーション ICU専従セラピスト リハビリ・介護スタッフを対象とした研修会の主催等)を生かし、医療と介護の両方の視点から、わかりやすい記事をお届けできるように心がけています。
    高齢者問題について、一人ひとりが当事者意識を持って考えられる世の中になればいいなと思っています。
    保有資格:認定理学療法士(循環) 心臓リハビリテーション指導士 3学会合同呼吸療法認定士

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